住宅用火災報知器おすすめ7選!種類や選び方も

一般家庭に設置義務のある「住宅用火災報知器」のおすすめ7選を、レビューも交えながら詳しく紹介!期待できる効果や設置方法、誤作動を起こすケースや対処方法、訪問販売に関する注意点など詳しく解説するとともに、スマホ連動などの便利な機能も紹介!

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住宅用火災報知器おすすめ7選!種類や選び方も

目次

電池式のおすすめ火災報知器

電池式は設置場所を選ばないため、各ご家庭の造りや環境により適切な場所に設置することができます。多くは10年など長寿命の電池を内蔵しているタイプですので、一般的な乾電池のような電池切れの不安もほとんどありません。コスパに優れた商品が多いのも特徴です。

ホーチキ「火災警報器 ホワイトアイボリー 煙式 1個入 音声タイプ」

ホーチキ火災警報器 ホワイトアイボリー 煙式 1個入 音声タイプ

ホーチキ

火災警報器 ホワイトアイボリー 煙式 1個入 音声タイプ

参考価格 3,020円~(2022/02/10時点)

低価格ながら多機能の火災報知器です。特に、部屋の環境を自ら学習し、状況に応じた火災判断を自動で行うラーニング機能には注目です。これにより誤報の低減を実現しています。10年電池式ですが内蔵タイプなので、本体ごと交換することになります。

型番 SS-2LT-10HCP
参考価格 3,323円
感知方式 煙式
電源方式 電池式(内蔵)
発報方式 音声、光
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ
その他機能 高品位スピーカー、ラーニング機能

ホーチキ「火災警報器 ホワイトアイボリー 煙式 1個入 音声タイプ」の口コミ

値段も、ハウスメーカーがよこしたものよりも手頃で、機能は全く問題無し!
家の中の報知器、これに交換しようと思っている位です。

引用元:Amazonレビュー

ニッタン「住宅用火災報知器けむタンちゃん10」

ニッタン住宅用火災報知器けむタンちゃん10

ニッタン

住宅用火災報知器けむタンちゃん10

参考価格 1,980円~(2022/02/10時点)

かわいらしいネーミングとは裏腹に、リーズナブルながら高性能の火災報知器です。単独型ですが、10年電池式なのでコスパの面でもかなり優秀といえるでしょう。電池切れや故障を自ら試験して自動で教えてくれる点もありがたいですね。

型番 KRG-1D-X
参考価格 2,343円
感知方式 煙式
電源方式 専用リチウム電池
発報方式 警報音、光
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ(壁はフックでも取り付け可能)
その他機能 感度補正機能、電池切れ音声警報機能、自動試験機能

ニッタン「住宅用火災報知器けむタンちゃん10」の口コミ

先日魚焼いてたら思いのほか煙が出て、
廊下に取り付けていたコレも鳴りました。
機能してます!

停止させるにはぐいっと紐をしっかり引っ張るのが大事。
軽く引いたくらいでは止まってくれません。注意。

また10年よろしくお願いします。

引用元:Amazonレビュー

能美防災「住宅用火災警報器 まもるくん 煙感知タイプ」

能美防災住宅用火災警報器 まもるくん 煙感知タイプ

能美防災

住宅用火災警報器 まもるくん 煙感知タイプ

参考価格 1,920円~(2022/02/10時点)

感知部分の汚れなどで煙の濃度を検出する際に誤差が生じたときでも、自動で感度を補正してくれます。睡眠の妨げにならないよう、夜間の電池切れの警報を遅らせて知らせる機能や、24時間電話による問い合わせ窓口の常設など、能美防災独自のさまざまな機能・サービスも特徴です。

型番 FSKJ225-B-N、FSKJ225-S-N
参考価格 1,910円
感知方式 煙式
電源方式 電池式(内蔵)
発報方式 警報音、音声
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ
その他機能 24時間電話受付による問い合わせ対応、感度補正機能、手動・自動試験機能、電池切れ警報遅延機能

能美防災「住宅用火災警報器 まもるくん 煙感知タイプ」の口コミ

付属の電池をセットして、天井の位置を決めてドライバーで取り付けるだけで簡単です。
最後にテストボタンを押して完了です。
完了後の見た目は、スタイリッシュで目立たなくて良かったです。
買って満足してます。

