トイレつまりの解消にお湯はNG?効果的な解消方法を紹介!

トイレつまりの解消に「お湯」が効果的ではないとされる理由を詳しく解説!お湯以外のトイレつまりの効果的な解消方法を紹介するとともに、どうしてもお湯を使う際の注意点や手順、重曹とクエン酸を使う方法、業者を呼んだほうがよいケースなども詳しく解説。

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トイレつまりの解消にお湯はNG?効果的な解消方法を紹介!

目次

お湯を使ったトイレつまりの解消は大きな効果が期待できない

手軽にできるトイレつまりの解消方法のひとつとして「お湯を流す」というものがありますが、過度な期待はしないほうがよいでしょう。その理由を最初にお伝えします。

お湯でつまり解消できる根拠にとぼしい

水よりもお湯のほうが、トイレットペーパーなどのトイレつまりの原因が溶けやすくなるという、根拠にとぼしいのがその理由です。

トイレットペーパーが砂糖のように温度により溶けやすくなるものであれば、より温度が高いお湯のほうが溶けやすいかもしれません。ですがトイレットペーパーは砂糖のように溶けるものではなく、流される過程で細かく砕けていくものです。

お湯のほうが「トイレットペーパーがふやけそう」といったイメージがあるかもしれませんが、温度によってトイレットペーパーが砕けやすくなるといった根拠も示されていません。また、便器や排水管に溜まっているのは水なので、お湯を注いでも結局すぐに温度が下がってしまいます。

まったく効果がないとは言い切れませんが、お湯を使ったトイレつまりの解消方法に過度な期待は持たないほうがよいでしょう。

水かお湯かよりも「水圧」が大切

道具を使わずにトイレつまりを解消したいのであれば、水かお湯かを考えるよりも、水圧を意識することが大切です。勢いをつけて水やお湯を排水口に流し込むことで、トイレットペーパーや便を押し流す効果が期待できるからです。

お湯より効果的なトイレつまりの解消方法

トイレつまりを速やかに解消したいときは、水やお湯を使う方法よりも、次のような道具を使った方法がおすすめです。

効果的なトイレつまりの解消方法など、自分で出来るトイレつまりを解消する方法は以下の記事でまとめています。

ラバーカップ

ラバーカップとはいわゆる「すっぽん」です。カップ部分を排水口に押し付けて中を真空状態にし、トイレつまりの原因を引き出すことで解消させる道具です。和式用、洋式用、兼用などさまざまなタイプがあります。

ラバーカップを使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ペットボトル

ラバーカップがなければ500mlサイズのペットボトルで代用できます。底を3〜4cmほどカットし、キャップをとって指で飲み口をふさぎます。あとはカットした側を便器の排水口に入れ、押したり引いたりを繰り返します。

ごく軽度のトイレつまりにしか効果が期待できませんが、知っておくと役立つかもしれません。

ペットボトルを使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

真空式パイプクリーナー

メカニズムはラバーカップと同じですが、より強力な吸引力でトイレつまりを解消できるのが真空式パイプクリーナーです。先端にカップが付いており、柄の部分はシリンダーになっていて後ろにハンドルが付いています。

カップを排水口に入れ、ハンドルを引いたり押したりすることでトイレつまりの原因を吸引します。ホームセンターやネット通販で手に入りますので、ひとつ持っておくとよいかもしれません。

真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

ワイヤーブラシ

排水管を掃除する道具で、長いワイヤーの先端にブラシが付いているものです。便器の排水口から差し込み、つまっている物に当たったらグイッと押したりグルグル動かしたりすることでトイレつまりの解消を狙います。

ただしトイレの排水管はS字などに湾曲しているため、慣れないと差し込むのが難しいかもしれません。また固形物などが原因だった場合、うまくかき出せず奥に押し込んでしまうと悪化するおそれがあるため、使用には注意が必要です。

ワイヤーブラシを使ったトイレつまりの解消方法について詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

洗剤や薬品

重曹とクエン酸を混ぜて発泡させ、トイレットペーパーや便などを細かく砕いてトイレつまりを解消させり、男性用小便器の尿石によるつまりを酸性洗剤で解消させたりといった方法もあります。

