トイレつまりを洗剤で直す方法!おうちの食器洗剤も効果あり

一刻も早く解消したいトイレつまりを、食器用中性洗剤や重曹、酸性洗剤やアルカリ性洗剤など、洗剤や薬品を使って直す方法について解説。洗剤や薬品では直せないトイレつまりの種類や、業者を呼ぶときの費用の目安、トイレつまりを予防する方法まで徹底解説!

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トイレつまりを洗剤で直す方法!おうちの食器洗剤も効果あり

目次

洗剤や薬品で解消できるのは紙・尿石が原因の軽度なトイレつまり

トイレットペーパーや流せるお掃除シートなどによるつまり

本来、水に溶けるはずのトイレットペーパーや流せるお掃除シートなども、一度に大量に流したり連続して流したりするとつまってしまうことがあります。このようなトイレのつまりの場合は、洗剤や薬品で解消できる可能性があります。

蓄積した尿石汚れや排泄物などによるつまり

尿石(尿の成分が石のように固まったもの)が蓄積され、トイレつまりを起こすことがあります。排水口が狭い小便器などは特に気をつけなければいけません。また排泄物(主に大便)と大量のトイレットペーパーなどが組み合わさってトイレつまりの原因となることもあります。尿石も排泄物も、洗剤や薬品で解消できる可能性があるトイレつまりです。

洗剤や薬品で解消できないつまり

スマートフォンやおもちゃ、洗剤のキャップやボールペン、紙おむつやペットのトイレといったように、水に溶けないものがトイレつまりの原因だった場合、洗剤や薬品で解消することができません。その場合は業者を呼ぶか、別の方法を選択することになります。

トイレつまりに効果的な洗剤や薬品とは?

食器用中性洗剤

どのご家庭にもある食器用中性洗剤は、酸性とアルカリ性の中間の作用を持つ洗剤です。便器や排水管を傷つけたり、有害なガスが発生したりするといったリスクがないのが特徴です。洗浄力は高くありませんが、トイレットペーパーなどのごく軽度のトイレつまりに効果的です。

重曹とクエン酸

ナチュラルクリーニングに欠かせない重曹とクエン酸は、天然成分で人体や環境に優しく、掃除や洗濯などさまざまな用途がある便利なアイテムです。

重曹はアルカリ性で、大量のトイレットペーパーや排泄物などが原因のトイレつまりに使用できます。一方のクエン酸は酸性で、尿石などアルカリ性の汚れに対して効果的です。

また重曹とクエン酸を混ぜると発泡して、炭酸ガスが発生します(有害なものではありません)。この記事ではその「泡」を利用してトイレつまりを直す方法を紹介します。

市販の酸性洗剤

サンポールやデオライトといった市販の強力な酸性洗剤には、尿石や水垢などアルカリ性の汚れを中和して落とす効果があります。尿石はアンモニア臭の原因となりますので、酸性洗剤で尿石を落とすことは悪臭の解消にもつながります。

市販のアルカリ性洗剤(塩素系)

もっとも洗浄力が高いのが、アルカリ性洗剤(塩素系漂白剤)です。普段の掃除では黒ずみやカビを落とすといった使い方をしますが、トイレットペーパーや排泄物、髪の毛などを溶かす作用もあります。食器用中性洗剤や重曹などでは解消できなかった、重度のトイレつまりに効果的です。ただし、同じ性質を持つアルカリ性の汚れ(尿石など)には効果が期待できません。トイレつまりの原因によって、酸性洗剤と使い分けることが大切です。

作業する前にしておくべきこと

便器内の水をくみ出して水の量を調整する

水の量が多いと洗剤が薄まり、期待するほどの効果が得られない場合があります。灯油ポンプや柄杓、バケツなどを使って便器内の水をくみ出し、通常時に溜まっている程度の水量になるよう調整しましょう。

作業中、誤って水を流してしまうといったトラブルを防ぐには、止水栓を閉めるのも有効です。止水栓は便器近くの壁や床から伸びている、給水管の途中にあります(タンクレストイレの場合、便器背面のパネル内に収納されているケースもあります)。

ただし止水栓を閉めてもタンクには水が溜まっていますので、1回分は流れてしまう場合があります。くれぐれも注意して作業に当たりましょう。

トイレに止水栓が見当たらないという場合は、元栓を閉める方法があります。戸建ての元栓は、庭や玄関先など敷地内の地面に埋められた、メーターボックスの中にあるのが一般的です。

一方、集合住宅では駐輪場などの地面に全戸分のメーターボックスが埋められていたり、パイプシャフト(共用廊下の壁などにある、扉が付いているスペース)の中に設置されていたりします。