引用元:Amazonレビュー

能美防災「住宅用火災警報器 まもるくん 熱感知タイプ」

能美防災住宅用火災警報器 まもるくん 熱感知タイプ

能美防災

住宅用火災警報器 まもるくん 熱感知タイプ

参考価格 2,000円~(2022/02/10時点)

こちらは熱感知式の火災報知器で、キッチンへの取り付けが推奨されています。定温式で、65℃相当で反応します。煙は感知しないため感度自動補正機能はありませんが、そのほかは煙式と同様に、24時間問い合わせ対応や手動・自動試験機能などが搭載されています。

型番 FSLJ015-B-N、FSLJ015-S-N
参考価格 2,000円
感知方式 熱式
電源方式 電池式(内蔵)
発報方式 警報音、音声
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ
その他機能 24時間電話受付による問い合わせ対応、手動・自動試験機能、電池切れ警報遅延機能

能美防災「住宅用火災警報器 まもるくん 熱感知タイプ」の口コミ

台所の火災警報器の電池が切れたため、買い替えました。
以前のものより小さく、表面がフラットで薄型なデザインのため、目立たなくて満足しています。

引用元:楽天レビュー

連動型のおすすめ火災報知器

無線通信などにより、複数の火災報知器が連動するタイプです。1台が煙や熱を感知すると、連動するほかの火災報知器も警報音や音声で知らせてくれるため、離れた部屋で寝ていても速やかに行動に移せるといった安心感があります。

パナソニック「けむり当番薄型2種(親機・子機)」

パナソニックけむり当番薄型2種(親機・子機)

パナソニック

けむり当番薄型2種(親機・子機)

参考価格 12,500円~(2022/02/10時点)

AiSEG2(※)連携機能を搭載した火災報知器です。火元を声でお知らせしてくれるほか、ほのかな光で避難をサポートしてくれます。親機と子機はワイヤレス連動型で、親機1台で子機最大14台まで連携できますので、家中いたるところに取り付けできる安心感があります。

※AiSEG2:AiSEG(アイセグ)とは、HEMS(ヘムス=ご家庭で使用するエネルギーを見える化し、節約につなげるための管理システム)の中核を担う機器で、HEMSを導入する際に必要になります。

型番 SHK74102P(親機)/SHK74202P(子機)
参考価格 6,401円(親機)/6,350円(子機)
感知方式 煙式
電源方式 専用リチウム電池(同梱)
発報方式 警報音、音声
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジで固定
その他機能 自動復旧機能、ピーク値1mにて約90dB(※)、交換時期お知らせ

※dB(デシベル):騒音の程度を表すものです。90dBは「5mの距離で聞く犬の鳴き声」「騒々しい工場の中」などに例えられます。

パナソニック「けむり当番薄型2種(親機・子機)」の口コミ

高い警報器ですが、10年使えて、1~3階まで連動してくれるので安心です。
(軽量鉄骨・ALC板住宅の2階に親機、1階と3階に子機を設置しています)
火曜日の夜に発注し、木曜日の朝に届きました。早い発送が有り難いです。

引用元:楽天みんなのレビュー

ホーチキ「火災警報器 ホワイトアイボリー 熱式 1個入 無線連動方式」

ホーチキ火災警報器 ホワイトアイボリー 熱式 1個入 無線連動方式

ホーチキ

火災警報器 ホワイトアイボリー 熱式 1個入 無線連動方式

参考価格 6,187円~(2022/02/10時点)

無線による連動型の火災報知器です。グループ登録したすべての火災報知器が相互通信します。どれか1つでも火災を感知したり故障・電池切れなどを起こしたりすればすべてが鳴動します。単独型同様にラーニング機能が搭載されています。10年電池式です。

型番 SS-FKA-10HCP
参考価格 7,040円
感知方式 熱式
電源方式 電池式(内蔵)
発報方式 音声
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ
その他機能 ラーニング機能、グループ登録数最大15台、親機・子機の区別なし

ホーチキ「火災警報器 ホワイトアイボリー 熱式 1個入 無線連動方式」の口コミ

ボタンを押すだけの簡単な作業で全て連動でき、1階車庫の3階建てにそれぞれ設置。通信テストも簡単に行えました。今のところは満足です。

正面のボタン1秒押しで動作チェック、3秒押しで連動チェックできるので定期的にテストして、何事もなく10年もてばいいなぁと思います。

引き紐はついていないので手が届きにくいところには10年使った能美のものをそのまま外して使いました。
根元に結び目を作って下にビーズを括った電気の引き紐とかで十分かと。多分。
ホーチキ 引き紐で検索すれば購入ページ、取り付け方もあります。

