
メリットだけだと思ってた!オール電化のデメリットも徹底解説!
目次
オール電化にするメリット
オール電化でガス代をカットできる
オール電化にすることで、光熱費を電気に一本化することができます。その結果、ガス代がまったくかからなくなりますので、安い電力プランを契約するなどして電気代を抑える工夫をすることで、光熱費を安くすることができます。
オール電化住宅向けの電力プランにすることで電気代が安くなる
電力会社には、オール電化住宅向けのプランが用意されています。たとえば東京電力の「電化上手」は、昼間の電気代が高くなる代わりに、朝晩と夜間の電気代が安くなる、というものです。これは夜間にお湯を沸かすエコキュートに最適なプラントいえます。
これに加えて、オール電化住宅の方は、「全電化住宅割引」が適応されるので、電気代がさらにお得になります。その他の電力会社のオール電化プランも、おおよそ東京電力と同様の内容です。
各電力会社のオール電化プランについては、こちらの一覧をご覧ください。
電力プランに合った使い方をすれば、オール電化はもっとお得に!
オール電化住宅向けの電力プランは、昼間の電気代が高く、夜は安く設定されているのが一般的です。そのため、ちょっとした気配りで電気代をさらに下げることができるかもしれません。
エコキュートの沸き上げは夜間に行う
エコキュートの沸き上げは、電気代の安い夜間に設定されているか見直しましょう。
ほとんどの場合沸き上げ時間は夜間に設定されているはずですが、プランによっては電気代が安くなる時間帯とエコキュート沸き上げの時間がズレている場合もあります。
タイマーつきの家電は夜間に動かす
洗濯機や炊飯器などタイマーつきの家電は、できるだけ夜間に動かすことで電気代を安く済ませることができます。
太陽光発電や蓄電池を導入している場合は更にお得
太陽光発電や蓄電池を導入しているご家庭では、電気代が高い昼間は太陽光発電で創った電気を使用したり、深夜の安い電気を蓄電池に貯めておいて昼間に使うなど、よりお得な使い方ができます。
震災時のライフラインとしてガスよりも優秀
大きな地震などの災害が起きてライフライン(電気・ガス・水道)が麻痺してしまったとき、3つの中で一番復旧が早いのが電気と言われています。
エコキュートの貯水タンク内の水を生活用水として利用できる
エコキュートの中の貯水タンクは、地震などの災害が起きて断水してしまった時に、生活用水として使うことができます。なお、長時間貯湯していると水質が変化してしまうため、飲水として使うためには一度沸騰させないといけません。
ガスに比べて火災への安全性が高い
炎が発生しないIHクッキングヒーターは、地震などの災害時に衣類や布団などへの着火事故を減らすことができます。ただし、IHクッキングヒーターに使用している鍋やフライパンは高温になるため、発火につながる危険はあります。
IHクッキングヒーターの掃除が簡単
IHクッキングヒーターはガスコンロに比べて掃除が簡単だといわれています。ガスコンロはゴトクなどに汚れがこびりつきますが、IHクッキングヒーターは天板を拭くだけで簡単に綺麗にすることができるためです。
二酸化炭素の増加で空気が汚れない
オール電化にすると、調理中もガスを使いませんので、火が燃えることによる空気中の二酸化炭素の増加もありません。
不完全燃焼による一酸化炭素中毒の心配がない
オール電化にすると、調理中もガスを使いませんので、不完全燃焼による一酸化炭素中毒が発生する危険もありません。
オール電化にするデメリット
オール電化プランを契約すると昼間の電気代が高くなる
オール電化の電気代を安くする強い味方のオール電化プランですが、夜間の電力がとても安くなる反面、昼間の電気代は高くなってしまいます。そのため、昼間にあまり家にいないご家庭はいいのですが、昼間も普通に生活されているご家庭では、節電等の工夫をする必要がでてくるかもしれません。

年間5千円も節約!?エコキュートの節電方法4選+12の裏技
356,723viewオール電化にするための導入費用が高い
オール電化にするためには、エコキュートとIHクッキングヒーターが必要ですが、以前までは合計100万円近くの費用がかかっていましたが、最近は価格の安いネットショップなどによって、費用は40~70万円程度まで下がっています。しかし、それでも高額なことに変わりはないので、オール電化にする方は導入してから初期費用を何年で回収できるかシミュレーションをすることが大事です。
オール電化導入費用の一例
①エコキュートの導入費用
35~50万円前後(エコキュート本体+工事費込)
②IHクッキングヒーターの導入費用
5~20万円前後(IHクッキングヒーター本体+工事費込)
オール電化の導入費用(①+②):40~70万円
※上記の価格はあくまでも一例であり、導入機種やご自宅の状況によって費用は異なります。
停電時に何もできない
オール電化の家庭では、停電してしまうとエコキュートからお湯も出なくなってしまいますし、IHクッキングヒーターで料理を作ったりお湯を沸かしたりすることもできなくなってしまいます。対してガスを使用している家庭では、停電してもガス給湯器、ガスコンロは使うことができます。
エコキュート運転時の音がうるさい
エコキュートは夜間にお湯を沸かす場合が多いですが、そのとき低周波音と呼ばれる音が出ています。この音が原因で、最近、近隣住民とのトラブルが増えているという報告を、消費者庁が行っているほどです。
エコキュートの騒音に関する対策や詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。

