エコキュートをリースするデメリットや費用。購入より30万も損?

初期費用0円~、月額5,000円ほどで利用できる、一見お得なエコキュートの「リース」。実はエコキュートの「購入」と比べて30万円も損してしまう可能性が…。「契約満了まで解約できない」等のデメリットや「期間中は修理費無料」等のメリットも解説。

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エコキュートをリースするデメリットや費用。購入より30万も損?

目次

そもそもエコキュートのリースってなに?

エコキュートのリースについてご存知ですか?あまり馴染みのない人もいるかもしれませんが、エコキュートをリースすると、購入しなくてもエコキュートを利用できるようになります。

※本記事の掲載内容は2019年1月28日時点の情報です。

「リース」は購入ではなくレンタルすること

エコキュートのリースは、簡単に言ってしまうとエコキュートを借りることです。リースしたエコキュートは、契約期間中は購入した場合と同じようにずっと使用することができます。また、リース期間中のエコキュートの故障については、基本的に無料で修理してもらうことができます。

エコーキュートのリースサービスの概要

エコキュートのリースサービスには、以下のような特徴があります。

月々のリース費用は「5,000円」程度

まずエコキュートをリース(借りる)料金は月額払いがほとんどです。費用は契約するプランやエコキュートの機種によって異なりますが、全ての機能を備えた一般的に使用されているフルオートのエコキュートをリースする場合で、「5,000円」程度が相場となっています。

工事費用は「0円」が多い

エコキュートをリースする場合、工事費用がかからないことが殆どです。ただし、配管の長さが足りない場合などで追加工事費を徴収される場合もあります。また、プランによっては工事費用がかかってくることもあります。

契約期間は「10年」が主流

エコキュートリースの契約期間には5年、8年、10年、12年とあり、10年がもっとも主流です。なお、契約期間中に解約したい場合、残り期間のリース費用や解約手数料などを支払う必要がありますので、リースの契約期間は慎重に選びましょう。

リース期間中に故障しても修理費無料

エコキュートのリースでは、リース期間中に発生した故障は、基本的に無償で修理してもらうことができます。ただし、客側の故意または過失による故障に対しては、無料修理は対応していないリース会社がほとんどです。

選べる機種は最新だがリース会社による

リースをするエコキュートの機種は、基本的に最新機種から選ぶことができます。ただし、リース会社によって借りることができるエコキュートのメーカーや機種が異なります。

対象エリアはリース会社で変わる

リースサービスを提供している会社は、地方の電力会社やそのグループ会社が経営しているケースがよくあります。そのため、リースサービスの提供エリアは、運営している各電力会社の管轄区域(近畿のみなど)に限られてしまうことが多いです。

次の項目からは、エコキュートをリースするデメリットやメリットについて見ていきましょう。

エコキュートをリースするデメリット

エコキュートのリースには、「契約終了まで解約不可」、「最終的に自分の物にならない」、「トータル費用は購入より割高」といったデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

リースの契約期間が終わるまでは解約できない

エコキュートをリースする場合、リース期間満了までは原則として解約することができないというデメリットがあります。つまり、契約したからには契約期間(5年、8年、10年、12年など)の間は利用を続けなくてはいけません。

また、やむを得ない事情でエコキュートのリース契約を打ち切りたい場合は、残りのリース期間の料金や解約手数料などが必要となります。

最終的に自分の物にならない場合も

リース会社によって、リース契約満了後のエコキュートが「客の所有物になる」場合と、「客の所有物にならない」場合とに分かれます。また、中にはリース契約満了時の機器の取り扱いについて、WEBサイトで案内していない業者も存在します。

リース期間満了後の取り扱いについては、重要なポイントになってくると思いますので、リース会社のWEBサイトを見ても載っていなかったり分からなかった場合は、直接電話をして問い合わせてみましょう。

トータル費用は購入した場合より割高

エコキュートをリースした場合の費用ですが、最終的にはエコキュートを購入した場合に比べて割高になってしまうことが多いです。

リースは確かに月額のみで見れば何十万円で購入するより支払い費用は安いのですが、10年程度の契約期間中、毎月5,000円前後を支払うことになるため、トータルで見ると購入した場合より割高になってしまいます。

エコキュートをリースした場合と購入した場合との費用比較については、以下のリンク先をご覧ください。

リースは購入より30万円以上損してる?!