1個につき取り付けネジ2、クギ3が付属しています。

引用元:Amazonレビュー

ホーチキ「無線連動型住宅用火災警報器 煙式」

ホーチキ無線連動型住宅用火災警報器 煙式

ホーチキ

無線連動型住宅用火災警報器 煙式

参考価格 6,281円~(2022/02/10時点)

親器と子器の区別をなくし、各警報機がそれぞれ相互に連動する通信方式を採用しています。火災発生時はもちろん、故障や電池切れなどでもすべての警報器が知らせてくれるため、いざというときに作動しないといった不安を大きく抑えてくれる安心感があります。

型番 SS-2LRA-10HCP
参考価格 6,362円
感知方式 煙式
電源方式 電池式(内蔵)
発報方式 警報音、音声
対応設置場所 天井、壁
設置方式 ネジ、石膏釘
その他機能 再送信機能、グループ登録機能、通信バックアップ機能

ホーチキ「無線連動型住宅用火災警報器 煙式」の口コミ

連動設定は問題なく完了し、正常に取り付けることが出来ました。
連動設定が初めてだったのですが、簡単に出来たので、満足しています。
実際の性能は、火事にならないと解らないので、試すことができない為、
まあ、信用するしかないって感じですね。

引用元:楽天レビュー

火災報知器は住宅への設置が義務付けられている

火災報知器は、火災から自分や大切な家族の命、そして財産を守るために欠かせない設備です。火災の早期発見につながることで、近隣住民への被害も最小限に抑えられる可能性が高まります。まずは火災報知器の基礎知識から身につけていきましょう。

火災報知器の住宅への設置は全国で義務化されている

まず2006年6月より、新築・改築する住宅への設置が義務化が始まりました。それに続き、既存住宅への設置義務化も徐々に全国に拡大され、現在では日本におけるすべての住宅への設置が義務化されました。

電池式の火災報知器なら設置に資格は必要なし

従来、火災報知器は一定規模以上の建物にのみ設置義務があり、その設置は消防設備士が担うものでありました。ところがそれでは一般住宅への普及が遅れ「救える命も救えなくなる」可能性があったのです。これを踏まえて法整備がなされ、今では住宅用火災報知器の設置に資格や特殊な技能は必要なく、誰にでも取り付けが可能になっています。

ただし、徐々に減ってきてはいるものの「コンセントではないタイプの火災報知器(AC100V直結式等)」は、電気工事士でなければ取り付けできません。自分で設置する際は、取り付け場所を選ばないうえ手頃な価格帯のものが多い電池式のものを選びましょう。

未設置は「罰則なし」だがデメリットだらけ

総務省消防庁によれば、未設置によることの罰則はありません(※1)。そのため罰金などが科される心配もありません。ですが、お伝えしたように火災報知器は火災を早期に発見し、大切な命や財産を守るために欠かせない設備です。

それに、万が一火災が発生した際、火災保険が適用されない可能性も高くなります。隣家まで延焼した場合、未設置であるため被害が拡大したとされれば損害賠償を求められるかもしれません。未設置であるメリットはありません。1日でも早く設置しましょう。

※1:総務省消防庁予防課「住宅用火災警報器Q&A|住宅防火関係 住宅用火災警報器を設置しましょう!」

火災報知器は効果あるの?

火災報知器を設置することによって、具体的にどれほど効果が得られるのかを総務省消防庁のデータ(※2)や、東京消防庁のデータ(※3)を元に解説していきます。

データでは死者数「4割減」

2016〜2018年までの3年間で、失火(放火・放火の疑いを除く)が原因の住宅火災の報告を元にしたデータがあります。これによれば、住宅火災100件あたりの死者数は未設置の11.1人に対して有設置のケースでは6.8人と、およそ4割減少していることが分かりました。

焼損床面積・額はおおむね「半減」

住宅用火災報知器は、人命はもちろん大切な財産の損失額も減らしてくれます。2016〜2018年までの3年間のデータでは、火災1件あたりの焼損床面積は未設置の60.1平米に対し、有設置が28.7平米と約半減、それにともなう損害額も、未設置の310.7万円に対し168.1万円と約半減しています。