なお元栓を閉めた場合、トイレやキッチン、洗面所などすべての場所で水の供給が停止します。また集合住宅では、他人の部屋の元栓を閉めてしまうとトラブルになりかねませんので、十分注意が必要です。

便器まわりを養生する

トイレの床や壁などに洗剤が垂れたり汚れた水が跳ねたりしてしまわないよう、新聞紙やビニールシートなどで養生をしましょう。

ドアを開ける、換気扇を回すなどして通気性を確保する

トイレは狭い個室ですので、必ずドアを開けて換気扇を回すなどして、通気性がよい状態にしておきましょう。洗剤のにおいで気分が悪くなったり、洗剤の使い方を誤って有害なガスが発生したりするおそれがあるためです。事故を防ぐためにも、必ずドアを開け換気扇を回しましょう。

ゴム手袋やマスク、メガネ(ゴーグル)などの保護具を装着する

手に汚れた水がかかったり、洗剤がかかって皮膚が荒れたりしないよう、少し厚手の炊事用ゴム手袋の着用をおすすめします。また鼻や口に水や洗剤がかからないよう、マスクを装着するとともに、目に入ってしまうのを防ぐため、メガネやゴーグルなども用意すると安心です。

食器用中性洗剤でトイレつまりを解消する方法

トイレットペーパーのごく軽いつまりであれば、この方法で解消できる可能性があります。

用意するもの

  • 食器用中性洗剤100ml
  • 45〜50℃程度のお湯バケツ1杯分

食器用中性洗剤でトイレつまりを解消する手順

  1. 便器内の水量を通常時ほどに調節し、養生を済ませておく
  2. 食器用中性洗剤100mlを便器に注ぐ
  3. バケツ半分程度のお湯をゆっくり便器に注ぎ、20分ほど放置する
  4. お湯が減っていたら、残りのお湯を注ぎ、流れていくか確認する
  5. レバーを「小」のほうに回し、問題なく水が流れていけば成功

「4」の手順でお湯が減っていない場合、食器用中性洗剤では解消できない量のトイレットペーパーがつまっているか、それ以外の原因が考えられます。無理に続けて悪化させるよりも、別の方法を選びましょう。

重曹とクエン酸でトイレつまりを解消する方法

トイレつまりの原因がトイレットペーパーや便の場合、重曹とクエン酸を使って解消できる可能性があります。

用意するもの

  • 重曹:50cc(大さじ3〜3.5杯程度)
  • クエン酸:100cc(大さじ6.5〜7杯程度)
  • 45〜50℃程度のお湯バケツ1杯分

重曹とクエン酸でトイレつまりを解消する手順

  1. 便器内の水量を通常時ほどに調節し、養生を済ませておく
  2. 重曹を溜め水の中に全量投入する
  3. クエン酸も同じように全量投入する
  4. その上からゆっくりお湯を注ぐ
  5. 発泡し始めるので、1時間ほど放置する
  6. バケツでやや高い位置から便器にゆっくり水を流す(落とす)
  7. レバーを「小」のほうに回し、問題なく水が流れていけば成功

重曹とクエン酸、お湯を混ぜると炭酸ガス(二酸化炭素の泡)が発生しますが、有害なものではありません。その泡の力でトイレットペーパーなどを溶かすことにより、トイレつまりを解消します。「6」の手順で流れていかないときは、別の方法を考えるか業者を呼ぶなど切り替えましょう。

市販の酸性洗剤でトイレつまり(小便器)を解消する方法

男性用小便器の尿石によるトイレつまりは、市販の酸性洗剤で解消できる可能性があります。

用意するもの

  • 市販の酸性洗剤
  • トイレ用ブラシ
  • バケツ

市販のトイレ用酸性洗剤にはいろいろな種類がありますが、この記事では「デオライト」を使ったトイレつまりの直し方を紹介します。また、尿石によるトイレつまりは主に男性用の小便器でよくみられる症状のため、そのケースを例に紹介します。

なお、酸性洗剤は商品によって使い方が異なります。事前に必ず商品のパッケージやメーカーのホームページなどを確認し、正しく安全に使用しましょう。

市販の酸性洗剤でトイレつまりを解消する手順

  1. 便器の目皿(陶器製などでできたフタのようなもの)を取り外す
  2. 目皿をバケツなどに入れて酸性洗剤をかけ、5分ほど放置する
  3. その間に、排水口に酸性洗剤を注ぎ15分ほど放置する
  4. 目皿をトイレ用ブラシでこすり洗いし、尿石汚れを落とす
  5. 排水口をトイレ用ブラシでこすり洗いし、尿石汚れを落とす
  6. 目皿をもとへ戻し、バケツでゆっくり水をかけて酸性洗剤を洗い流す
  7. トイレの注水ボタンを押し、問題なく流れていけば成功
  8. バケツを流水でよく洗い、風通しのよい場所で乾かす

