家庭の窓などの防犯ガラスの効果と強度!選び方や費用も徹底解説

家庭の窓の防犯対策に有効な「防犯ガラス」について、具体的な効果や強度など初心者にも分かりやすく解説!防犯ガラスの種類や選び方、商品の特徴や工事費の目安なども紹介。防犯ガラスの基礎知識が身につくので、自分に最適な防犯ガラスを選べるようになる。

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家庭の窓などの防犯ガラスの効果と強度!選び方や費用も徹底解説

目次

家庭の窓などの防犯ガラスの効果と強度!選び方や費用も徹底解説

家庭の窓の防犯対策に有効な「防犯ガラス」について、具体的な効果や強度など初心者にも分かりやすく解説!防犯ガラスの種類や選び方、商品の特徴や工事費の目安なども紹介。防犯ガラスの基礎知識が身につくので、自分に最適な防犯ガラスを選べるようになる。

防犯ガラスに期待できる効果とは?数字を交えて解説

「そもそも防犯ガラスって効果があるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。100%侵入を許さないというわけではありませんが、防犯ガラスを設置することで大きな防犯効果が期待できます。具体的に数字を挙げて説明します。

侵入窃盗のおよそ6割は窓から

  • 出入り口:43.2%
  • 窓:56.8%

これは、警視庁生活安全総務課が手集計した「住宅を対象とした侵入窃盗の侵入口」のデータ(調査対象は平成30年に発生した事案)です。およそ6割近くの侵入者が、何らかの方法で窓から侵入していることになります。

参考資料:警視庁「平成30年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」

防犯ガラスが侵入を諦めさせる

  • 2分:17%
  • 2分を超えて5分以内:51%

こちらは、財団法人 都市防犯研究センターの資料によるもので、過去の空き巣などの犯罪者に「侵入に手間取って犯行を諦める時間」をヒアリングした結果です。リアルな数字と言えるでしょう。トータルすると、侵入に5分以上手間取れば68%の侵入者が諦めるということになります。

参考資料:警視庁「住まいる防犯110番」

防犯意識が高い家であることをアピールできる

一般的に、防犯ガラスには「防犯」などと書かれたステッカーが貼られています。侵入を試みようとする者に対し、遠くからでも防犯ガラスであることをアピールできるのです。防犯ガラスを導入している家は、そのほかの防犯対策も講じている可能性もあることから、侵入を事前に諦めさせる効果が期待できます。

完璧ではないが高い防犯効果が期待できる

防犯ガラスを設置すれば100%侵入を防げる、というわけではありません。しかしながら、普通の窓ガラスでは侵入を諦めるかどうかのポイントとなる「5分」すら持ちこたえることができません。

5分以上の攻撃に耐えられる防犯ガラスを選ぶことで、68%もの侵入者が犯行を諦める可能性があるわけですから、大切な家や財産、そして家族を守ることができる確率がグンと高くなるのは間違いないでしょう。

防犯ガラスの構造について

窓の防犯対策がいかに重要か、防犯ガラスにどういった効果が期待できるのかがお分かりいただけたと思います。続いて「どうして防犯効果があるの?」という疑問を解消していきます。

強じんな中間膜が圧着されている

一般的に「防犯ガラス」と呼ばれるガラスは、2枚のガラスの間に強じんな中間膜を挟み、さらにそれを加熱して圧着させたもの(合わせガラス)を指します。

中間膜がガラスの脱落を防ぐ

たとえば外側のガラスが割られても、中間膜にしっかり圧着していることでガラスが脱落せずに済みます。そのうえ中間膜そのものに高い「耐貫通性」があるので、侵入者は容易に穴をあけることができません。

中間膜の素材や厚みには違いがある

防犯ガラスにはさまざまな種類があり、採用されている中間膜の素材、厚みはメーカーなどによって異なります。どういった中間膜が使われているかにより、防犯ガラスの強度が変わってきます。

防犯ガラスの種類と勘違いしやすいガラス

ひと口に防犯ガラスと言っても、メーカーや商品によってさまざまな種類があります。一例を紹介するとともに「防犯性能がある」と勘違いしやすいガラスもあるので、まとめてお伝えします。

「合わせガラス」防犯効果あり

いわゆる一般的な防犯ガラスが合わせガラスです。2枚のフロート板ガラス(1枚板のごく普通のガラス)の間に、高い耐貫通性と耐衝撃性をもつ強じんな中間膜を挟んで圧着させています。