火災に至らずに済んだ事例は「5割以上」

東京消防庁の2018年のデータでは、火災報知器を設置していたおかげで事前に食い止めることができた事例は171件中95件、割合にして55.5%と半数以上にのぼります。「ぼや」で済んだ例(69件40.4%)も含めると、171件中164件、実に95.9%もの割合で火災の発生や被害の拡大を抑えることができたという結果になりました。

隣人や通行人が気づく割合は「4割」

同じく東京消防庁のデータです。火災報知器の鳴動音に気づいた人の割合でもっとも多いのは居住者で、171件中81件、47.4%です。自宅に設置しているものなので当然といえば当然ですが、少し少ない気もします。

一方、隣人や通行人など居住者以外が気づいた割合は171件中72件、なんと42.1%にもなるのです。つまり、居住者が気づかなくても隣人や通行人など第三者による迅速な通報で、被害を抑えられる可能性も高くなるというわけです。

火災による死者は「7割」が住宅

2018年中に発生した火災死者数のうち、住宅は1,028人で全体の約7割を占めています。住宅以外の建物火災では118人、建物以外の火災では281人ですから、その差は歴然です。住宅用火災報知器を設置することの重要性は、ここにも現れているといえるでしょう。

※2:総務省消防庁予防課「住宅防火関係 住宅用火災警報器を設置しましょう!」
※3:東京消防庁「<安全・安心><つけましたか?住宅用火災警報器!>」

火災報知器の種類

ひと口に「住宅用火災報知器」といっても種類はさまざまです。代表的なものを紹介しますので選ぶ際の参考にしてください。なお、より詳しく知りたい方は最寄りの消防本部や消防署、あるいは都道府県の消防保安課などに問い合わせましょう。

感知方式:「煙式」「熱式」「煙式+ガス漏れ+CO」

火災報知器に煙が入り込むことで火災の発生を知らせるのが「煙式」です。中でも主流なのは、光の乱反射から煙を感知する「光電式」タイプです。火災ではありませんが、ガスや一酸化炭素などを感知してくれるタイプもあります。一方、火災報知器周辺の温度が一定以上に達すると火災を知らせてくれるのが「熱式」です。

警報方式:「音声」「ブザー」「光」「臭い」「補助警報装置」

火災を知らせる方式にも種類があります。一般的なのは「火災が発生しました」など音声で知らせるタイプや、大音量で「ビービー」あるいはサイレンのような音を鳴らすブザータイプです。そのほか光は耳が遠い高齢者や聴覚障害者などが暮らす住宅向け、臭いは聴覚障害者向けが暮らす住宅などとして使われています。

もうひとつ、高齢者や目・耳が不自由な方におすすめなのが「補助警報装置」の増設です。メインの火災報知器と連動させることで、光や音などで別の部屋にいる人にも火災の発生を知らせるというものです。配線を必要とするもの、無線式のものがあります。耳が不自由な方用の光タイプ、目が不自由な方用のブザータイプなどがあります。

電源方式:「電池式」「コンセント式(AC100V式)」

無資格者でも手軽に設置できるのが、電池だけで駆動する「電池式」です。一般的に広く用いられているタイプですが、電池切れには気をつけなければなりません(約10年が交換目安です)。

一方、あまり見かけなくなりましたが「コンセント式(AC100V式)」もあります。すでに配線が完了していればコンセントに挿し込むだけで使用できますが、新設・増設する場合などは電気工事士の資格が必要になります。また、コンセントがある場所の近くにしか設置できないため、取り付けの自由度という点では電池式のほうがおすすめです。

発報方式:「単独型」「連動型」

火災が発生したと思われる場所に設置した火災報知器のみが鳴動するのが「単独型」です。一方、1台が火災を感知すると家中すべての火災報知器が鳴動するのが「連動型」です。

基本的に電池式は単独型ですが、ワイヤレスで相互に通信し、連動させられるものがあります。またAC100V式を連動型にする場合、親機と子機の間で連動するための配線が必要になります。

設置場所と設置方式:「天井・壁」「露出・埋め込み」

住宅用火災報知器は、天井または壁に取り付けるのが一般的です。天井と壁どちらにも設置可能なものもあります。広く普及しているのは、天井に備え付けの台座にはめ込むタイプ、あるいは天井近くの壁にピンなどで固定するタイプです。これらは「露出型」と呼ばれます。