目皿を外した際、排水口に水が溜まっていたらくみ出しましょう。また尿石が大量にこびりついている場合は、一度で落としきれないことがあります。そのときは「2」〜「6」の手順を何度か繰り返しましょう。「6」で水を流す際、勢いがよすぎると跳ねてしまう場合があります。ゆっくり水を流すように心がけましょう。

市販のアルカリ性洗剤(塩素系)でトイレつまりを解消する方法

食器用中性洗剤や、重曹とクエン酸などでは解消できなかった、トイレットペーパーや排泄物によるトイレつまりは、市販のアルカリ性洗剤で解消できる場合があります。

用意するもの

  • 市販のアルカリ性洗剤
  • バケツ

酸性洗剤と同様に、商品によって使い方が異なります。パッケージやメーカーのホームページを確認し、正しく安全に使用してください。

市販のアルカリ性洗剤(塩素系)でトイレつまりを解消する手順

  1. 便器内の水量を通常時ほどに調節し、養生を済ませておく
  2. アルカリ性洗剤を100〜250mlほど流し込む
  3. 30分以上放置する
  4. バケツでやや高い位置から便器にゆっくり水を流す(落とす)
  5. レバーを「小」のほうに回し、問題なく水が流れていけば成功

流し込む洗剤の量は商品によって異なりますが、排水管の奥のほうまで成分を届けたいときは100〜250mlなど多めに流しましょう。水の量が多いと効果が薄くなってしまいますので、水は通常溜まっている量よりも少なくなるように調整するのがおすすめです。

トイレつまりに洗剤や薬品を使う際の注意点

酸性のアイテムとアルカリ性洗剤(塩素系)は絶対に混ぜない

酸性洗剤や塩素系のアルカリ性洗剤のパッケージには「まぜるな危険」と書かれています。この2つを混ぜてしまうと、有害なガスが発生して大変危険です。絶対に混ぜないように注意してください。

同時に使用しないことはもちろんですが、たとえば酸性洗剤を使ったあと、水を十分流さずにアルカリ性洗剤を使ってしまうのも危険です。流れきらなかった酸性洗剤が残っている場合があるためです。できれば同じ日には使用しないなど、工夫をしましょう。

またクエン酸も「酸」であることから、同じように塩素系のアルカリ性洗剤と混ざると有害なガスが発生しますので注意してください。

トイレつまりの解消におすすめの洗剤と薬品5選

食器用中性洗剤のおすすめ

ライオン「チャーミーVクイック」

ライオンチャーミーVクイック

ライオン

チャーミーVクイック

参考価格104円~(2021/09/04時点)

しつこい油汚れをすばやく落とせる食器用中性洗剤です。ごく軽度の、トイレットペーパーや排泄物などを溶かす効果が期待できます。

重曹とクエン酸のおすすめ

シャボン玉石けん「重曹 680g」

シャボン玉石けん重曹 680g

シャボン玉石けん

重曹 680g

参考価格348円~(2021/09/04時点)

弱アルカリ性の性質を持つ、天然由来の薬品です。軽度のトイレットペーパーや排泄物などを溶かす効果が期待できます。

シャボン玉石けん「クエン酸 300g」

シャボン玉石けんクエン酸 300g

シャボン玉石けん

クエン酸 300g

参考価格379円~(2021/09/04時点)

酸性の性質を持つ、天然由来の薬品です。軽度の尿石や水垢などの汚れを落とすとともに、悪臭を解消する効果も期待できます。

市販の酸性洗剤のおすすめ

和協産業「デオライト」

和協産業デオライト

和協産業

デオライト

参考価格798円~(2021/09/04時点)

尿石をすばやく溶かす、市販の強力な酸性洗剤です。尿石による男性用小便器の頑固なつまり、悪臭などの解消効果が期待できます。

キンチョー「サンポール」

キンチョーサンポール

キンチョー

サンポール

参考価格147円~(2021/09/04時点)

酸とマイナスイオンの相乗効果で、尿石や黄ばみといった汚れを落とす市販の強力な酸性洗剤です。普段の掃除にもおすすめです。

市販のアルカリ性洗剤(塩素系)のおすすめ

花王「除菌洗浄トイレハイター 500ml」

花王除菌洗浄トイレハイター 500ml

花王

除菌洗浄トイレハイター 500ml

参考価格195円~(2021/09/04時点)

汚れに密着しやすい、ジェルタイプのアルカリ性洗剤です。除菌やウイルス除去といった効果も期待できます。普段の掃除にもおすすめです。

洗剤や薬品を使わずにトイレつまりを直す方法は?