エコキュートから騒音?低周波音被害の原因と有効な対策
178,058viewエコキュート貯湯タンクの設置スペース確保が必要
オール電化を導入する場合、エコキュートの貯湯タンクを設置するためのスペースを確保する必要があります。角型タイプの貯湯タンクの場合、幅と奥行は400~700mm程度です。奥行が狭い場所に設置したい場合は、薄型タイプを選択すると良いでしょう。
大量のお湯を消費時に湯切れを起こす場合も
オール電化を導入時、昼間に大量のお湯を消費すると、夜になったときにお湯切れを起こしてしまう場合があります。もしもお湯の使いすぎなどで貯湯タンクのお湯が切れてしまったら、【沸き増し】をおこなって新たにお湯を沸かしましょう。
調理の際に火力が落ちる?
オール電化を導入してガスコンロからIHクッキングヒーターに変更すると、火力に不満を感じるかもしれませんが、実際に火力が落ちている事はほとんどありません。ガスコンロの「強火」は最大でも約2.5kW相当の火力までしか出ませんが、最近のIHクッキングヒーターは3.0kWの火力まで出せる機種が多いためです。
ただし、フライパンを振る調理は、一部の機種を除いてIHクッキングヒーターでは対応していません。
火を使わないので子供の教育によくない?
オール電化住宅は調理などで火を使わなくなるので、子供が日常的に火を見る機会が減ってしまいます。そのため、お子様がいるご家庭では配慮が必要かもしれません。
IHクッキングヒーターの電磁波がペースメーカーに悪影響?
IHクッキングヒーターが発する電磁波が、ペースメーカーに悪影響を及ぼす懸念があるといわれています。もしご家族にペースメーカーを使用されている方がいる場合は、必ずかかりつけの専門医に相談をしましょう。
なお、IHクッキングヒーターの人体に対する影響については、こちらの記事をご覧ください。

ガスより高火力?IHクッキングヒーターのメリット・デメリット
38,095viewIHクッキングヒーター専用の調理器具が必要
オール電化を導入すると、IHクッキングヒーターに対応したフライパンや鍋が必要になります。また、調理時にIHクッキングヒーターの電源「ON/OFF」とレンジフードの換気開始を連動させたい場合は、IHクッキングヒーター対応のレンジフードが必要になります。
エコキュートのみ導入するメリット
ここでは、オール電化にはせず、エコキュートのみ導入してガスと併用するメリットについてご紹介します。
深夜電力契約をすることで光熱費が安くなる
先ほどもご紹介した、夜間の使用電力が安くなる電力プランを契約することで、エコキュートの電気代が安くなり、ガス給湯器の頃よりも全体の光熱費が下がる場合があります。
導入費用がエコキュートだけで済む
IHクッキングヒーターを導入しないので、導入費用がエコキュートのみで済みます。エコキュートの導入費用については、こちらで詳しく解説しています。

失敗したくない!エコキュート買い替えポイントと交換費用の相場
278,701viewエコキュートのみ導入するデメリット
ここでは、オール電化にはせず、エコキュートのみ導入してガスと併用するデメリットについてご紹介します。
ガス代も払い続けなければならない
エコキュートのみを導入して、料理等はガスコンロで行う場合、当然ながらガス代は払い続けなければいけません。オール電化のメリットで書いたような、光熱費の一本化をすることができません。
電気代が安くなる全電化住宅割引などの恩恵を受けられない
先ほどご紹介した、オール電化の場合のみ受けられる全電化住宅割引(東京電力)などの恩恵を受けることができません。そのため、オール電化にした場合よりも光熱費が高くなってしまう場合が多いです。
オール電化と太陽光発電・蓄電池で見えてきたエネルギーの自給自足
太陽光発電はこれまで、「売電」で収益をあげることを目的として、一般家庭に広がってきました。しかし、年々下がる売電価格や、国からの補助金打ち切りなど、売電による収益を目的にした導入は、今後少なくなっていくと予想されています。
そこでこれから導入する方のメリットは、オール電化と太陽光発電・蓄電池を用いることによって実現可能になる、エネルギーの自給自足です。これは太陽光発電で作りだした電気で日中の家庭の電気をまかない、夜間はオール電化の安い電力を使う、というものです。
しかし、これだけでは完全な自給自足にはなりません。雨天のときや夜間は、電気会社から電気を買うしかないからです。完全に自給自足を目指すなら、ここで蓄電池の導入が必要になります。昼間に発電した電力を蓄電池に蓄えておいて、夜間や雨天の日に使うことで、電力会社から電力を買うことなく、自給自足でエネルギーをまかなうことができるようになります。
オール電化+太陽光発電+蓄電池は、これまでの節電や売電とは違った、一歩先をゆく自給自足というエネルギーモデルです。
電力会社のオール電化プラン一覧
東京電力
スマートライフプラン |
基本料金(1kWあたり)
電力量料金(1kWhあたり)
|
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夜トク8 |
基本料金(1kWあたり)
電力量料金(1kWhあたり)
|
夜トク12 |
基本料金(1kWあたり)
電力量料金(1kWhあたり)
|
※電化上手、全電化住宅割引は、2016年3月で廃止になりました。
関西電力
はぴeタイム |
基本料金
電力量料金(1kWhあたり)
|
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九州電力
電化でナイト・セレクト |
基本料金
電力量料金(1kWhあたり)
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東北電力
よりそう+ナイト12 |
基本料金(主開閉器契約)
基本料金(実量契約)
電力量料金(1kWhあたり)
|
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よりそう+ナイト10 |
基本料金(主開閉器契約)
基本料金(実量契約)
電力量料金(1kWhあたり)
|
よりそう+ナイト8 |
基本料金(主開閉器契約)
基本料金(実量契約)
電力量料金(1kWhあたり)
|
北海道電力
ドリーム8 |
基本料金
電力量料金(1kWhあたり)
|
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沖縄電力
Eeらいふ |
基本料金
電力量料金(1kWhあたり)
|
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Eeプラン割引(全電化住宅割引) | 割引対象額×10% |
※上記の電力量料金は2016年5月現在の情報です。電力量料金は電力会社の判断により変動します。