エコキュートの騒音。低周波音被害の原因と有効な対策

エコキュートのヒートポンプから騒音(低周波音)が発生する原因や、人体への影響事例などを紹介。また騒音を抑えるための対策方法や、隣家に迷惑をかけないエコキュートの設置方法も解説。メーカー別の騒音(運転音)の大きさも、デシベル数で比較。

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こんな家はエコキュート騒音被害が起きやすい

エコキュートによる騒音被害は、どこの家でも起きるわけではなく、特定の条件下で発生しやすくなっています。

閑静な住宅街

近所に商業施設などが無く、交通量の多い道路や駅からも離れた静かな住宅街にお住まいの場合は、エコキュートの低周波音による騒音被害に注意してください。エコキュートは夜間にお湯を沸かす設定になっていることが多いため、周囲に音が少ない閑静な住宅街では、より低周波音が響きやすい場合があります。

隣家との間隔が狭い

隣家との距離も、エコキュートの騒音被害には重要な要素です。エコキュートと寝室との距離が2~3m程度しか離れておらず、エコキュートに何の対策も施していない場合、かなりの確率で低周波音による騒音被害が起きてしまうでしょう。

隣家のエコキュート騒音で悩んでいる時の対策

現在、お隣のエコキュートからの騒音被害で悩んでいる方に、対処法の一例をご紹介します。

手軽にできる対処方法

耳栓をする

低周波音は振動に近いため、耳栓によって緩和されない場合もありますが、気休め程度にひとまず耳栓をしてみるのも手です。

しばらく様子をみる

人によっては、毎日聞いていることで慣れしまう場合もあります。しばらく様子を見て、慣れることができそうかどうか判断するのもよいかもしれません。

ベッドの位置を変えてみる

部屋の模様替えを行い、ベッドの位置を窓からできるだけ遠くに設置することで、低周波音が届かなくなる場合もあります。

隣家に騒音について相談する

色々してみても効果が出ない場合は、お隣の人に直接、事情を説明しに行くことです。この場合、喧嘩腰でクレームを言いに行くような態度ではなく、あくまで相談する姿勢で接することが揉めないためには重要です。ただし、普段からご近所づきあいがあれば言いやすいですが、ご近所付き合いが浅かったり、引っ越してきたばかり等の場合は、より丁寧に事情を説明する必要があります。

すぐにできる対処法をまとめておく

お隣に相談に行ったとしても、誰もがエコキュートの騒音について知識があるわけではありません。まずは理解してもらうことが重要ですので、エコキュートの騒音について説明できるように、準備はしておきましょう。また、具体的にどうしてほしいのか、対策をまとめておきましょう。

エコキュートの騒音を軽減する有効な手段は以下の通りです。

  • ヒートポンプユニットの向きを変える。(自宅へ向かないようにする)
  • ヒートポンプを移動させる。(自宅から遠ざける)
  • ヒートポンプユニット(室外機)の下に緩衝材(制振材や発泡スチロール、マットなど)を敷いて、振動を抑える。
  • 防音シートをヒートポンプユニットに貼り付ける。

なお、お隣へ相談に行く場合は、ヒートポンプの移動にかかる工事費用や、緩衝材や防音シートは自分で購入していくのがスムーズだと思います。また、ヒートポンプの向きを変える程度であれば、設置場所にもよりますが、工事業者に依頼することなく自分たちだけで行える場合もあります。

最終手段として、告訴という選択肢も

もしもお隣へ相談してもうまくいかず、エコキュートから出る低周波音による健康被害が出ている場合は、最終手段として告訴があります。実際に、エコキュートの騒音が原因で健康被害を被った人による告訴が少なからずあります。