効果的なトイレつまりの解消方法など、自分で出来るトイレつまりを解消する方法は以下の記事でまとめています。

ラバーカップ(すっぽん)を使う

昔からあるトイレつまりの解消方法です。排水口にカップを押し当てて真空状態にし、グッと引くことでつまりの原因となっている物を引き寄せます。重さのある固形物は難しいかもしれませんが、トイレットペーパーや排泄物、流せるお掃除シートやティッシュなど、水に溶けるいろいろな原因に対して有効です。

ラバーカップを使ったトイレつまりの解消法については、以下の記事で詳しく紹介しています。

真空式パイプクリーナー

ラバーカップよりもコンパクトながら、吸引力に優れたアイテムです。ラバーカップのカップに似たゴムが先端についており、柄の部分が円筒(シリンダー)になっていてハンドルがついています。カップ部分をラバーカップのように排水口の先端に押し当て、ハンドルを上下させることでつまりの原因を吸引します。

真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

ワイヤーブラシ

排水管を掃除する道具で、長いワイヤーの先端にブラシが付いているものです。便器の排水口から差し込み、つまっている物に当たったらグイッと押したりグルグル動かしたりすることでトイレつまりの解消を狙います。

ただしトイレの排水管はS字などに湾曲しているため、慣れないと差し込むのが難しいかもしれません。また固形物などが原因だった場合、うまくかき出せず奥に押し込んでしまうと悪化するおそれがあるため、使用には注意が必要です。

ワイヤーブラシを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

軽いものならお湯または水で解消できることもある

こちらもごく軽度なものという前提ですが、お湯を流すことで排泄物が砕けやすくなるなどし、解消できることもあります。また水をバケツなどにくみ、やや高い位置から落とすように流すことで、水圧によってトイレつまりの原因が流れてくれることもあります。

お湯を使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

業者に頼んだほうがよいケースと費用の目安

つまりの原因が固形物だった場合

トイレつまりの原因が、トイレットペーパーのような水に溶けるものではなく、おもちゃや小物など水に溶けない固形物だった場合、洗剤や薬品を使っても解消できる可能性はほぼありません。一刻も早くトイレつまりを解消するためにも、業者に連絡しましょう。

洗剤でもつまりが解消されない場合

トイレつまりの原因が水に溶けるものであったとしても、洗剤や薬品を使って解消できなければ速やかに業者を呼ぶことをおすすめします。原因がほかにもあった場合、無理に自分でやろうとすると悪化するおそれがあります。排水管の洗浄など、大がかりな修理が必要になれば費用も膨らんでしまいますので気をつけましょう。

業者に頼んだときの費用の目安

業者によって料金設定が異なるほか、つまりの原因や作業の難易度などによっても変わってきます。そのため目安ですが、ごく軽度のトイレつまりであれば8,000円程度、特別な器具を用いる場合は20,000円程度、便器を外すなど大がかりな作業になる場合は30,000円以上かかることもあります。

トラブルを避けるためにも、必ず電話などで詳しい料金を確認しておきましょう。その際、正確に状況を伝えられるようにしておくと、より正確な料金を知ることができます。

トイレつまりを予防する方法も知っておこう

市販の洗剤を使って予防する

日々の簡単なトイレ掃除に加え、市販の酸性洗剤を使って尿石が溜まるのを防ぐ、あるいはアルカリ性洗剤を使って汚れをしっかり落としておく、といったことはトイレつまりを予防することにもつながります。

つまりの原因となりそうなものを流さない

水に溶けにくいティッシュや吸水して膨らむ紙おむつ、ペットのトイレ、生理用品などを流さないようにしましょう。「少しくらいなら大丈夫だろう」と思って流したものが、トイレつまりの原因になることがありますので気をつけましょう。

スマホや小物、おもちゃなどを持ち込まない

うっかり落としたとき、排水口の奥へ流れていってしまうほどの大きさの固形物は、できる限りトイレに持ち込まないようにしましょう。スマホなど肌身離さず持っているものは、きちんとポケットにしまっておくといった心がけも大切です。

トイレットペーパーを使いすぎないなどの心がけも大切

基本的なところですが、一度に大量のトイレットペーパーを流さないことも大切です。適量を使うように心がけるとともに、大量になりそうなときは分けて流すといった工夫をしましょう。