重曹+クエン酸はトイレつまりに効果なし?おすすめの方法を紹介

重曹+クエン酸ではトイレつまりの解消に大きな効果が期待できない理由を解説するとともに、より効果的な方法を紹介!重曹とクエン酸を使いたいときのやり方と注意点、ベーキングパウダーをおすすめしない理由や、業者に依頼したほうがよいケースなども解説。

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重曹+クエン酸はトイレつまりに効果なし?おすすめの方法を紹介

目次

重曹とクエン酸を使ったトイレつまりの解消は大きな効果が期待できない

トイレつまりを解消する方法のひとつに「重曹」や「クエン酸」を使うというものがありますが、実際のところ大きな効果は期待できません。その理由を解説します。

重曹やクエン酸につまった物を溶かしたり消したりするほどの効果はない

重曹とクエン酸、そして水またはお湯を混ぜると「炭酸ガス(二酸化炭素の泡)」が発生します。ちょうど炭酸飲料のようなイメージです。その泡の作用でトイレつまりの原因が「溶ける」「溶けやすくなる」というのが、重曹やクエン酸でトイレつまりを解消できるといわれている理由です。

ですが、その泡にはトイレつまりの原因(たとえばトイレットペーパーなど)を溶かしたり砕いたりするほどの強力な作用はありません。

加えて1時間などある程度放置することになるため、その間はトイレが使えないままとなります。さらに、試した結果トイレつまりが解消しなかった場合、別の手を考えなければならないなど二度手間となります。

重曹やクエン酸がまったく効果がないわけではありませんが、トイレつまりは一刻もはやく解消したい問題ですので、それよりも効果的な方法を最初から選択することをおすすめします。

重曹とクエン酸より効果的なトイレつまりの解消方法

トイレつまりが発生したら、重曹やクエン酸を使うよりも先に、次のような方法を選びましょう。

効果的なトイレつまりの解消方法など、自分で出来るトイレつまりを解消する方法は以下の記事でまとめています。

ラバーカップ

ラバーカップは「スッポン」などとも呼ばれる、昔ながらのトイレつまり解消道具です。便器の排水口に押し付けてカップの中を真空状態にし、グッと引き上げることでトイレつまりの原因を吸引または動かして解消させます。和式・洋式・両用などさまざまなタイプがあります。

ラバーカップを使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

真空式パイプクリーナー

ラバーカップの柄の部分がシリンダーになったものが真空式パイプクリーナーです。ラバーカップよりも吸引力が強いのが特徴です。先端を便器の排水口に押し付けてカップの中を真空状態にし、手元のハンドルをグッと引くことでつまりの原因を引き寄せます。ネット通販などで手軽に手に入りますので、ひとつ備えておくといざというときに役立ちます。

真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

洗剤や薬品

トイレットペーパーなどを溶かす作用のある塩素系の洗剤、尿石などを除去する作用のある酸素系の洗剤のほか、ごく軽度であればご家庭にある食器用中性洗剤などでトイレつまりを解消できる場合があります。

洗剤や薬品を使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ワイヤーブラシ

排水管を掃除する道具で、長いワイヤーの先端にブラシが付いているものです。便器の排水口から差し込み、つまっている物に当たったらグイッと押したりグルグル動かしたりすることでトイレつまりの解消を狙います。

ただしトイレの排水管はS字などに湾曲しているため、慣れないと差し込むのが難しいかもしれません。また固形物などが原因だった場合、うまくかき出せず奥に押し込んでしまうと悪化するおそれがあるため、使用には注意が必要です。

ワイヤーブラシを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

ごく軽度なら「水」「お湯」で解消できることもある

トイレットペーパーや便などであることが確実で、かつ「水が少しずつ流れている」などごく軽度のトイレつまりだった場合、水やお湯を流すだけで解消できることもあります。このとき、やや高い位置から便器に注ぎ入れるなど「水圧」を意識することが大切です。

お湯などを使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

重曹とクエン酸で解消できる可能性があるトイレつまりの原因は軽度の「トイレットペーパー」や「便」

重曹やクエン酸を使ってトイレつまりを解消させたい場合、もっとも重要になるのが「原因」です。効果がないものに対して重曹やクエン酸を使っても時間が無駄になってしまいますので、正しく理解しておきましょう。

トイレットペーパーや便であることが確実かつ、ごく軽度の場合

重曹とクエン酸で解消できる可能性があるのは、トイレつまりの原因がトイレットペーパーや便など水に溶けるもので、かつチョロチョロ流れている(完全につまっていない)など、ごく軽度の場合です。ただしお伝えしたように、重曹やクエン酸には強力な作用が期待できないうえ、放置するための時間が必要です。一刻もはやく解消させたいときはラバーカップや真空式パイプクリーナーを使う方法がおすすめです。

固形物や紙おむつなどは重曹やクエン酸では解消できない

スマートフォンや財布、子どものおもちゃなどの固形物、あるいは紙おむつやペットのトイレ、生理用品などがトイレつまりの原因だった場合、重曹やクエン酸では解消できません。この場合は、最初からラバーカップなど別の方法を選びましょう。

重曹とクエン酸を使ってトイレつまりを解消する方法

重曹とクエン酸を使ってトイレつまりを解消させたいときに用意する道具や、手順について解説します。

用意するものは重曹・クエン酸・お湯など

  • 重曹:50cc(大さじ3〜3.5杯程度)
  • クエン酸:100cc(大さじ6.5〜7杯程度)
  • 40〜50℃程度のお湯:適量
  • バケツ
  • ゴム手袋
  • ビニールシート
  • 灯油ポンプ

ビニールシートは便器まわりの養生に使用するものですが、なければ新聞紙などで代用しても構いません。また灯油ポンプは、便器内に溜まっている水をくみ出す際に使用します。なければペットボトルや紙コップなどでも構いません。この段階ではまだ重曹とクエン酸を混ぜないように気をつけましょう。

お湯の温度には注意が必要

お湯は40〜50℃程度のものを使用します。便器のほとんどは陶器ですので、熱湯を使ってしまうとひび割れなどを招くおそれがあるためです。二次的な被害を防ぐためにも、必ず40〜50℃程度のお湯を使うようにしましょう。沸騰したお湯と同量の冷水を混ぜれば50℃程度になります。湯温計がなければ試してみてください。

お酢を使う場合の分量は?