ただし「防犯ガラス=合わせガラス」ですが「合わせガラス=防犯ガラス」ではないので注意しましょう。防犯ガラスは、合わせガラスの中でも特殊で強じんな中間膜を挟んでいるガラス、ということです。

「合わせ強化ガラス」防犯効果あり

一般的な強化ガラス同士を、強じんな中間膜で圧着させたガラスです。同じ厚さのフロート板ガラスを用いた合わせガラスよりは防犯性能が高く、耐風圧強度が高いのも特徴です。

「合わせ複層ガラス」防犯効果あり

複層ガラスの片側1枚、または2枚ともに合わせガラスを用いたものです。中間膜に厚みをもたせたり、ポリカーボネートと呼ばれる破られにくい板を挟んだりすることもあります。

「強化ガラス」粉々になるだけで防犯効果は低い

「強化」の文字から防犯性能を期待してしまいますよね。強化ガラスとはごく一般的なフロート板ガラスを加熱処理して強化したものです。

確かにフロート板ガラスよりは割れにくく、万が一割れたときも粉々になるため安全性は高いと言えます。ですが、侵入者の攻撃に耐えられる強さではありません。

「網入りガラス」防火用なので防犯効果は低い

網入りガラスは一見強じんそうに見えるかもしれませんが、実は「防火用」です。火災などで窓ガラスが割れ、火の手が広がってしまうのを防ぐ目的でワイヤーが仕込まれています。

防犯性能という点ではフロート板ガラスより高い(やや割れにくい)かもしれませんが、防犯目的で造られたガラスと比べると、ほぼないに等しいと思っていいでしょう。

「ペアガラス」「複層ガラス」断熱目的なので防犯効果は低い

ペアガラスや複層ガラスなども防犯効果が期待できません。これらは「断熱」を目的としたガラスだからです。2枚のガラスの間に含まれた空気によって、断熱効果が得られます。

2枚のガラス、というところまでは防犯ガラスと同じですが、間に挟まれているのが空気と強じんな中間膜という、決定的な違いがあります。

ガラスはこうして破られる!侵入者の3つの手口

侵入者はどのように窓から侵入するのか、代表的な3つの手口を紹介します。手口を知り、それに応じた防犯ガラス選びにつなげていきましょう。なお、すべて「防犯対策を施していない窓ガラス」を想定して説明しています。

ドライバーなどによる「こじ破り」

もっとも多い手口と言われているのがこじ破りです。主にドライバーを使って「窓と窓枠のすき間」を狙います。ここにドライバーで一撃を加えるだけで、放射線状にヒビが入ります。クレセント錠など鍵の近くをこじ破り、ロックを解除して侵入するという方法です。

しかも、窓を直接割るわけではないので思いのほか「大きな音がしない」という特徴もあります。時間にしてわずか数十秒で侵入されてしまう要注意の手口です。

バールなどによる「打ち破り」

バールなどの工具を使って窓ガラスを叩き割るという、シンプルながら強力な攻撃方法です。こじ破りの数十秒でも早いと思うかもしれませんが、打ち破りならほんの一瞬で窓が割れてしまいます。

しかし、大きな音が出るため閑静な住宅街や寝静まった時間帯などには向きません(もちろん絶対ないわけではありません)。線路や幹線道路沿いなど、雑音が多い環境では特に注意したほうがいい手口でしょう。

バーナーなどによる「焼き破り」

バーナーで窓ガラスを熱するという手口です。一見時間がかかりそうに思えますが、防犯対策が施されていない窓ガラスなら10〜30秒ほどで破られてしまいます。そのうえ「パリッ」と音が鳴る程度で大きな音も出ません。

バーナーではなく、ライターで熱しても同じように割れてしまいます。侵入者が喫煙者でタバコとライターを持っていた場合、万が一職務質問されてもドライバーやバールほど疑われないかもしれません。油断できない手口と言えます。