しかし、告訴して裁判となりますと、お金もエネルギーも消費してしまいますので、あまりオススメはできません。できるだけお隣との話し合いで解決するようにしましょう。

エコキュート騒音被害を出さない対策

エコキュートの騒音被害は、被害者になる場合もありますが、自宅のエコキュートが出す騒音でお隣が悩んでいる場合もあります。

エコキュート(ヒートポンプ)の設置場所を工夫

エコキュートを設置する場合は、隣家との距離を考えて、なるべく隣家から遠い場所に設置しましょう。理想としては隣家から5m以上離して設置するのがベストです。また、隣家に面していない方面へ設置するのも効果的です。なお、隣家との間に壁があっても、低周波音の被害は発生しますので注意が必要です。

隣家の間取りを考慮する

エコキュートの低周波音による騒音被害で多いのは、ヒートポンプユニットと非常に近い場所に隣家の寝室があるケースです。寝室との距離が2~3m程度しか無い場合、低周波による騒音被害をあたえてしまう場合があります。設置前には隣家を訪ねて事情を説明し間取りを聞いてみましょう。ヒートポンプと寝室の距離が近くなってしまう場合は、設置場所の変更などを検討しましょう。

もし、やむを得ず寝室近くに設置せざるを得ない場合は、ヒートポンプの向きを変えるなど、工夫することが大事です。なお、向きの変更はエコキュートを設置する際に、施工業者スタッフに言えば変えてくれるはずなので、お願いしてみましょう。

近隣住民に対する気遣いを忘れずに

自分がエコキュートの騒音被害で加害者になってしまうときに最も気をつけたいのは「相手に言われるまで騒音被害を出していることに気付かない」という点です。

エコキュートを設置する際は、上記で紹介した対策を施すことも重要ですが、やむを得ずヒートポンプユニットを向けている住宅には挨拶に行き、「騒音があればすぐに言ってください」と一言伝えておくだけでも、騒音トラブルは避けられるでしょう。

エコキュートの騒音トラブルを防ぐには、「自分が加害者になってしまうかもしれない」という意識を持ち、周りの人への気遣いを忘れないことがなによりも重要です。

エコキュートの騒音を抑えるために出来るその他の工夫

ヒートポンプユニットを隣家のない場所へ設置・移動したり、向きを変更することも、隣家への低周波音被害を防ぐには有効な手段ですが、それ以外にも有効な方法がありますのでご紹介します。

ヒートポンプユニットの下に緩衝材を敷く

緩衝材(制振材や発泡スチロール、マットなど)を敷くことにより、ヒートポンプユニットが揺れにくくなり、基礎コンクリートとエコキュートの脚がぶつかる回数が減り、低周波音の増幅を抑える効果が期待できます。

コレがおすすめ!エコキュートの騒音を抑える緩衝材

TRUSCO 防振パット OHS10100
防振(揺れを防ぐ)性に優れているうえに、とても安価でオススメです。一個のサイズは10cm×10cmと小さいため、何個か買ってヒートポンプユニットの下に敷きましょう。

因幡電工 防振パット 振動伝達防止用緩衝材 GPS-50-50(10個入り)
10個入りの防振パットでで、ヒートポンプユニットの下に敷くことで防振、防音効果があります。また材質にクロロブレンゴムを使用しているため、耐候性、耐熱性に優れています。

防音シートをヒートポンプユニットに貼り付ける

ガス給湯器用の防音シートなどを、ヒートポンプに貼り付けることによって、低周波音が抑えられる場合もあります。ただし、ヒートポンプのファンや、排気口などを防音シートで塞がないように注意しましょう。

コレがおすすめ!エコキュートの騒音を抑える防音シート

日本特殊塗料 防音一番オトナシート(5枚入り)
30cm×40cmの防音シートが5枚入っています。使い方は簡単で、裏面を剥がしてヒートポンプユニットに貼り付けるだけ。お値段も高くないのでオススメです。

ワイドワーク 防音防振制振鉛シート PL-43050-S
柔らかい素材で出来ており、共振周波数をもたまないため、防音効果に期待できます。鉛の表面は特殊フィルム加工されており、錆びにくく、厚さも0.3mmのためハサミなどで自由にカットすることができます。