一方、新築住宅などに多いのは「埋込み型」です。AC100V式に多く見られ、天井や壁の奥に配線が引かれているため電源ユニットを必要とせず、露出型と異なり出っぱりが少ないのが特徴です。ただし停電時などに機能しなくなる可能性があります。

「NSマーク」と「国家検定マーク」の違い

日本消防検定協会が実施する試験に適合した、住宅用火災報知器に表示が認められるマークが「NSマーク」です。表示義務はありませんが、購入のひとつの目安としてNSマークが表示された住宅用火災報知器を推奨する自治体も多くありました。

ところが2014年4月1日より、住宅用火災報知器が「国家検定品」になったことにともない、それ以降、合格の表示がなされるようになりました。丸に「検」のマークがその証で、国家検定をクリアしている火災報知器ということになります。

経過措置として、NSマークが表示されている住宅用火災報知器は2019年3月31日まで販売が認められていましたが、現在は製造・輸入・販売・取り付けが禁止されています。購入する際は必ず「検」マークのある住宅用火災報知器を選びましょう。

最新火災報知器の便利機能

続いて、最新の住宅用火災報知器に搭載されている便利な機能を紹介します。

ワイヤレス連動型は続々登場している

従来、単独型が主流の住宅用火災報知器でしたが、近年では連動型それもワイヤレスタイプが続々と登場しています。常に相互通信を行っており、どれかひとつでも火災を感知すれば家中の火災報知器が鳴動します。電池切れを起こしたり故障が発生したりした際も、すべての火災報知器で知らせてくれるなど利便性が向上しています。

機器の故障を自己診断してくれるものも

点検ボタンなどを押すだけで、火災報知器が自分の状態を自己診断してくれるものもあります。正常か故障かはもちろん、電池切れや交換期限の超過なども知らせてくれるため、定期的に点検しておけばいざというときに作動しない、といったトラブルを防げる可能性が高くなります。

インターホンやスマホと連動するタイプもおすすめ

火災を感知するとインターホンを鳴らして知らせてくれるタイプや、外出先にいても把握できるようスマホへ通知してくれるタイプもあります。中には、インターホンの玄関子機から警報音を出して外部へ火災が発生していることを知らせてくれるものまであります。留守にすることが多いご家庭では、こうした機能も見逃せません。

夜間の避難をサポートするLED搭載タイプも登場

就寝中に火災報知器が鳴った場合、真っ暗闇の中を慌てて避難することになります。これは転倒や衝突など、思わぬケガを招きかねない危険な行動です。LEDライトを搭載した火災報知器は、感知と同時に部屋をほのかに照らしてくれるため、より安全な避難が可能になります。

火災報知器はどこに設置すればいいの?

住宅用火災報知器の設置場所というと「台所」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?確かに火を使う場所なので間違いではありませんが、実際には台所以外にも設置したほうがよい場所があります。

「寝室」「寝室階の階段上部」「台所」はほぼ必須

住宅用火災報知器の設置が必要とされている場所は、自治体などによって変わってきます。多くの場合「すべての寝室」と「寝室がある階の階段上部(天井・壁)」そして「台所」は推奨している自治体と義務付けている自治体があります。詳しくは一度、自治体の火災予防条例を確認しておくことをおすすめします(※4)。なお階段は、建物の階数や寝室が何階にあるかなどによって、次のように取り付け場所が異なります。

平屋

寝室(天井または壁。以下同)のみで構いません。

2階建て

寝室が1階であれば寝室、2階であれば寝室と2階の階段、寝室が1階と2階にあればそれぞれの寝室と、2階の階段が必須です。

3階建て

寝室が1階のみであれば寝室と3階の階段、寝室が2階のみであれば寝室と2階の階段が必須です。ただし3階にある場合は寝室・3階の階段・1階の階段という3箇所に設置する必要があります。

※4:一般社団法人 日本火災報知器工業会「市町村条例別の設置場所」

「リビング」も極力取り付けたい

必要とされている場所以外は取り付けなくてもよいというわけではありません。浴室やトイレ、洗面所や納戸といった場所は必須ではありませんが、家族が過ごす時間の長いリビングなどは、設置してマイナスになることはないでしょう。

設置場所に合った火災報知器のタイプとは?