洗剤や薬品を使ったトイレつまりの解消方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

お湯で解消できる可能性があるトイレつまりの原因は「トイレットペーパー」や「便」

お湯を使う方法に大きな効果は期待できませんが、もしお湯を使うのであればどういったトイレつまりの原因に向いているのか、知っておくことが大切です。

トイレットペーパーや便がつまりの原因だった場合

トイレつまりの原因が水に溶ける(砕ける)トイレットペーパーや便、流せるお掃除シートなどで、かつ軽度だった場合、お湯で解消できる可能性があります。水圧を意識することも忘れないようにしましょう。

お湯では直らないトイレつまりの原因

おもちゃやスマートフォン、紙おむつやペットのトイレ、生理用ナプキンそのほか固形物など、水に溶けない(砕けない)ものだった場合はお湯で解消するのが難しいでしょう。

勢いをつければ流れてくれるかもしれませんが、中途半端に押し流してより深いところでつまってしまうと、悪化を招くおそれがあるためおすすめできません。

少しずつ流れるときはお湯で解消できる?

水が少しずつ流れるときは、トイレつまりがまだ軽度で済んでいる可能性があります。お湯で一気に押し流せば解消できると考えるかもしれませんが、つまりの原因がトイレットペーパーや便であることが確実であるケースを除き、控えたほうがよいでしょう。

トイレつまりにお湯を使うときの注意点!熱湯はNG

熱湯を流すのは絶対にNG

便器の多くは陶器製です。陶器に熱湯をかけてしまうとその部分だけが急激に膨張し、ヒビ割れするおそれがあります。そのまま使い続けた場合、破損や水漏れなどが発生してケガをしたり、床が水浸しになったりすることも考えられます。

そうなるとトイレごと交換することになり、コストも跳ね上がってしまいます。便器に熱湯をかけるのは絶対にNGと覚えておきましょう。

お湯の温度は40〜60℃程度にしよう

お湯を使うのであれば、温度はどんなに高くても60℃以下にしましょう。60℃を超えてしまうと、便器がヒビ割れを起こすおそれがあります。心配な方は40℃〜50℃程度に抑えておくのがおすすめです。

お湯でトイレつまりを解消する方法

大きな効果は期待できないとお伝えしましたが、トイレットペーパーや便などのごく軽いトイレつまりであればお湯で解消できる可能性はあります。手順を説明します。

1.お湯を沸かしてバケツを用意する

まずはお湯を沸かして、40〜60℃になるように少し冷ましておきましょう。湯温計があれば便利ですが、ないときは沸騰させたお湯と同じ量の冷水を混ぜることで、50℃近いお湯を作ることができますので試してみてください。

2.便器の水をくみ出す

便器に水が溜まっている場合は、灯油用のポンプやペットボトルなどを使ってくみ出しておきます。水が多く残っていると、せっかくお湯を注いでもすぐにぬるくなってしまいますので、通常溜まっている量よりも少なめになるようにくみ出しましょう。

3.バケツにお湯を入れ、便器の半分程度まで注ぎ入れる

40〜60℃程度に冷めたお湯をバケツに移したら、便器に注ぎます。このとき少し高い位置から落とすように流すことで勢いをつけましょう。ただし跳ねるおそれがありますので、便器周辺や壁などをビニールシートなどで養生しておくとともに、汚れてもよい服装に着替えて作業することをおすすめします。

4.1時間ほどそのままにする

ごく軽度なら、お湯を注いだとき一気に流れてくれる可能性があります。そうでなければ、1時間ほどそのままにして、トイレットペーパーや便が徐々にふやけていくのを待ちましょう。

5.バケツを使い、水またはお湯を流してみる

1時間ほど経って水量が減っていたら、トイレつまりが解消されている可能性が高いと判断できます。バケツを使って、水またはお湯をやや高い位置から流してみましょう。スムーズに流れていけば、ほぼ解消したとみてOKです。

逆に1時間ほど経過しても水量が減っていない場合、トイレつまりが解消されていないことが考えられます。再度同じ方法を試すよりも、ラバーカップなど別の方法を選択するか、業者を呼ぶなどしましょう。

6.タンクのレバーを回してみて無事に流れれば成功

1時間後に水量が減っていて、バケツで水またはお湯を流したときにスムーズに流れるようであれば、タンクのレバーを回してみましょう。問題なく流れるか最終確認し、無事に流れれば成功です。

