電気温水器からエコキュートへの交換工事。費用と内容

電気温水器からエコキュートへ交換時の標準工事費を紹介。標準工事に含まれる工事内容(本体据付工事、配管工事、電気工事など)や、ガス給湯器からの交換に比べて不要になる工事も解説。追加工事(撤去費用や分電盤交換)の費用目安と、工事が必要な条件も。

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電気温水器からエコキュートへの交換工事。費用と内容

目次

必要な標準工事費用(電気温水器からエコキュートへ交換時)

電気温水器からエコキュートへ交換時の標準工事費は8~15万円程度です。

ガス給湯器からエコキュートに変える金額に比べて、
2万円ほど安くなります。
その理由としては、給湯器からの取り換えの場合に必要な、

  • 基礎工事(エコキュートを設置するコンクリ土台の工事)
  • 給水・給湯配管工事(エコキュートからお湯・水を送る配管工事)

などが不要になるからです。

インターネットでエコキュートの工事を依頼する場合、表記されている標準工事費(基本工事費)の多くが「給湯器からエコキュートへの取替」を想定していますので、電気温水器からの交換を伝えた場合、表示金額より基本工事費を安くしてくれる業者もあります。

なお、現在お使いの給湯設備がガス給湯器やエコキュートの場合は、こちらの記事をご覧ください。


標準工事の内容(電気温水器からエコキュートへ交換時)

エコキュート標準工事とは、エコキュートを設置するときに必要となる基本的な工事のことです。電気温水器からエコキュートへ交換する際の標準工事の内容は、施工業者によって多少変わりますが、以下のような内容になっています。

①既存設備の撤去処分

これまで使っていた電気温水器を撤去・処分する作業です。ガス給湯器に比べて大型で手間がかかるため、1万円程度の追加費用をとっている業者が多いようです。

②エコキュート本体据付工事

エコキュート本体据付工事は、以下の手順で行われます。

  1. 貯湯タンク(エコキュートで使用するお湯を貯めるタンク)を搬入し、電気温水器が設置されていたコンクリート土台に設置していきます。
  2. 土台に固定用のアンカーボルトを打ち付け、貯湯タンクを水平になるように調整して設置します。
  3. 設置後はボルトで貯湯タンクの脚部分を土台にしっかりと固定し、エコキュート本体に電気配線と各種配管を繋げていきます。
  4. 配線を隠す脚部カバーを設置して、貯湯タンク部分の設置は完了です。
  5. 次にヒートポンプユニット(エコキュートで使用するお湯を作る機器)も設置します。
    ※基本的に貯湯タンクの近くに設置しますが、隣家との距離が近いなどエコキュートの騒音が気になる場合は、設置する向きを変えるなどすると良いでしょう。
  6. 最後にエコキュートの試運転を行い、本体据付工事は完了です。
    ※試運転は電気工事などすべて完了してからの場合もあります。

③配管工事

電気温水器からエコキュートへの交換するときは、電気温水器で使用していた給水・給湯配管を使用するため、ほとんどの場合で配管工事が必要ありません。
ただし、新しい配管に交換する場合や、追い焚き配管工事、ドレン排水配管工事は必要になる場合があります。

追い焚き配管工事の工事

追い焚き機能つきエコキュート(オート、フルオート)を設置する場合に必要となる配管工事です。給水配管と同様に電気温水器などで使用していた配管をそのまま使用することもできますが、長期間使用した配管は湯垢などで汚れているため、新しく交換することをオススメします。

ドレン排水配管工事の工事

エコキュートのヒートポンプや貯湯タンクから出る排水を、排水口に流すために行う配管工事です。ドレン排水配管工事を行わないと、冬場にヒートポンプが凍結する原因になったりします。質の低い工事業者の場合、手抜きをしてドレン排水配管工事を行わない場合もありますので、注意が必要です。

なお、どの配管工事も、配管の距離が長くなると追加費用がかかる傾向にあります。

④電気工事

エコキュート設置時の電気工事には、エコキュート専用ブレーカー設置工事、エコキュート専用配線工事、分電盤交換工事、幹線張替え工事、電力会社申請代行などが含まれています。

エコキュート専用ブレーカー設置の工事

エコキュート用のブレーカーを設置します。分電盤に余裕がある場合は分電盤の横に設置するのが一般的ですが、余裕がない場合は分電盤を交換(増設)したり、直接電気メーターから電源をとる必要があります。

エコキュート専用配線工事の工事

エコキュート専用ブレーカーから、エコキュート本体までを繋ぐ配線工事です。価格はブレーカーとエコキュートの距離が近いほど安くなる傾向にあり、逆に距離が長いほど高くなってしまいます。