契約中は機種変更ができない

エコキュートのリースでは、原則として契約中は機種変更ができません。そのため、最初に選んだ機種をリース期間(10年程度)中ずっと使い続けなくてはいけません。

特に10年目に近くなってくると、省エネ性能や機能などに優れた最新機種が発売されていても、リース期間が終わるまでは買い替えなどを行うこともできません。なお、一応契約途中でも解約金や残りのリース料金を支払えば解約は可能ですが、損をしてしまうためオススメできません。

エコキュートをリースするメリット

エコキュートをリースする場合、「初期費用が不要」、「リース期間中は修理費用が無料」といったメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。

初期費用が不要

エコキュートを購入しようと思った場合、エコキュート本体の商品代+設置工事費用が「初期費用」として必要になります。初期費用はエコキュートの機種や設置業者によっても異なりますが、普通の家庭で一般的に使われているフルオート(お湯張りから足し湯まで全自動)のエコキュートで「299,000円」以上は必要となります。(2019年1月28日時点)

エコキュートをリースする場合、この高額な初期費用(商品代+設置工事費)が不要になり、固定料金を月々に支払うだけでエコキュートを利用できるようになります。ただし、契約プランによっては一部工事費用が必要となる場合もあります。

リース期間中の故障は修理費用が無料

リース期間中にエコキュートが故障した場合、基本的には無料で修理してもらえます。エコキュートを購入した場合ですと、有料延長保証を購入した場合は最長10年間の故障を保証してもらえますが、有料延長保証を購入しない場合は、メーカー保証期間(1~5年)を過ぎた故障はすべて有料修理となってしまいます。そのため、月々の利用料金だけで無料修理まで保証してもらえるのは、エコキュートをリースするメリットと言えるでしょう。

ただし、客側の故意または過失による故障に対しては、無料修理は対応していないリース会社がほとんどです。もしリース契約を結ぶ場合は、どの範囲まで無料修理対応を行ってくれるのか、しっかりと確認したほうが良いでしょう。

用意された最新エコキュートから好きな機種を選べる

エコキュートをリース契約する場合、最新のエコキュートから好きな機種を選ぶことができます。ただし、契約するリース会社によって選べるエコキュートの機種やメーカーが決まっているため、完全に自由に選べるというわけではありません。

また、エコキュートの機種や、フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用などの種類によっても、月額のリース料金が変わります。基本的には、性能が良いものほど月額料金は高くなる傾向にあります。

フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用の違いはコチラ

各社のリース料金やサービス内容を比較

ここでは、各リース会社の料金や契約期間、選択できる機種などを比較していきます。

かんでんeリース(関西電力)

関西電力が運営するエコキュートのリースサービスが、「かんでんeリース」です。かんでんeリースは、現在お使いの給湯器が電気給湯器かガス・灯油給湯器かによって料金が異なります。

現在、電気給湯機をご使用の場合の月額料金

  • フルオート:月々5,022円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々4,860円(税込)~
  • 給湯専用:月々4,654円(税込)~

現在、ガス・灯油給湯器をご使用の場合の月額料金

  • フルオート:月々5,389円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々5,227円(税込)~
  • 給湯専用:月々5,022円(税込)~

フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用の違いはコチラ

初期費用(設置工事費用)

