据置IHクッキングヒーターのおすすめと比較

パナソニックと日立の据置IHクッキングヒーター全6機種を、火力・グリル・使える鍋・お手入れ・電源の容量で比較。オールメタル対応はパナソニックのKMタイプだけ、三菱電機は据置から撤退など、2026年時点の現行ラインアップで解説します。

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据置IHクッキングヒーターのおすすめと比較

目次

据置IHクッキングヒーターの現行ラインアップは2社・6機種

据置IHクッキングヒーターは、キッチンの天板に置くだけで設置できるタイプのIHです。ビルトインのように天板をくり抜く工事が要らないため、ガスコンロからの入れ替えで選ばれることが多い商品です。

ただし、現在つくっているのはパナソニックと日立の2社だけになりました。三菱電機の「置くだけIHシリーズ」は現行ラインアップから外れており、三菱電機のIHクッキングヒーターは全機種がビルトイン型です。

メーカー 現行の据置IH
パナソニック KMタイプ/KGタイプ/KBタイプ/KLタイプ(4タイプ・いずれも幅59cm・2口IH)
日立 HT-33AG/HT-32AG(2機種・幅59cm・2口IH)
三菱電機 据置なし(全機種ビルトイン型)

※2026年10月時点の各メーカー公式サイトのラインアップによります。

ビルトインタイプもあわせて検討する場合は、こちらの記事で3社のビルトイン機を比較しています。

据置IHクッキングヒーター人気BEST3

パナソニックの据置IHクッキングヒーター

4タイプの違いは「電気の容量」と「グリル」

パナソニックの据置IHは4タイプあり、天板の幅(59cm)と2口IHという構成は共通です。違うのは総消費電力(=必要な電気の容量)とグリルの中身で、ここが選びかたの分かれ目になります。

タイプ 品番 左右IH グリル 総消費電力
KMタイプ KZ-E60KM
(家電品番 KZ-KM22E)
左3.0kW
右3.0kWオールメタル対応
1.95kW
両面焼き(水なし)
4.8kW(30A)
KGタイプ KZ-E60KG
(家電品番 KZ-KG22E)
左右3.0kW 1.95kW
両面焼き(水なし)
4.0kW(20A)
KBタイプ KZ-KB21E 左右3.0kW 1.25kW
片面焼き(水なし/水あり自動判別)
4.0kW(20A)
KLタイプ KZ-KL22E3 左右2.5kW 1.55kW
両面焼き(水あり)
2.9kW(15A)

※パナソニック公式サイトの仕様(2026年10月時点)によります。KMタイプとKGタイプは住宅設備ルートと家電量販ルートで品番が分かれていますが、火力・グリル・総消費電力は同じです。

KLタイプは200V・15A仕様で、分電盤の余裕が少ない集合住宅向けに用意されたタイプです。そのぶん左右IHが2.5kWと一段低くなっています。

光火力センサーは4タイプすべてに搭載

パナソニックの据置IHを代表する機能が「光火力センサー」です。鍋底から出る赤外線を光センサーで直接読み取るため、鍋底の温度変化をすばやく検知できます。温度が下がればフルパワーで加熱し、設定温度まで戻します。

この光火力センサーは、4タイプすべてに2個ずつ搭載されています。

光・揚げ物温度調節(全4タイプ)

油温を140℃~200℃の7段階で設定できる機能です。食材を入れて温度が下がっても、光火力センサーがすばやく検知して高火力で設定温度まで戻すため、揚げ物中の油温をほぼ一定に保てます。

使える条件は左右IHで、油量200g以上かつ深さ1cm以上です。少なすぎる油量では働きません。

焼き物温度調節(タイマー付)はKM・KGタイプのみ

フライパンの温度を140℃/160℃/180℃/200℃/230℃の5段階で保つ機能です。調理中に温度が下がると鍋底の温度を検知して、自動で設定温度に戻します。

この機能が付くのはKMタイプとKGタイプだけで、さらに左IH専用です。KBタイプとKLタイプには搭載されていません。

オールメタル対応はKMタイプだけ

通常のIHは鉄・ステンレスの鍋しか使えませんが、オールメタル対応のIHならアルミ鍋や銅鍋も使えます。据置IHでオールメタルに対応しているのは、パナソニックのKMタイプ(KZ-E60KM/KZ-KM22E)の右IHだけです。