電力会社申請代行

エコキュートは深夜の安い電力でお湯を沸かすことがメリットのひとつですが、そのためには電力会社のとの契約を変更する必要があります。エコキュート設置業者は、電力会社に契約変更の申請を代行してくれます。しかし、有料ですので希望すれば自分で行うこともできます。

⑤リモコン設置工事

電気温水器用のリモコンを取り外し、エコキュート用の室内リモコンを設置します。

エコキュート標準工事費に差がある理由

電気温水器からエコキュートへ交換する場合のエコキュート標準工事費は8~15万円で、設置業者により最大7万円の開きがあります。これには以下の理由が考えられます。

標準工事費が安い理由

  • 配管工事にて、電気温水器の既設配管の使用を前提にしている。

標準工事費が高い理由

  • 工事を下請け業者に外注している。
  • 配管工事にて、新規配管への取り替えを前提にしている。

追加工事の内容と費用(電気温水器からエコキュートへ交換時)

エコキュート設置時の追加工事は、標準工事以外に必要となる工事のことで、標準工事に追加で工事費用がかかります。主にエコキュートと浴槽が遠い場合や地盤がゆるい場所での設置、幹線張替えが必要な場合や分電盤の交換が必要な場合などは、追加工事での対応になります。

配管延長工事

エコキュートと風呂、給湯、給水を繋ぐ配管を延長する工事です。

追加工事が必要なケース
電気温水器の既設配管を利用する場合で、現在ご使用の電気温水器からエコキュートまでの距離が5m以上離れている場合は、配管延長工事が必要です。
※5mは目安です。工事業者によって変わります。

工事費目安:1,080~2,000円/1m毎

配線延長工事

エコキュート用ブレーカーからエコキュート本体に繋ぐまでの配線の長さを延長する工事です。

追加工事が必要なケース
エコキュート用ブレーカーとエコキュート本体の距離が5m以上ある場合は、配線延長工事が必要です。
※5mは目安です。工事業者によって変わります。

工事費目安:1,080~2,000円/1m毎

新規風呂配管工事

エコキュートと風呂を繋ぐ配管を、電気温水器の既設配管を使わずに新規で設置したい場合に必要な工事です。

追加工事が必要なケース
電気温水器を10年近く使用している場合は、風呂用配管の内部が汚れている場合があります。気になる場合は交換をオススメします。

工事費目安:12,000~28,500円/5mまで(往復)

幹線張替え工事

幹線とは、電線を屋内に引き込んでいる部分から分電盤までの間を繋いでいるケーブルのことです。

追加工事が必要なケース
幹線の張替えは、幹線が200Vの配線を引き込んでいない場合や、200Vの配線が細い場合などに必要になります。

工事費目安:21,600~54,000円

分電盤交換工事

分電盤とは各種ブレーカーを収容している箱のことです。分電盤交換工事とは、より大きな電力容量を使用できるようにするするために、分電盤を交換する工事です。

追加工事が必要なケース
エコキュートは200V機器なので、100Vしか対応していない分電盤の場合は交換の必要があります。また、分電盤で使用できる電力容量は決まっており、エコキュート設置の際に容量に余裕がない場合は交換の必要があります。

工事費目安:35,000~60,000円
※分電盤の回路数が多くなるほど、工事代金は高額になります。

風呂アダプター工事

給湯専用の電気温水器を使用していた場合で、浴槽や外壁に穴をあけて、追い焚き用の循環口を設置します。なお外壁に穴をあける場合は、工事費が高くなります。

追加工事が必要なケース
追い焚き機能つきのエコキュートを設置する場合に必要になる工事です

工事費目安(交換のみ):6,480~7,800円
工事費目安(穴あけ含む):10,800~15,000円

転倒防止アングル設置

エコキュート本体(貯湯タンク)の転倒を防止するために、壁とエコキュート本体を固定する工事です。

追加工事が必要なケース
地盤が緩かったり、地震等での転倒の恐れがある場合、転倒防止アングルを設置したほうが安心です。

工事費目安:15,400~

凍結防止ヒーター取付工事

配管の凍結防止のために、凍結防止ヒーターを配管に巻きつけます。

追加工事が必要なケース
主に冬場に配管が凍結するおそれがある寒冷地域では、凍結防止ヒーターの取付が必要になります。

工事費目安:6,000~22,000円

その他、必要となる可能性がある追加工事例

  • 軟弱地盤や狭小地・傾斜地の基礎工事
  • コンセントの増設工事
  • ユニック等での特殊搬入
  • 主開閉器契約への申請