クエン酸がなければ、同じ酸性の「酢」で代用できます。この場合もクエン酸と同じく100cc程度が目安になります。

1.お湯を沸かし、便器に溜まっている水をくみ出す

まずはお湯を沸かし、冷ましている間に便器に溜まっている水を灯油ポンプなどでくみ出しましょう。水位は、通常時に溜まっているくらいの量が目安です。水位が高くなければ、くみ出す作業は不要です。

2.便器の水の中に重曹、クエン酸の順に入れてお湯を注ぐ

重曹、クエン酸の順に便器の水の中に全量投入し、40〜50℃程度のお湯を注ぎ入れます。勢いよく注ぐと跳ねるおそれがありますので静かに注ぎ入れましょう。ブクブク泡立ってくれば、重曹とクエン酸がきちんと反応している証拠です。

3.1時間ほど放置し、バケツで水やお湯を流す

その状態のまま1時間ほど放置しましょう。時間がきたらバケツに残っているお湯または新たに水をくむなどして流してみます。このとき流れずに水位が上がってしまう、チョロチョロとしか流れないといった場合は、速やかに別の方法を選択することをおすすめします。

4.無事に流れれば、レバーを回して最終確認をする

3の手順で無事に流れれば、トイレつまりが解消されたと判断してよいでしょう。念のためトイレタンクのレバーを回し、問題ないことを確認して終了です。

注意!塩素系の洗剤とクエン酸は絶対に混ぜてはいけない

トイレ掃除などで「塩素系漂白剤」といった塩素系の洗剤を使用していた場合、クエン酸や酢と混ざらないようにくれぐれも注意しましょう。これらが混ざると人体に有害なガスが発生して大変危険です。

洗剤のパッケージに「まぜるな危険」と書かれていれば、塩素系または酸性系のいずれかです。裏面の成分表にある「液性」がアルカリ性だった場合、塩素系なので絶対に混ざらないように気をつけましょう。

重曹の代用に「ベーキングパウダー」はおすすめしない

ベーキングパウダーはお菓子を作る際などに使われる「ふくらし粉」のことです。メーカーなどによって配合は異なりますが「重曹」「重酒石酸カリウム」「炭酸アンモニウム」などが含まれています。

水分や熱に反応すると、重曹とクエン酸を混ぜたときと同じように炭酸ガスが発生することから、トイレつまりの解消にも応用できるのではないか?と考えられているようです。ですが、ベーキングパウダーで代用することはおすすめできません。

使うことはできるが大きな効果は期待できない

炭酸ガスが発生するという性質を利用すれば、確かに重曹とクエン酸を混ぜたときのような使い方ができるかもしれません。ですが、ベーキングパウダーにはさまざまな成分が含まれていますので、重曹とクエン酸だけを混ぜたときよりも効果が低いと考えられます。

ただでさえ重曹とクエン酸ではトイレつまりの解消に大きな効果が期待できないわけですから、さらに効果が低いと考えられるベーキングパウダーを選ぶのはおすすめできません。

使う量や買いに行く手間などを考えればラバーカップのほうが断然よい

仮にベーキングパウダーをトイレつまりの解消に使う場合、重曹とクエン酸のような効果を得たければ、重曹の倍の量が必要になると考えられています。

商品にもよりますが、1つ数百円もするベーキングパウダーを大量に使うくらいなら、100均で重曹とクエン酸を買ったほうが経済的です。

さらにいうと、せっかく外へ買いに行くのであれば重曹やクエン酸ではなく、ラバーカップや真空式パイプクリーナーを買ったほうが、トイレつまりを効率よく解消できるはずです。

こうした理由からも、ベーキングパウダーで代用することは避けたほうがよいでしょう。

解消できないトイレつまりは業者にお願いしよう

すぐに来てくれるかどうかなどタイミングにもよりますが、次のようなケースでは業者を呼ぶことをおすすめします。

業者を呼んだほうがよいケース

「トイレつまりの原因が分からない」「固形物など自分では取り除けないものをつまらせた」「ラバーカップなどの方法を試したが解消しない」といった場合、速やかに業者に連絡しましょう。トイレつまりの解消方法はいろいろありますが、とにかくできるだけ早く確実に解消することが大切です。

無理にいろいろな方法を試した結果、悪化させてしまうおそれもありますし、解消までに時間がかかればトイレが使えない時間も長くなるため、コンビニに借りに行くなどさまざまな悪影響が想定されます。

トイレは家族みんなが1日に何度も使用する場所ですから、とにかく速やかに解消することを最優先に考えましょう。

業者にお願いした場合の料金の目安

トイレつまりがどの程度のものか、原因は何かなどによって料金が異なります。一例ですが軽度のトイレつまりであれば5,000〜8,000円程度で済むことが多いようです。重度になると20,000〜30,000円、さらに高圧洗浄といった機材が必要になったり、トイレそのものを取り外したりする場合は50,000円ほどになるケースもあるようです。

出張費や基本料金などは業者によって設定が異なりますので、トラブルを避けるためにも依頼する際に詳しく確認しておくことが大切です。