ただし、オールメタルで加熱したときの火力は3.0kWではなく2.5kWになります。アルミや銅は発熱しにくいため、鉄・ステンレスと同じ火力は出ません。

パナソニックのIHクッキングヒーターの機能については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

パナソニックのオススメ据置IHクッキングヒーター

日立の据置IHクッキングヒーター(HT-33AG・HT-32AG)

2機種の違いは電気の容量だけ

日立の据置IHはHT-33AGとHT-32AGの2機種です。火力・グリル・寸法・機能はまったく同じで、違うのは総消費電力とプラグの容量だけです。

品番 総消費電力 電源コード
HT-33AG 5.8kW(設置時に4.8kWへ切り替え可) 250V-30A
HT-32AG 4.0kW 250V-20A

どちらも左右IHは100W相当~3.0kWの10段階、幅59cm、外形591×504×180mm(奥行はグリル取っ手部まで)、質量約18.5kgです。積算見積価格も2機種とも250,800円(税込)で同じです。

※日立公式サイトの仕様(2026年10月時点)によります。積算見積価格は事業者向けの価格で、一般の販売価格とは異なります。

適温調理と光・温度センサー

日立の据置IHに付く調理機能は「適温調理」です。設定した温度にフライパンや鍋の温度をキープする機能で、据置の2機種では揚げ物の1メニュー(油量200~800g)に対応しています。

これを支えるのが「光・温度センサー」です。光センサーで鍋底の温度を直接測り、あわせて温度センサーが鍋の過熱を広い範囲で見張ります。左右IHの両方に付いています。

IHの便利メニューとしては、左IHに「煮込み」、右IHに「麺ゆで」が用意されています。

グリルは「ラク旨グリル(波皿)」

日立の据置IHには、深さ約4.1cmの波皿を使う「ラク旨グリル」が付属します。調理中に出た脂を底面の溝に流しながら焼き上げるタイプです。水を使わない水なしグリルです。

オート調理は次の5メニューです。

  • 魚焼き 3メニュー(丸焼き、切身・干物、つけ焼き)
  • 焼き物 1メニュー(肉・野菜)
  • 過熱水蒸気 1メニュー(揚げ物温め)

このほか手動調理が1メニューあり、火力は730W相当・910W相当・1.14kW相当の3段階から選べます。グリル庫内は272×369×111mm(有効高さ55mm)です。

上位のビルトイン機にある「ラク旨オーブン(平皿)」は、据置の2機種には付きません。オーブン調理やパン、ノンフライを使いたい場合はビルトインタイプを検討することになります。

日立のIHクッキングヒーターの機能については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

日立のオススメ据置IHクッキングヒーター

三菱電機の据置IHは現行ラインアップにありません

三菱電機の据置IH「置くだけIHシリーズ」(CS-G39CS、CS-G29CSなど)は、現行の製品ラインアップから外れています。三菱電機の公式サイトの製品一覧は、シリーズ別・タイプ別のどちらで見てもすべてビルトイン型です。

そのため、かつて三菱電機の据置IHだけにあった「2口IH+ラジエントヒーター」の組み合わせや、ダイヤル式の火力調節は、いまの据置IHでは選べません。ラジエントヒーターつきの三菱電機のIHを選ぶ場合は、ビルトインタイプのCS-H217B(1口IH+ラジエントヒーター)やMシリーズが候補になります。

すでに三菱電機の据置IHをお使いの方は、修理や部品の相談は引き続き受け付けられています。

三菱電機のIHクッキングヒーター(ビルトイン)の機能については、こちらの記事をご覧ください。

火力で据置IHクッキングヒーターを比較

左右IH 3.0kWが標準。KLタイプだけ2.5kW

左右IHの最大火力は、パナソニックのKM・KG・KBタイプと日立のHT-33AG・HT-32AGがそろって3.0kWです。火力そのものに差はありません。

例外はパナソニックのKLタイプで、こちらは2.5kWです。200V・15A仕様に収めるために火力を下げているので、火力を優先するならKLタイプ以外から選ぶことになります。