防犯ガラスの強度は?決して「割れない」わけではない

防犯ガラスと言っても、絶対に割れないというわけではありません。耐衝撃性を超える攻撃を受けたり耐熱温度を超えたりすれば、窓ガラス自体は普通に割れてしまいます。

しかし、お伝えしたように「5分」以上耐えることができれば、犯罪を諦める確率が大幅に向上します。

簡単にガラスを脱落させない、貫通させないという役割を担うのが「中間膜」です。防犯ガラスの強度を見る際は中間膜に注目しましょう。

中間膜の厚みや枚数で強度が異なる

防犯ガラスの種類と同じくらい重要なのが、合わせガラスの間に挟み込む中間膜の厚み、枚数です。中間膜が厚いほど、枚数が多いほど防犯性能が高いと見ていいでしょう。たとえば次のような差があります。

強度△

  • 0.76mm1枚…ドライバーによるこじ破り対策になる
  • 0.76mm2枚…ドライバーによるこじ破り対策になる

強度◯

  • 1.52mm1枚…ドライバーやごく小型のバールによるこじ破り対策になる
  • 1.52mm4枚…ドライバーや一般的なバールによるこじ破り対策になる

強度◎

  • 2.28mm1枚…中程度の大きさのバールによるこじ破り対策になる
  • 2.28mm6枚…バールやハンマーなど凶暴な攻撃対策になる

求める防犯レベルにもよりますが、ガラスの種類とともに中間膜の厚みや枚数もチェックしておくことが大切です。

中間膜の素材が強度に影響することもある

中間膜に用いられる素材は、主にポリビニルブチラール(PVB)樹脂です。透明度や耐貫通性が高く、紫外線カット効果が得られるものもあります。

PVBよりも高い耐貫通性を誇るのが「割れない素材」と言われているポリカーボネート(PC)樹脂です。カーポートや高速道路上の材料などにも使われるなど、強度が高いことで知られています。素材も強度に影響を与えることがあると覚えておきましょう。

中間膜の厚み「mil(ミル)」も知っておこう

  • 0.76mm=30mil
  • 1.52mm=60mil
  • 2.28mm=90mil

防犯ガラスに用いられる中間膜の厚みは「mm」ではなく「mil」という単位で表すことが多くあります。パッケージなどに「mm」が併記されていなかったときのために、知っておくと便利です。

防犯ガラスの選び方!着目点は大きく7つ

続いて、防犯ガラスの選び方を詳しく見ていきます。さまざまな商品がラインナップされており、それぞれ特徴があります。そもそも「なにを(どこを)見ればいいの?」という方もいると思います。そこで、着目点を7つまとめましたのでぜひ参考にしてください。

強度は「60mil(1.52mm)」を基準に

お伝えした通り、強度は中間膜の素材や厚み、枚数などによって異なります。厚いほど、多いほど価格が高くなる傾向にありますが、その分、強度も高くなります。

予算などの兼ね合いもありますが、60mil(1.52mm)で「ドライバーによるこじ破り、バールによる打ち破り」に効果があるレベルの防犯窓を基準にするとよいでしょう。

UVカット性能なら中間膜が「PVB」のものを

一般的な防犯ガラスの中間膜に用いられるPVB(ポリビニルブチラール)は、UVカット率99.9%と言われています。

しかも、外側に貼るフィルムのように紫外線を浴びて劣化することはほとんどありません。UVカット性能を重視するならPVB素材のものを選びましょう。

防音性は「ある」と思っていい

合わせガラス自体、1枚板のフロート板ガラスと比べて防音性があります。そのため、防犯ガラス=ある程度の防音性は最初から期待できると言えるでしょう。

より優れた防音性がほしいときは、合わせ複層ガラスのものがおすすめです。

断熱性も求めるなら「複層ガラス」

合わせ複層ガラスなら、優れた防音性と同時に断熱性・遮熱性も手に入れることができます。

夏は涼しく冬は暖かく、そのうえ防犯性能まで備えているという合わせ複層ガラスですが、価格は一般的な防犯ガラスよりも高くなります。

お見舞金制度を設けているメーカーも

メーカーによって異なりますが、中にはお見舞金制度がついてくる防犯ガラスもあります。

その防犯ガラスを設置していたにも関わらず(かつ、耐えられるはずの攻撃だったにも関わらず)破られて被害に遭ってしまったときに、一定額のお見舞金が支給されるというものです。たとえ全額ではなくても補填できれば助かりますよね。

CPマーク認定商品は信頼性が高い

経済産業省、警視庁、日本ウィンドウ・フィルム工業会、日本ロック工業会など官民一体で開かれる「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」において、厳しい審査基準をクリアした商品にのみ与えられるのがCPマークです。