基本的に0円
※設置状況によっては、配管延長などによる追加工事費が発生する可能性はあり。

リース期間

10年間

取扱いメーカー

三菱電機、日立、ダイキン工業、パナソニック、コロナ、長府産業

途中解約した場合

基本契約期間満了までの残リース料金と、リース物件撤去費用が必要

契約満了時のエコキュート所有権

不明(WEBサイトに明確な記載なし)

対象エリア

近畿2府4県

修理サポート時間

365日24時間サポート

eライフサポート(四国電力)

四国電力が運営するエコキュートのリースサービスが、「eライフサポート」です。eライフサポートは、「シンプルプラン」と「まるっとプラン」で料金や工事範囲が異なります。

なお、「シンプルプラン」は、戸建住宅に住んでいて現在の給湯器が電気給湯器を使っている方や新築の方が対象、「まるっとプラン」は戸建住宅に住んでいて灯油・ガス給湯器をご利用の方が対象となります。

シンプルプランの月額料金

  • フルオート:月々4,800円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々4,200円(税込)~
  • 給湯専用:月々3,900円(税込)~

まるっとプランの月額料金

  • フルオート:月々5,700円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々5,100円(税込)~
  • 給湯専用:月々4,900円(税込)~

※角型エコキュートの場合の料金です。
※契約開始から10年目までの料金です。

フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用の違いはコチラ

初期費用(設置工事費用)

基本的に0円
※設置状況によっては、配管延長などによる追加工事費が発生する可能性はあり。

リース期間

10年間/2年間の延長あり(最長12年間)

取扱いメーカー

三菱電機、日立、ダイキン工業、パナソニック、コロナ、四変テック

途中解約した場合

基本契約期間満了までの残リース料金と、1台につき解約手数料20,000円(税別)が必要

契約満了時のエコキュート所有権

契約期間が満了しても、エコキュートの所有権は「リース会社」に存在します。
また、「eライフサポート」へ機器の返却と、解約手数料も必要になります。

対象エリア

徳島県・高知県・愛媛県・香川県

修理サポート時間

365日24時間サポート

株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービス

中国電力グループの「株式会社エネルギア・ソリューション・アンド・サービス」が提供するエコキュートリースは、「あっと!電化パックプランSシリーズ」などがあります。

「あっと!電化パックプランSシリーズ」の中でも「3S」プラン、「2S」プラン、「S」プランに分かれており、それぞれ月額料金やサービス内容が違っています。

電化パック3Sプランの月額料金

「電化パック3Sプラン」は、ガス給湯器などの機器から初めてエコキュートに変更する方や、現在給湯専用タイプの電気温水器をお使いで、フルオートタイプのエコキュートに取り替えする方に向けたプランです。

  • フルオート:月々4,298円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々4,276円(税込)~
  • 給湯専用:月々3,715 円(税込)~

電化パック2Sプランの月額料金

「電化パック2Sプラン」は、すでにエコキュートや電気給湯器をお使いで、200V電源工事や基本的な工事が済んでいる方に向けたプランです。

  • フルオート:月々3,952円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々3,931円(税込)~
  • 給湯専用:月々3,348円(税込)~

電化パックSプランの月額料金

「電化パックSプラン」は、エコキュートの工事費用だけを最初に一括で支払って、エコキュートのみをリースする契約です。最初に工事費用はかかりますが、月々にかかる費用を抑えたい方に向いています。

  • フルオート:月々3,240円(税込)~
  • セミオート・エコオート:月々3,218円(税込)~
  • 給湯専用:月々2,829円(税込)~

フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用の違いはコチラ

初期費用(設置工事費用)

  • 3S・2Sプラン:基本的に0円
    ※設置状況によっては、配管延長などによる追加工事費が発生する可能性はあり。
  • Sプラン:お客様により最初に工事費を一括払い