寝室やダイニング、階段などへは「煙式」が向いています。煙が上に昇ってくることもそうですし「熱式」の場合は炎がかなり高くまで昇らないと感知しない可能性があるためです。台所は煙・熱いずれの方式でもよいとされていますが、やはり煙式のほうが早く火災を検知することができます。こうしたこともあり、東京消防庁では台所などへも煙式を取り付けるよう推奨しています。

自分で設置できる?してもいい?

電池式およびコンセントに挿し込むタイプの火災報知器であれば、自分で設置できます。資格は不要です。ただし、お伝えしたように配線を新設したり増設したりする場合は、電気工事士にお願いしなければなりません。必ず、販売店や電気店などに依頼しましょう。

火災報知器の「リース」のメリット・デメリット

住宅用火災報知器は購入以外にリースする方法もあります。購入と比べてどんなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

管理・メンテナンスを任せられる

火災報知器をリースしているのは主にガス会社です。火災報知器のみのケースもあれば、ガス警報器やCO警報器と一体になったものを借りられるケースもあります。いずれも管理やメンテナンスを任せられますので、うっかり電池切れを起こしたり有効期限を切らしたりするリスクはほとんどありません。

継続してリースする場合「最新機種」に交換可能

火災報知器のリースは複数年契約です。期限が来て更新する場合、新品(またはその時点での最新機種)に交換してくれるのが一般的です。購入ではそう頻繁に買い替えしませんので、この点もメリットといえるでしょう。

割引サービスを受けられることも

ガス料金と一緒にリース料金を支払っていくことになりますが、継続契約すると1カ月分が無料になったり、複数台リース契約すると1台あたりのリース料金が割安になったりするケースもあります。

購入より高額になるケースも多い

月々のリース料金はガス会社や火災報知器の機種、そのほか付帯サービスの有無などによって変わりますが、おおよそ100〜300円程度が相場です。継続してリースする場合、購入したほうが安上がりになるケースがほとんどです。

中途解約の場合は解約金が必要になるケースも

リース期間中に解約する場合、解約日が属する月のリース料金がまるまるかかったり、別途1,000円程度の解約金が必要になったりすることがあります。リース契約をする際は、解約についても確認しておきましょう。

火災報知器の悪質な訪問販売は注意

火災報知器はネットで2,000円台から手軽に購入できます。しかしながら、住宅用火災報知器の悪質な訪問販売が後をたたないようです。総務省消防庁のホームページに掲載されている事例を、ポイントを絞って紹介します。

高齢者に対して8万円を請求

男2名が訪問し「住宅用火災警報器が法律で必要」「8万円かかる」などと説明し、断ると「頭金だけ」といって2万円を支払わされたという事例がありました。

2台設置で20万円を請求

男が訪問し、住宅用火災警報器を1階居間・2階階段に設置したあと、20万円を請求されて支払ってしまったという事例がありました。

「消防関係者」であると騙す

住宅用火災警報器のチラシなどを見せながら「消防署の方から来た」として話を持ちかけられたため、身分証の提示を求めたところ帰ったという事例もあります。支払わずに済みましたが、機転が利かなければお金を騙し取られていたかもしれません。

クーリングオフの対象だが「契約書」が必要

訪問販売により購入してしまった住宅用火災報知器は、クーリングオフの対象商品です。しかし、クーリングオフを利用するには契約書があり、業者を特定する必要があります。上記の事例を見ると契約書などは交わしている様子は見られず、業者の特定が困難であることが分かります。

得体の知れない業者、訪問販売の業者はその場で依頼せず、家族と相談するなどと伝えて連絡先・担当者名を確認しておきましょう。

また、消防署員や市役所員がモノを販売するということはありません。東京消防庁でも、万が一あやしいと思ったら「その場で消防署へ連絡するように」と注意喚起をしています。

契約書を交わさずに購入してしまったときの相談先

万が一、契約書を交わさずまた業者の名刺なども受け取らずに火災報知器を購入してしまったときは、お住まいの地域を管轄する消防署、もしくは消費生活センター(局番なし188)に相談しましょう。

火災報知器設置時の注意点は?