火力調節の段数はパナソニック・日立とも10段階

火力の刻みは、パナソニックのKM・KG・KBタイプが10段階(100W/235W/370W/500W/700W/1kW/1.45kW/2kW/2.5kW/3kW)、日立のHT-33AG・HT-32AGも10段階です。パナソニックのKLタイプだけ9段階(上限2.5kWのため)になります。

実際に効いてくるのは「総消費電力」

据置IHを選ぶときに見落としやすいのが総消費電力です。同じ3.0kWでも、2口とグリルを同時に使えるかどうかは総消費電力で決まります。

総消費電力 該当する機種
5.8kW(30A・4.8kWに切替可) 日立 HT-33AG
4.8kW(30A) パナソニック KMタイプ
4.0kW(20A) パナソニック KGタイプ・KBタイプ/日立 HT-32AG
2.9kW(15A) パナソニック KLタイプ

総消費電力を超えそうになると、本体が自動で火力を制限します。左右3.0kWの2口を同時に全開で使うと6.0kWになるので、どの機種でも同時全開にはできません。余裕を持たせたいなら総消費電力の大きい機種を選ぶ、という見かたになります。

グリル性能で据置IHクッキングヒーターを比較

グリルの「kW」はメーカーで測りかたが違うので並べられません

先に注意点です。パナソニックと日立のグリルの数値は、同じ「kW」でも示しているものが違います。

  • パナソニック … グリルの消費電力(KM・KGタイプは1.95kW)
  • 日立 … グリルヒーターの定格(シーズヒーター 上1.2kW/下1.2kW)。実際の入力は手動3段階で最大1.14kW相当

「日立は上下合わせて2.4kWだからパナソニックの1.95kWより強い」という比べかたは成り立ちません。ヒーターの定格と消費電力は別の数字です。グリルは火力の数値ではなく、両面焼きか片面焼きか、水なしか水ありか、オート調理が何メニューあるかで選ぶほうが確実です。

両面焼き・水なしで選ぶならパナソニックのKM・KGタイプ

両面焼きで、かつ受け皿に水を張らずに使える「水なし両面焼き」になるのは、パナソニックのKMタイプとKGタイプです。日立のHT-33AG・HT-32AGも水なしですが、波皿を使うタイプで両面焼きの表記はありません。

機種 グリルの方式 オート調理 温度設定
パナソニック KM・KG 両面焼き(水なし) 焼き魚3メニュー 140~280℃(8段階)
パナソニック KL 両面焼き(水あり) 焼き魚3メニュー 140~280℃(8段階)
パナソニック KB 片面焼き(水なし/水あり自動判別) なし なし
日立 HT-33AG・HT-32AG ラク旨グリル(波皿・水なし) 魚焼き3/焼き物1/過熱水蒸気1
計5メニュー
手動3段階

オート調理のメニュー数では日立が5メニューで多く、温度を細かく決めたいならパナソニックのKM・KG・KLタイプ(8段階)が向いています。KBタイプはオート調理も温度設定もない、焼き網タイプの片面焼きです。グリルを使う前提ならKB以外を選ぶほうが無難です。

ニオイ対策はパナソニックのKM・KGタイプ

焼き魚のあとのニオイが気になる場合、据置IHで用意があるのはパナソニックのKMタイプ・KGタイプの「脱煙・脱臭メタルフィルター」だけです。

日立の据置2機種には脱煙機能はありません(上位のビルトイン機に搭載されている煙抑制制御や酸化触媒も、据置には入っていません)。パナソニックのKB・KLタイプにもメタルフィルターはありません。

さらにKMタイプには、グリルの「お手入れ機能」も付きます。

使える鍋の種類で据置IHクッキングヒーターを比較

アルミ・銅鍋を使いたいならパナソニックのKMタイプ一択

据置IHでオールメタル対応なのは、くり返しになりますがパナソニックのKMタイプの右IHだけです。日立の据置2機種は鉄・ステンレス対応で、日立のオールメタル対応はビルトインの上位シリーズに限られます。

アルミや銅の鍋をそのまま使い続けたい、という条件があるなら選択肢はKMタイプになります。逆に鉄・ステンレスの鍋しか使っていないなら、オールメタルのために価格差を払う必要はありません。