強度の信頼性としては非常に高いと言えます。CPマークありき、で探す方法もおすすめです。

板硝子協会が設けるランクもある

日本板硝子株式会社、旭硝子株式会社など、大手ガラスメーカーを構成員とした団体が板硝子協会です。その板硝子協会が設けた「こじ破り」「打ち破り」に対するランクがあります。

こじ破り=P1K〜P3K
打ち破り=P1A〜P5A

このようなランクがあり、数字が大きくなるほど強度が高いことを意味します。板硝子協会では「P2K」「P2A」以上のガラスを防犯ガラスとしています。

防犯ガラスを設置するデメリットやリスクはない?

ここまで、防犯ガラスの効果や強度などについて詳しく解説してきました。お伝えしたように高い防犯効果が期待できることに変わりはありませんが、逆にデメリットやリスクとなる部分はないのでしょうか?

脱出時に割れないことは覚えておくべき

地震などで窓枠が歪み開かなくなってしまった場合、一般的な窓ガラスであれば割って脱出できますが、防犯ガラスは簡単に割れませんので脱出できないおそれがあります。災害時、どのルートで脱出するかは事前にご家族ときちんと話し合って決めておくことが大切です。

窓ごと交換が必要になる

防犯フィルムのように既存の窓に後付けするものではありませんので、窓ガラスごと交換が必要になります。一度交換すればそのあとのランニングコストはかかりませんが、イニシャルコストはある程度必要になると思っておきましょう。

防犯ガラスはどんな商品があるの?

実際にどういった防犯ガラスが販売されているのか、代表的なメーカーとシリーズ、モデルを特徴を交えながら紹介していきます。

なお、掲載しているシリーズやモデルはすべて、2020年2月2日の調査時点のものです。最新情報については、各メーカーのホームページなどでご確認ください。

日本板硝子

日本板硝子の防犯ガラスは「セキュオ」「セキュオペア」という2つのシリーズがラインナップされています。いずれの商品にもポリカーボネート樹脂が採用されており、CPマーク認定商品のため強度の信頼性も高いと言えます。商品名の数字は中間膜の厚さ(mil)を表しています。シリーズごとの特徴を見ていきましょう。

「セキュオ」

  • セキュオ30:こじ破りに効果がある
  • セキュオ60:こじ破り、打ち破りに効果がある
  • セキュオ90:高い防犯効果があるが、厚みがあるため既存サッシには入らない
  • セキュオSP:セキュオ90よりも防犯効果が高く、薄いため既存サッシにも入る

こじ破りだけでは不安が残る方も多いと思います。やはり打ち破りにも効果がある「セキュオ60」または、シリーズ中もっとも防犯性能に優れていて既存のサッシにも設置可能な「セキュオSP」がおすすめモデルです。

「セキュオペア」

  • セキュオペア:断熱効果がセキュオの2倍
  • 高断熱タイプ:室内側に高断熱膜がコーティングされた、冬に暖かい日射取得型
  • 遮熱校断熱タイプ:室外側に遮熱膜がコーティングされた、夏に涼しい日射遮蔽型

セキュオの特徴に断熱性能が加わったのが、セキュオペアシリーズです。セキュオと同じように「30」「60」「90」「SP」の4モデルがラインナップされています。もちろんメインは防犯効果ですが、結露の軽減や冷暖房の効率化など、快適性と経済性も兼ね備えたおすすめシリーズです。

「ラミペーン」

  • ラミペーンシェルター:防犯性と防災性を兼ね備えた単板仕様のガラス
  • ペアマルチラミシェルター:防犯性と防災性を兼ね備えた複層仕様のガラス

優れた耐貫通性により、防犯性とともに飛来物などで窓ガラスが破損してしまうのを防ぐ防災性も備えているのがラミペーンシリーズです。ラミペーンシェルターには、2枚の板ガラスの間に中間膜を挟み込んだ「スタンダードタイプ」と、2枚の超強化ガラスの間に中間膜を挟み込んだ「ハイグレードタイプ」があります。ペアマルチラミシェルターは、室内側に防災防犯ガラスを、室外側にLow-Eガラス等を採用した複層ガラス仕様となっています。