自分で設置する際は、以下のポイントを押さえつつ「煙・熱をすばやく感知できる場所」に取り付けましょう。

天井に設置する場合の注意点

  • 壁や梁(はり)から60cm(熱式は40cm)以上離す
  • 天井の中央付近に取り付ける
  • エアコンの吹き出し口や換気口からは1.5m以上離す
  • ストーブなど熱や煙の影響を受けにくい場所に設置する

壁に設置する場合の注意点

  • 天井から15~50cm以内に火災警報器の「中心」がくるように取り付ける
  • 30平米以上の台所の壁に取り付ける場合は煙式にする

取り付けに向かない場所とは?

  • ススや蒸気が発生しやすい石油ストーブの近く
  • 浴室など水がかかる場所、常に高温・多湿の場所
  • エアコン・換気扇・扇風機の近くやすきま風がある場所
  • ホコリ・虫が多い場所
  • 吊り下げ照明で隠れてしまう場所
  • タンスなど家具の真上
  • 調理場など火災以外の煙や蒸気がかかる場所 など

こうした場所への設置は、誤作動を招いたり正常に感知しなかったりする可能性があるため、おすすめできません。また商品によって適した取り付け場所が異なる場合があります。必ず取扱説明書を確認しましょう。

火災報知器が誤動作を起こしやすいケースと対策

続いて、火災報知器が誤作動を起こしやすいケースとその対策をお伝えします。ただし「以下のケースに当てはまるから誤作動である」と思い込まず、必ず周囲の安全確認を行い、必要に応じて速やかな消火活動と同時に119番通報を行ってください。

多湿の環境:誤作動することがある

意外かもしれませんが、湿度が高い場所に設置した火災報知器は誤作動を起こすことがあります。これは、結露などによって水滴が付着し、光が「煙の粒子に似た乱反射」を起こしてしまうためだと言われています。湿度が常に高い場所には設置しない、あるいは除湿機や換気扇を使うなどして湿度管理をすることで対策しましょう。

紙・加熱式・電子など各種タバコ:誤作動は「まれ」

通常、人の口から排出される程度のタバコの煙で誤作動を起こすことはないと言われています。しかし「多人数が狭い部屋で数時間吸い続ける」「多量の煙を複数回連続で火災報知器に吹きつける」といった場合、誤作動を起こす可能性はゼロではありません。「試しにわざと吹きつけてみる」といった行為は、そのあとの面倒な状況を考えると避けたほうがよいでしょう。

湯気や蒸気:感知方式により誤作動する場合がある

熱式の火災報知器の場合、65℃や70℃など一定以上の温度を持つ湯気または蒸気が当たらなければ作動することはありません。つまり調理中の蒸気や入浴後の湯気などで誤作動を起こすことは考えにくいと言えるでしょう。

ただし煙式だった場合、中でも特に光の乱反射から煙を感知する光電式タイプだった場合は、湯気や蒸気で誤作動を起こすことがあります。そうした場所に設置する際は、設置場所を少しずらすか熱式のものに交換することで対処しましょう。

線香の煙:誤作動は「まれ」

タバコと同じように、線香を数本焚いたり蚊取り線香をひと晩中つけたりするくらいで火災報知器が誤作動を起こすことはほとんどありません。炎も上がりませんので、熱式では反応しないと考えてよいでしょう。

ただし煙式をお使いで、一度に多量の線香や蚊取り線香を焚いて煙が大量発生し、部屋の中にこもってしまいっている場合などは誤作動を起こす可能性が高くなります。

ロウソク・キャンドル:誤作動は「まれ」

こちらもタバコや線香と同じような捉え方です。ろうそくやキャンドルは煙がモクモクと立ち昇るものではありませんので、煙式で誤作動はほぼないと考えてよいでしょう。熱式でも、炎が立ち昇るわけではありませんので基本的には誤作動しません。

ただし、いずれも火災報知器のすぐ近くで使用した場合は誤作動を起こすおそれがあります。できるだけ離れた場所で使用することをおすすめします。

クラッカー:誤作動はほぼない

クラッカーから炎はあがりませんし、高温になるわけでもありません。したがって熱式の火災報知器は反応しないと考えてよいでしょう。煙もタバコより少ないものですから、基本的には反応しないと考えて問題ありません。

ただし火災報知器に向かって直接クラッカーを鳴らした場合などは、一瞬の煙や熱、あるいは破片がセンサーに触れるといった原因で誤作動を起こす可能性があります。

殺虫剤など各種スプレー・くん煙剤:感知方式により誤作動する場合がある

各種スプレーは熱や炎を噴射するものではないため、熱式の火災報知器で反応することはないでしょう。ただし、煙式の場合は光の乱反射により「煙」と判断され、誤作動につながる可能性が高くなります。

またバルサンのようないわゆる「くん煙剤」タイプの殺虫剤も注意が必要です。熱式で反応することはまずありませんが、煙式の火災報知器だった場合は反応する可能性があります。煙式を設置している部屋では使用を控えたほうがよいでしょう。

火災報知器の止め方は?