オールメタル対応の据置IHクッキングヒーター

掃除・お手入れのしやすさで据置IHクッキングヒーターを比較

排気パネルが2分割になるパナソニック

排気パネルは、トッププレートの奥にある網目状のパネルです。IHの使用中に内部の温度上昇を抑える冷却ファンが、ここから吸排気を行っています。

パナソニックの据置IHは4タイプすべてで排気パネルが2分割になっており、1枚が短くなるぶん取り外して洗いやすくなっています。さらにKM・KG・KLタイプでは排気口カバーも着脱できます。排気パネルの奥に落ちた食材を受け止めるカバーで、外して洗えます。KBタイプは2分割パネルのみで、カバーの着脱はできません。

日立はフラットトッププレート

日立のHT-33AG・HT-32AGは「フラットトッププレート」で、天面に段差が少なくサッと拭けるつくりです。操作部はタッチキー式です。

使いやすさで据置IHクッキングヒーターを比較

光るリングと電気代表示(パナソニック)

パナソニックの「光るリング」は、IHの電源を切ったあとも高温のあいだはヒーターの周囲が点灯して知らせる機能です。明るさが変化し、高温時は点滅します。KM・KG・KLタイプに搭載され、KBタイプにはありません。

電気代表示・累計電気代表示はKM・KG・KBタイプにあり、KLタイプにはありません。調理に使った電気代の目安が分かるので、節電の目安になります。

なお、ビルトイン機にある「レンジフード換気連動」は、パナソニックの据置4タイプ・日立の据置2機種のいずれにもありません。

こげつきお知らせ

鍋のこげつきを検知して知らせる機能は、パナソニックのKM・KG・KLタイプの左右IHに付きます。KBタイプにはありません。

使いやすさで選ぶオススメ据置IHクッキングヒーター

据置IHクッキングヒーターの電源は200V

グリル付きの据置IHは200V専用

ここまで紹介した6機種は、すべて単相200V専用です。100Vのコンセントでは動きません。

これまでガスコンロを使っていて据置IHに替える場合、100Vコンセントから200Vコンセントへ変更する電気工事が必要になります。工事は電気工事士の資格が必要な作業なので、ご自分で行うことはできません。電力会社や電気工事店に依頼してください。

賃貸にお住まいの場合は、工事の前にかならず大家さんや管理会社の許可を取ってください。建物の条件によっては200Vの工事ができないこともあります。

取り付け・交換の手順や費用については、こちらの記事で解説しています。

分電盤に余裕がないならKLタイプ(200V・15A)

200Vの工事はできるものの、分電盤の容量に余裕がない集合住宅では、パナソニックのKLタイプ(KZ-KL22E3)が候補になります。200V・15A仕様で総消費電力2.9kWに収まるよう設計されたタイプです。

そのぶん左右IHは2.5kWになりますが、2口IHとグリル(1.55kW・両面焼き)はそろっています。

200Vの工事ができない場合は卓上IH

200Vの工事がどうしてもできない場合は、100Vで動く「卓上IHクッキングヒーター」という選択肢があります。

卓上IHはグリルがないぶん軽量・コンパクトで、持ち運びもできます。1口のものもあるので、ひとり暮らしにも向いています。ただし火力は100Vぶんに限られるため、据置IHと同じ使いかたはできません。グリルで魚を焼きたいという条件があるなら、200Vの工事が前提になります。

据置IHクッキングヒーターの価格

希望小売価格(パナソニック)と積算見積価格(日立)は次のとおりです。いずれも本体のみの価格で、工事費は含まれていません。

機種 メーカーの価格(税込)
パナソニック KZ-E60KM(KMタイプ) 286,000円
パナソニック KZ-E60KG(KGタイプ) 223,300円
日立 HT-33AG/HT-32AG 250,800円(積算見積価格)

※パナソニックは据置タイプの価格表(KM・KGタイプ)、日立は公式サイトの仕様ページによります。KBタイプ・KLタイプはオープン価格です。日立の積算見積価格は事業者向けの価格であり、一般消費者向けの販売価格ではありません。

実際の販売価格はメーカーの価格よりかなり低く、上の商品ブロックに出ている価格が実勢に近い水準です。工事費は別途かかるので、見積りの段階で本体と工事を分けて確認しておくと比べやすくなります。