ビルトイン食洗機の取り付け後付け条件と工事内容

ビルトイン食洗器を後付けしたい!と考えている方必見。家のキッチンはビルトイン食洗器が設置できるの?設置にはいくらぐらいの工事費が必要?工事は1日で終わるの?食洗機はキッチンの色と合わせられるの?DIYはできる?といった疑問にお応えします!

30,485view

最終更新:

ビルトイン食洗機の取り付け後付け条件と工事内容

目次

どんなキッチンでもビルトイン食洗機は設置できるの?

ビルトイン食洗機は食洗機が入るスペースを確保できれば基本的には、「設置可能」です。

キッチンは大きくわけて、2種類のキッチンがあります。タカラスタンダードやクリナップのようなメーカー品のシステムキッチンと、設計士などによるオリジナル造作キッチンの2タイプです。

システムキッチンの場合は、食洗器を後付けする規定の寸法以上があれば後付けは可能です。造作のオリジナルキッチンの場合や、特殊なシステムキッチン(トーヨーキッチンやキッチンハウスの高級グレード等)は、設置された住宅会社に相談することが一番かと思います。

既存のキッチンへの設置は、寸法さえ合えば基本的に設置可能

既存のキッチンに、ビルトイン食洗機を設置したい場合は、寸法・キッチン本体構造・給水排水管などが複雑に絡んできます。
しかし、基本的には設置するスペースが確保できれば設置自体は可能です。

ビルトイン食洗機の設置に必要な空間寸法

  • キッチン奥行:650mm以上
  • キッチン本体キャビネット奥行:600mm以上
  • キッチン(キャビネット高さ):750mm以上
  • キッチン収納キャビネット幅:450mmもしくは600mm

上記は、パナソニック食洗機の場合です。メーカーが異なる場合は都度ご確認ください。
また上記寸法が確保できない場合は、シンク下へ設置になります。必要寸法はこちらをご確認ください。

マンション購入時にオプションで食洗機を選択できた家は大体設置できる

マンション購入時にオプションで食洗機を追加できたご家庭の場合、ほぼ食洗機の後付け設置が可能です。
また、設置に必要な電源や排水といった設備が備わっている場合も多く、基本的な設置工事費用だけで済みます。
採用しているメーカーやキッチンのグレードによって構造が異なってくるので、確認は必要です。

キッチンの収納部分が一体型の場合、設置工事が割高に

システムキッチンは、「キャビネット」と呼ばれる箱で分割して本体が構成されています。

そして、ビルトイン食洗機が入るサイズは、幅450mmもしくは幅600mm、奥行(キッチン本体奥行)は600mmもしくは650mm以上が必要になります。

キッチンは引き出し寸法ごとに分割されている「分割型」と、1つのキャビネットが複数の引き出しにまたがって構成されている「一体型」の2種類があります。

「分割型」の場合、例えば幅450mm・奥行650mmのキッチンのキャビネットがそのままスッポリ抜くことができれば、食洗機の設置はそこまで難しくはありません。

しかし、1つのキャビネットが大きいサイズで構成されている「一体型」の場合は、キャビネットの一部を現場で分割して設置することになります。入れ替えるだけで良ければ、施工費用も標準施工として行えますが、「一体型」の場合は、分割工事の手間の分、施工費が割高になる可能性が高いです。

また、幅750mmのキャビネットの場合は、幅450mmの食洗機と幅300mmの収納を新しく設置して幅750mmのキャビネットを入れ替えることも可能です。
設置自体はできるので、工事費用の見積を一度相談してみると良いでしょう。

シンク下に設置するパターンもある

後ほど詳しく解説しますが、シンク下が開き扉で寸法が規定以上確保できる場合は、シンク下に設置することもできます。
ただし、シンク下の設置は、キッチン自体も設置できるキッチンが限られていることや、設置できる機種も限られている点は注意点になります。