お湯と重曹とクエン酸でトイレつまりを解消する方法

ご家庭に重曹やクエン酸があれば、お湯と一緒に使うのもおすすめです。重曹とクエン酸を混ぜると炭酸ガスが発生し、泡立ちます(炭酸ガスは身体には無害です)。この泡の作用でトイレットペーパーや便を砕きやすくするという方法です。

ただしその直前に、便器掃除やつまり解消のためなどに「塩素系の洗剤(漂白剤など)」を使用していた場合、酸性であるクエン酸と混ざると有害なガスが発生して大変危険です。くれぐれも使用しないように気をつけてください。

1.お湯を沸かし、バケツと重曹、クエン酸を用意する

鍋などでお湯を沸かし、40〜60℃程度になるように冷ましておきます。重曹は50cc(大さじ3〜3.5杯程度)、クエン酸は100cc(大さじ6.5〜7杯程度)ほど用意しましょう。

2.便器の水をくみ出す

便器の中に水が溜まっている場合は、灯油用ポンプやペットボトルなどを使ってくみ出しておきましょう。水は可能な限り減らしておくようにします。

3.重曹→クエン酸の順に便器の中に入れる

重曹とクエン酸を、便器の排水口の中に投入します。このとき重曹から先に入れるようにしてください。

4.バケツにお湯を入れ、便器に注ぎ入れる

40〜60℃に冷ましたお湯をバケツに移し、便器に注ぎます。重曹とクエン酸を反応させ、発泡させることが目的ですので、勢いはつけなくて結構です。ただし跳ねることがあるかもしれませんので、念のため便器周りや壁などは養生しておくとよいでしょう。また汚れてもよい服装で作業に当たりましょう。

5.1時間ほどそのままにする

重曹とクエン酸の発泡作用で、徐々にトイレットペーパーや便が砕けやすくなります。ごく軽度であればそれほど時間はかからないかもしれませんが、多めに見て1時間ほどそのままにしておきましょう。

6.バケツを使い、水またはお湯を流してみる

1時間後に水量が減っていたら、バケツを使って水またはお湯を今度はやや高い位置から流します。スムーズに流れればトイレつまりはほぼ解消したと考えられますので、次の手順を試してみてください。

1時間後、水量が減っていない場合は重曹やクエン酸を使った方法では解消できないトイレつまりであることが考えられます。ラバーカップなど別の方法を試すか、業者を呼ぶなどしましょう。

7.タンクのレバーを回してみて無事に流れれば成功

1時間後に水量が減っていて、バケツで水またはお湯を流したときにスムーズに流れるようであれば、タンクのレバーを回してみましょう。問題なく流れるか最終確認し、無事に流れれば成功です。

直らないトイレつまりは業者に相談を

トイレが2箇所あるといったご家庭であれば少しは余裕を持てるかもしれませんが、1箇所しかない場合、一刻も早くトイレつまりを解消させることが大切です。速やかに業者を呼んだほうが早いケースもありますので最後にお伝えします。

業者に相談する判断基準

  • 放置していても水位が下がらない
  • 何がトイレつまりの原因か分からない
  • お湯や重曹、クエン酸などの方法を試しても解消されない
  • ラバーカップや真空式パイプクリーナーでも解消されない

こうしたケースでは、速やかに業者を呼ぶことをおすすめします。

トイレットペーパーや便がトイレつまりの原因だった場合、ごく軽度であれば放置することで少しずつ砕け、解消することがあります。ですが固形物の場合、溶けたり砕けたりしないため水位が下がりません。最初から業者を呼んだほうが無難です。

トイレつまりの原因が不明の場合も、下手にお湯を流すなどして悪化させてしまうより、最初から業者を呼んだほうが安心です。結果的にトイレットペーパーだったとしても、悪化させるよりは断然よいと考えましょう。

業者にお願いしたときの料金の目安

料金は業者によって異なるほか、トイレつまりの原因や程度、作業内容などによっても変わります。そのためあくまで目安ですが、軽度のトイレつまりで8,000円程度、便器を外しての作業で20,000円程度、特殊な道具や機材を使用する場合は30,000〜50,000円程度を見ておくとよいでしょう。出張料などが加わることもありますので、料金は必ず電話口で確認しておくことが大切です。