IHクッキングヒーターの寿命と耐用年数。パーツ毎に解説
目次
IHクッキングヒーターの寿命・耐用年数は10~15年程度
IHクッキングヒーターの寿命は、おおむね10~15年といわれています。IHクッキングヒーターのお手入れやメンテナンスをこまめにして、大きな故障をしなければ、20年近く使い続けられるというケースもあるようです。ただし、この寿命・耐用年数は定期的な掃除やお手入れ、メンテナンスを行った場合の年数で、お掃除やお手入れを怠れば、IHクッキングヒーターはもっと早く壊れてしまう場合もあります。
また、メーカーがIHクッキングヒーターの部品を保管している期間が決まっていて、大体が製造終了後10年間程度です。そのため、10年以上使用を続けたIHクッキングヒーターが故障した場合、部品が無いため修理が出来ず、結果的に買い換えるしかなくなってしまうというケースもあります。
火を使わないから、ガスコンロより寿命が長い?
火を使用しないIHクッキングヒーターの寿命が10~15年なのに対して、ガスコンロの寿命は8~10年程度といわれています。ガスコンロは、火を使うことでゴトク部分が汚れやすく、掃除もIHクッキングヒーターより大変なため、後回しにしがちです。そして温度センサーや点火プラグまで汚れてしまって火がつかない、といった事例も多いようです。
その点、IHクッキングヒーターはお掃除も簡単で、ガスコンロよりも故障しにくい分、ガスコンロよりも長く使用できる場合が多いようです。
グリル部分の寿命・耐用年数は7~10年
IHクッキングヒーターについている魚焼きグリル部分の寿命は、ヒーター部分よりも寿命が短く7~10年程度です。ここでは、その理由ついて解説していきます。
魚焼きグリルの部分は、ヒーターに比べて損傷が早い
IHクッキングヒーターの魚焼きグリルは、魚を焼くときに振る塩や魚の油によって劣化が進みやすく、グリル内部に穴が空いて温度調整に異常が生じたり、絶縁不良(電気の遮断がうまくいかなくなること)を起こす場合があります。そのため、どうしてもヒーター部分に比べて寿命が短くなってしまうことが多いです。
消耗部品が多いIHクッキングヒーターのグリル部分
IHクッキングヒーターの魚焼きグリル部分の部品は、魚に振る塩や油による劣化が激しいため、消耗品になっている部品があります。以下は、グリル部分の消耗部品と目安となる交換年数です。
- 焼き網の交換サイン……魚などを載せて焼く網。交換時期は人それぞれですが、洗っても汚れが落ちなかったり、表面の塗装が剥げてきたら交換するのが一般的です。
- グリル皿の交換サイン……網ではなく板状で、焼き網と同じ働きをします。塗装が剥がれたり汚れが落ちなくなったら交換するのがよいですが、使い勝手のよいものに交換する人もいます。
- ドアパッキンの交換サイン……ドアパッキンはIHクッキングヒーターのグリル扉の密閉性を高める部品です。ドアパッキンが劣化すると油漏れなどを起こしますので、グリルから油漏れがするようになったらドアパッキンを交換しましょう。交換時期の目安は3~7年です。
寿命が近いIHクッキングヒーターに起こる事
IHクッキングヒーターは寿命が近くなると、不具合という形で様々なサインを出します。ここでは、寿命が近くなったIHクッキングヒーターの具体的な症状についてご紹介していきます。
電源が入りにくい
寿命が近くなったIHクッキングヒーターは、お湯を沸かそうと思ってスイッチを入れても、電源が入らないという現象が起こりやすくなります。電源が入らなくなる原因としては、煮こぼれや吹きこぼれなどが起きたことで内部基盤が損傷している可能性があります。
お湯が沸きにくくなった
IHクッキングヒーターを10年近く使用すると、IHクッキングヒーター内部の部品が経年劣化し、火力が低下してしまう場合があります。以前に比べてお湯が沸く時間が少なくなったと感じた場合は、そろそろ寿命が近いというサインかもしれません。
IHクッキングヒーターの寿命を伸ばすお手入れ方法
ここでは、IHクッキングヒーターをできるだけ長く使用するために、IHクッキングヒーターの寿命を延ばすお手入れ・メンテナンス方法をご紹介いたします。
ヒーターのお手入れ方法
軽い汚れの場合
しぼった雑巾やふきんで拭き取ります。
油汚れの場合
- 薄めた台所用洗剤を、雑巾やふきんに染みこませて拭き取ります。
- 汚れていない濡れ雑巾やふきんで拭き取ります。
取りにくい汚れの場合
- 汚れている箇所にクリームクレンザーをかけます。
- 丸めたラップやアルミ箔で、クリームクレンザーをかけた汚れ部分をこすります。
- 汚れていない濡れ雑巾やふきんで拭き取ります。
従来グリルのお手入れ方法
焼き網のお手入れ方法
台所用洗剤を使用して、スポンジで汚れを洗い落としてください。なお、メーカーでは1回使用するごとのお手入れを推奨しています。
※焼き網を洗う前に水につけておくと、汚れが落ちやすくなります。
※調理前にサラダ油を塗っておくと、焼いた魚などがこびりつきにくくなります。