※ラミペーンは公共施設などへの設置が推奨されてきましたが、災害時に避難困難な方がいるご家庭および、感染症対策として自宅避難を選択するケースも増えていることから、メーカーは一般家庭への設置もおすすめしています。

旭硝子(AGC)

旭硝子では「セキュレ」「ラミセーフセキュリティー」といったシリーズがラインナップされています。いずれもCPマーク認定商品のため、信頼性が高い商品です。

セキュレ

  • セキュレ レベルⅠ:0.76mmの中間膜を採用、P2AおよびP2K適合商品
  • セキュレ レベルⅡ:1.52mmの中間膜を採用、P4AおよびP3K適合商品
  • セキュレ レベルⅢ:2.28mmの中間膜を採用、P5AおよびP3K適合商品

セキュレは、お見舞金制度つきの防犯ガラスシリーズです。レベルⅠ「10万円」レベルⅡ「20万円」レベルⅢ「30万円」が上限です(ガラスの破損のみはいずれも1万円が上限)。CPマークに加えて板硝子協会による基準も満たしており、透明タイプ、霞タイプ、防火設備タイプから選べるのも特徴です。

ラミセーフセキュリティー

  • ラミセーフセキュリティーSG30:0.76mmの中間膜を採用、紫外線遮蔽効果もある
  • ラミセーフセキュリティーSG60:1.52mmの中間膜を採用、衝撃物が貫通しにくい
  • ラミセーフセキュリティーSG90:2.28mmの中間膜を採用、より耐貫通性が高い

特殊な中間膜を挟むことで、破損時の高い飛散防止効果を実現したのが「ラミセーフ」、そのラミセーフの防犯性能を高めたシリーズが「ラミセーフセキュリティー」です。数字は中間膜の厚さ(mill)を表しています。

セントラル硝子

セントラル硝子の防犯ガラスは「ラミレックスBG」シリーズのほか「バンガード」「トーレンナ」といったシリーズがラインナップされています。いずれもCPマーク認定および板硝子協会による基準も満たしている商品がそろっています。

ラミレックスBG

  • ラミレックスBG30:0.76mmの中間膜を採用したモデル
  • ラミレックスBG60:1.52mmの中間膜を採用したモデル
  • ラミレックスBG90:2.28mmの中間膜を採用したモデル
  • ラミレックスBG-GL:特殊なグレイジングチャンネル(※1)を採用したモデル
  • ラミレックスBGペア:複層ガラスタイプ
  • ラミレックスBGクール:近赤外線(※2)波長域を99%カットするモデル

※1:グレイジングチャンネルとは、ガラスと窓枠の直接的な接触を防ぎ、気密性を高めるパッキンの一種です。
※2:直射日光に含まれる近赤外線は皮膚を通過し、肌に「ジリジリ」した感覚をもたらす光です。

セントラル硝子が販売するスタンダードな防犯ガラスです。99%以上の紫外線カット率、こじ破りや打ち破りに対する効果があります。

通常モデルのほか、特殊なグレイジングチャンネルを施した「ラミレックスBG-GL」や、断熱性・遮熱性を持たせた複層ガラス「ラミレックスBGペア」なども選ぶことができます。

また、ラミレックスBGの基本性能に加えて近赤外線の波長域99%以上カットを実現したのが「ラミレックスBGクール」です。紫外線、近赤外線をダブルでカットしてくれるため、夏場や広い窓などへの設置に特に適しています。

バンガード

合わせガラスの間に特殊な中間膜とポリカーボネート板を挟み込んだモデルです。こじ破りはもちろん、バールやハンマー、電動工具などを使った凶暴な手口による打ち破り攻撃に効果がある防犯ガラスです。

住宅はもちろん、事務所や店舗などの防犯対策にも適しています。

トーレンナ

トーレンナは、お使いのサッシにそのまま取付可能な、薄型複層防犯ガラスです。サッシを交換する必要がないため、手軽に導入できるのが特徴です(ただしサッシの種類によっては設置できないことがあります)。

室内側に「ラミレックスBG30」を採用しているほか、断熱効果や結露の軽減、日射エネルギーカットなどさまざまな効果が得られます。

YKK AP

YKK APでは「Low-E複層ガラス」のオプションとして、防犯性能を付け加えることができます。

Low-Eとは「Low Emissivity(ロー・エミシビティー=低放射率)」のことで、複層ガラス(2枚)のうち、いずれか1枚の内側に金属膜をコーティングしたものをそう呼んでいます。