リース期間

12年間

取扱いメーカー

三菱電機、日立、ダイキン工業、パナソニック、コロナ、東芝、長府産業、四変テック

途中解約した場合

解約金と基本契約期間満了までの残リース料金、エコキュート撤去費用(税別2万円)が必要

契約満了時のエコキュート所有権

契約期間が満了しても、エコキュートの所有権は「リース会社」に存在します。

対象エリア

中国地方、九州地方

修理サポート時間

365日9:00~21:00

フルオート、セミオート(エコオート)、給湯専用の違い

フルオート
フルオートとは、自動湯張り・追い炊き・自動保温など全ての機能を備えたエコキュートのことを指します。一般的な家庭で最も使用されているタイプです。

セミオート(エコオート)
セミオート(エコオート)とは、自動湯張りや高温足し湯機能を備えたエコキュートのことを指します。(追い炊き・自動保温機能はついていません)
なお、セミオートとエコオートは、メーカーによって呼び名が異なるだけで、同じものを意味しています。

給湯専用
給湯専用とは、蛇口をひねって手動でお湯張りを行うタイプのエコキュートのことを指します。(自動湯張り・追い炊き・自動保温・高温足し湯機能はついていません)

リースは購入より30万円以上損してる?!

この記事を読んでいる人の中には、「エコキュートを導入したいけれど、リースか購入かで悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。

結論から言ってしまうと、トータルで見れば購入したほうが約30万円程度お得です。

ここでは、その理由について詳しく解説していきます。

リースにかかる費用はトータル60万円以上

たとえば、上記でご紹介した「かんでんeリース(関西電力)」のフルオート機種を契約したとします。すると、10年間の契約期間で以下の費用を支払うことになります。

  • 月々にかかるリース費用:5,022円(税込)
  • 年間にかかるリース費用:60,264円(税込)
  • トータル(10年間)リース費用:602,640円(税込)

また、契約するリース会社によっては、上記金額に加えて解約時に「エコキュート撤去費用」などを徴収される場合もあります。

購入にかかる費用は工事費込で299,000円~

一方、全ての機能を備えた一般的に使用されているフルオート(お湯張りから足し湯まで全自動)のエコキュートを購入した場合にかかる費用は、299,000円が最安値となっています(2019年1月28日時点)。

単純にリースと購入でかかる費用を比べた場合、約30万円近く購入したほうがお得という計算になります。

※上記の費用はあくまで目安です。リース・購入ともに契約業者、購入店舗、契約プラン、機種などによって費用が変わります。

有料延長保証に加入すれば長期使用も安心

エコキュートを購入する場合、メーカーが無料で修理を行ってくれるのは「メーカー保証期間(1~5年)」のみとなりますが、「有料延長保証」に加入することで最長10年まで保証期間を延長することが可能です。

有料延長保証には5年、8年、10年があり、価格はそれぞれ

  • 5年延長保証:1万円程度
  • 8年延長保証:2万5千円程度
  • 10年延長保証:3万円程度

となっています。長く使うエコキュートだからこそ、「有料延長保証」に加入することで、安心して使い続けることができますね。

エコキュートを購入する際の機種の選び方やお得な購入方法については、以下の記事をご覧ください。



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資金にあわせてリースか購入かを選択

エコキュートをリースするか購入するか迷っている方は、まとまった資金があるかどうかで選ぶのが良いかもしれません。

まとまった資金がない人はリースがオススメ

トータルでかかる費用を比較すると圧倒的にリースよりも購入のほうがお得ですが、購入の場合は最初にまとまった資金が必要となるので、中にはハードルが高い人もいるでしょう。

エコキュートを購入できるくらいのまとまった資金が無い場合は、エコキュートのリースを選択肢の一つとして考えてみるのも有りだと思います。

まとまった資金がある人はエコキュートの購入がオススメ

「リースは購入より30万円以上損してる?!」の項目でご紹介した価格比較からも、エコキュートを購入したほうが、リースよりも合計金額で30万円程度お得なことが分かったかと思います。そのため、まとまった資金がある場合はエコキュートの購入をオススメいたします。

エコキュートを購入する際の機種の選び方やお得な購入方法については、以下の記事をご覧ください。