※たわし、歯磨き粉、ナイロンスポンジ、食器洗い乾燥機で洗うと塗装が剥がれますのでご注意ください。
受け皿のお手入れ方法
取り外してから、台所用洗剤を使用してスポンジで汚れを洗い落としてください。なお、食器洗い機も使用できます。
※塗装が剥がれますのでたわし、歯磨き粉は使用しないでください。
グリル扉のお手入れ方法
- 扉を取り外します。(扉の側面を両手で持ち、扉裏側にある左右の突起を押しながら真上に引き上げる)
- 台所用洗剤を使用して、スポンジで汚れを洗い落としてください。
※焼き網を洗う前に水につけておくと、汚れが落ちやすくなります。
※調理前にサラダ油を塗っておくと、焼いた魚などがこびりつきにくくなります。
※たわし、歯磨き粉、ナイロンスポンジ、食器洗い乾燥機で洗うと塗装が剥がれますのでご注意ください。
グリル庫内のお手入れ方法(空焼きによる消臭)
空焼きを行うことにより、グリル庫内についた、劣化の原因となる油を高温で焼き切ることができます。また、消臭効果もあります。
空焼きの手順は以下の通りです。
- 焼き網・受け皿・受け皿ホルダーを取り外します。
※庫内が汚れていたら台所用洗剤を染みこませたふきんや雑巾で拭き取ってください。 - 扉を閉めて、「お手入れ」ボタン、またはメニューを選択します。
- グリルを押すと、残りのお手入れ時間が表示されます。
- 終了するとブザーが鳴り、自動で終了します。
※メーカーや機種によって手順が異なる場合があります。詳しくは説明書をご覧ください。
※メーカーでは5~6回程度のグリル使用の度に行うことを推奨しています。
※グリルの使用直後は庫内が高温になっていますのでご注意ください。
ラクッキングリルのお手入れ方法
※ラクッキングリルはパナソニックの製品です。
グリル皿のお手入れ方法
グリル皿を取り外し、台所用洗剤を使用してスポンジで汚れを洗い落としてください。
グリル庫内のお手入れ方法
台所用洗剤を染みこませたふきんやスポンジで汚れを拭き取ってください。
グリル扉のお手入れ方法
- 両手で扉の裏にあるボタンを押しながら引き上げて、扉を取り外します。
- 台所用洗剤を使用して、スポンジで汚れを洗い落としてください。
吸気口カバーのお手入れ方法
- スイッチカバーを取り外し、くぼみに指をかけて吸気口カバーを引き抜きます。
- 台所用洗剤を使用して、スポンジで汚れを洗い落としてください。
- 吸気口カバーの2ヶ所ある凸部分を奥まで差し込み、スイッチカバーを取り付けます。
グリル庫内の天井汚れセルフクリーニング方法
- グリル皿を取り外します。
- 庫内が汚れていたら台所用洗剤を染みこませたふきんで拭き取ります。
- 扉を閉めて、メニューから「お手入れ」を選びます。
- スタート後、約20分ですると完了し、自動で終了します。
グリル汚れが落ちないときは、プロに依頼!
自分での掃除でグリルの汚れが落ちなかったり、掃除をする時間がないという方は、専門業者のクリーニングサービスに依頼するのがオススメです。お金はかかってしまいますが、汚れが落ちない時や、確実に汚れを落としたいときなどは便利です。
その他、IHクッキングヒーターの寿命を伸ばすために気を付けたい事
ここでは、IHクッキングヒーターをできるだけ長く使用するために、IHクッキングヒーターの寿命を伸ばすために気を付けたい事をご紹介します。
トップコート表面のヒビ割れ・亀裂を未然に防ぐ
IHクッキングヒーターの故障で多いのが天板・トップコートの亀裂やひび割れです。IHクッキングヒーターの天板・トップコートが割れてしまう原因としては、重い鍋やフライパンなどを落下させてしまうケースや、鍋などの空だきが多いようです。
対策としては、以下をお試しください。
- 鍋底が変形していたり、ゴミや異物が付着した鍋を使用しない。
- 空だき(ヒーターの上に空の鍋などを置いた状態で加熱)しない。
(空だきを行うと高温になり、急激な温度変化にトッププレートのガラスが耐えきれず割れてしまう場合があります。) - IHクッキングヒーターの上に、重い鍋などを置いたり吊るしたりして保管しない。
- 調理をする際、誤って鍋やフライパンをヒーター部分に落とさないように気をつける。
煮こぼれ、吹きこぼれを防ぐ
トップコートのひび割れと並んで多いのが、この煮こぼれ・吹きこぼれです。煮こぼれ・吹きこぼれにより、水分がIHクッキングヒーター内部に浸水すると、基盤の故障などにつながります。最悪の場合、修理できずに買い替えとなってしまう場合もあります。
対策としては、以下をお試しください。
- 耐熱性のスプーンやフォークを鍋の中央に一本沈めておく。
(耐熱性のスプーンが、湯の熱対流を内向きに変化させるので、吹きこぼれなくなります。) - 木のヘラや菜箸を鍋のフチを橋渡しするように置いておく。
(沸騰しはじめると木のヘラや菜箸が当たった泡を飛ばし、急速な沸騰を防いでくれます。) - 吹きこぼれ防止グッズ(沈めるタイプや蓋タイプ)を使う。
- 吹きこぼれしにくい鍋を使う。