住宅用火災報知器はかなり大きな音声や警報音が流れますので、万が一誤作動だったり確実に安全であることが確認できたりしたときは止めなければ近所迷惑になってしまいます。いざというときに慌てないためにも、止め方を覚えておきましょう。

「ボタン」か「引きヒモ」で止められる

機種によって若干の違いはあるものの、住宅用火災報知器は基本的に「警報停止ボタン」を押すか「警報停止の引きヒモ」を引くことで止めることができます。なおボタンは数秒長押ししなければならないものもあります。以下のサイトでは、メーカー別に対処法がまとめられています。お使いの住宅用火災報知器の取扱説明書とともに、こちらもぜひ参考にしてみてください(※6)。

※6:一般社団法人 日本火災報知器工業会「警報器が鳴ったときの対処」

火災報知器の掃除は必要?お手入れの注意点は?

ホコリが溜まってしまうと誤作動を招いたり肝心の火災を感知しなかったりといったリスクが生じます。少なくとも年に一度は必ずお手入れをしましょう。

火災報知器のお手入れの方法

  1. キレイな布を2枚用意し、1枚は水に濡らして固く絞っておく
  2. 先に、乾いているほうの布で表面のホコリなどを拭き取る
  3. 次に、濡らして絞ったほうの布に台所用中性洗剤を数滴含ませる
  4. 「3」の布で残っている汚れを拭き取る
  5. 煙式でホコリがひどいときは、掃除機を使ってホコリを吸い取る

火災報知器をお手入れする際の注意点

本体内部に水が入ってしまうと故障などの原因になります。濡らした布は固く絞っておきましょう。また、拭き取る際は煙の流入口あるいは熱を感知するセンサー部分には触れないように気をつけましょう。そのほか、掃除機を使う際は感知部分に触れないようにするのも誤作動を防ぐコツです。

汚れがひどいからと、塩素系漂白剤やベンジン、シンナーもしくはアルコールなどを使って拭き取るのはNGです。水または台所用の中性洗剤を使いましょう。なお、お手入れ方法は機種によって異なる場合があります。事前に取扱説明書の確認も忘れないようにしてください。

ちゃんと動いてる?火災報知器は定期的に点検を

肝心なときに作動しなければ、火災報知器を設置している意味がありません。お手入れと併せて、必ず定期的に点検をしておきましょう。

作動確認の方法

テスト用のボタンを押す、あるいはヒモを引っぱるだけです。「ピーピー」と音が鳴ったり「火事です」と音声が流れたりすれば正常です。詳しい点検の仕方は、お使いの火災報知器の取扱説明書で確認してみてください。

作動しなかった場合

ボタンを押したりヒモを引いたりしても反応しなければ、故障または電池切れを起こしている可能性があります。電池が正しくセットされているか(プラグ式の場合はコンセントが挿してあるか)を確認しましょう。それでも解消しないときは、電池交換をしてから再度、作動確認を行います。電池交換をしても鳴らないときは故障が考えられますので、取扱説明書を確認してメーカーや販売店などに問い合わせましょう。

火災報知器の寿命は10年。もしもの為に早めに交換を!

設置場所や使用状況などによって若干の差はあるかもしれませんが、一般的に火災報知器の寿命は「10年」とされています。部品の劣化や煙の流入部の目詰まりなどは、どうしても生じてしまうためです。いざというときに作動しなかったということのないよう、10年を目安に交換しましょう。

住宅用火災報知器の処分方法は自治体で異なる

交換する際、古くなった火災報知器を廃棄することになるわけですが、正しい処分方法は自治体で異なります。一例ですが、たとえば千葉県千葉市は「本体は不燃ごみ・電池は有害ごみ」、岐阜県岐阜市は「本体は粗大ごみ・電池は廃乾電池回収箱」などとなっています。うっかりルール違反を犯さないよう、事前にお住まいの地域のごみ出しルールを確認しておきましょう。