室内側の窓の内側にコーティングされている場合は「遮熱」、室外側の窓の内側にコーティングされている場合は「断熱」効果が得られます。

防犯合わせ複層ガラス

  • 透明タイプ:0.76mmの中間膜を採用した透明タイプの室内側合わせガラス
  • 乳白タイプ:0.76mmの中間膜を採用した乳白タイプの室内側合わせガラス

YKK APのLow-E複層ガラスのオプションでは、上記がラインナップされています。紫外線カット率99%のほか、乳白タイプなら視線を遮る効果も得られます。ただし中間膜は0.76mmと薄いため、しっかりとした防犯効果を望むのであれば、プラスアルファの防犯対策が欠かせないでしょう。

LIXIL(トステム)

LIXILでは「Low-E複層ガラス」および「一般複層ガス」いずれかに、オプションとして防犯機能を追加できます。

一般複層ガラスの中間層には乾燥空気が、Low-E複層ガラスの中間層には乾燥空気またはアルゴンガス(無色・無臭で不活性、空気よりも熱伝導率が低く複層ガラスに多く用いられる、大気中にも存在するガス)が用いられています。

Low-E複層ガラス/一般複層ガス

  • 防犯合わせ複層ガラス:強じんな中間膜を挟み込んだ、UVカット機能も備えた合わせガラス
  • 防犯乳白合わせ複層ガラス:乳白色の特殊中間膜を挟み込んだ、UVカットや目隠し効果も備えた合わせガラス

LIXILでは現在、オプションとして上記の防犯ガラスを選ぶことができます。いずれもCPマークに適合する商品で、打ち破りやこじ破り対策に効果を発揮します。紫外線カット率もほぼ100%と高く、また地震などで万が一割れた場合でも飛散しにくい構造となっています。

防犯ガラスの価格と工事費用は?窓枠ごと交換?疑問にお答え

実際に防犯ガラスを導入する際、防犯ガラス自体の価格や設置工事にいくらかかるのか、今使っている窓枠をそのまま使えるのか、交換するのか…さまざまな疑問が浮かびますよね。ここでは、そうした疑問を解消していきます。

Q:窓枠ごと交換する?

A:「ケースバイケース」です。お使いの窓枠のサイズと防犯ガラスのサイズが合えば、窓ガラスのみの交換で済みます。サイズが合わなければ防犯ガラスを加工するか、もしくは窓枠ごと交換するのが一般的です。また、1枚板のフロート板ガラスから合わせ複層ガラスに交換するといった場合は、最初から合わないため窓枠ごと交換するのが基本になるでしょう。

Q:防犯ガラスの価格帯はどれくらい?

A:さまざまな防犯ガラスが販売されていますが、価格の目安を知っておくことは予算を組む上でも大切ですよね。メーカーやブランド、防犯レベル、中間膜の素材・厚み・枚数などさまざまな条件で変動しますが、おおよそ「1枚あたり3万円〜5万円」が相場とされています。

Q:防犯ガラス以外にかかる費用は?

A:出張費用、見積もり費用、作業費用、副資材費用、古い窓ガラスの処分・運搬費用などはかかってくるでしょう。窓枠ごと交換する際は、その費用も見ておく必要がありますね。

また、特殊な窓枠や設置場所(作業の困難さ)などによって追加料金が発生することもあります。諸費用は業者ごとに価格設定が異なるため、まずは見積もりを依頼することが大切です。その際、2〜3社から相見積もりを取り寄せると比較しやすくなります。

Q:防犯ガラスに交換する際の所要時間は?

A:防犯ガラスのサイズ、作業の難易度、枚数などにもよりますが1枚あたり1〜2時間が目安になります。見積もりを取り寄せる際に所要時間を確認しておくと安心です。

防犯ガラスと一緒にしたい窓の防犯対策

防犯ガラスの基礎知識から選び方、よくある疑問などにお答えしてきました。高い防犯効果が期待できる防犯ガラスですが、何度かお伝えしているように「完璧」ではありません。

家や財産、大切な家族をしっかり守るためにも、防犯ガラスとあわせて「防犯カメラやライト」「窓の補助錠や防犯フィルム」「開閉センサー」などのアイテムを複数組み合わせ、より強固なセキュリティーを築きましょう。