シンク下設置に関しては、後ほど詳しく解説しています。

シンク下の設置ができる機種

  • パナソニック:ミドルタイプの機種
  • リンナイ:後付けスライドオープンタイプ

こんな家にはビルトイン食洗機の設置が難しい

設置に必要な寸法が足りない

先ほど解説した通りではありますが、基本的にビルトイン食洗機が入るサイズは、

  • 幅450mmもしくは600mm
  • 奥行(キッチン奥行)650mm以上
  • 奥行(キャビネット奥行)600mm以上
  • 高さ(カウンターを除くキャビネット)750mm以上

が必要になります。

キッチン本体の寸法が幅1800mm以下の場合や、幅2100mm以上の寸法があってもシンクやコンロが中央に寄っており、中央に幅450mm以上の幅が確保できない場合は設置ができません。
また、ほとんどないと思われますが、キッチンの奥行が600mm以下の場合も設置できません。

コンロ、シンク、調理台が分かれた「セクショナルキッチン」

「セクショナルキッチン」とは、わかりやすく説明すると「コンロ置き台が、調理台より下がっているキッチン」です。コンロがビルトイン型ではなく、置き型のコンロを設置するキッチンです。
このキッチンの場合は、ほとんどの場合で設置空間の寸法不足が発生するため、設置不可となっています。

賃貸はビルトイン食洗機は基本不可

賃貸に関しては、キッチンは管理会社・大家での管理のため設置することは不可です
大家さんや管理会社の許可があり、自費負担で設置する場合はこの限りではありませんが、基本的にはNGのところがほとんどです。
間違ってもビルトイン食洗機の無断設置は避けましょう。どうしても賃貸で食洗機がほしいという方は、卓上(据え置き)型食洗機、タンク式食洗機をご検討ください。

【関連記事】オススメの卓上食洗機・タンク式食洗機は、下記リンクの記事で紹介しています。

キッチンのどこにでもビルトイン食洗機は設置できるの?

通常はキッチンの「収納部分」を無くして、食洗機を埋め込む

キッチンの引き出し収納や、開き収納部分を、食洗機キャビネットへ入れ替えを行います
ビルトイン食洗機は、幅450mmもしくは600mmのものがほとんどです。その寸法に合った引き出しや、開き収納が、コンロとシンクの間のキッチン中央部、もしくはシンクより外側に幅450mm以上の寸法があれば、そこに組み込みます。
その分、収納は無くなってしまいますが、食洗機自体が洗った後には収納の役割にもなります。

シンク(流し)の下への設置はスペースを確保できれば可能

収納が幅450mm以上ない!流しの下のデッドスペースを活用したい!といった場合はシンクの下に、ビルトイン食洗機を設置することもできます。各、寸法の細かい規定があります。

パナソニック食洗機のシンク下設置条件

  • キッチンの奥行が650mm以上
  • シンク下のキャビネットが開き扉かつ、扉1枚の横幅が450mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の奥行600mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の幅が415mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の高さが470mm以上

(いずれも排水トラップ等に当たらないかどうか確認)

上記の5点が全てクリアされていないと設置ができませんので、ご注意ください。

リンナイ食洗機のシンク下設置条件

  • シンク下のキャビネットが開き扉かつ、扉1枚の横幅が450mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の奥行550mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の幅が415mm以上
  • シンク下キャビネットの収納部内、食洗機を入れる箇所の高さが470mm以上

(いずれも排水トラップ等に当たらないかどうか確認)

上記の4点が全てクリアされていないと設置ができませんので、ご注意ください。

シンク下設置用の別売りキット

パナソニックとリンナイで、シンク下設置専用部材のセットが販売されています。設置の際には、こちらを同時に購入してください。

  • パナソニック・シンク下設置部材キット:N-KH450S(シルバー用・25,000円)・N-KH450K(ブラック用・20,000円)
  • リンナイ シンク下設置対応:延長用排水ホース(1,900円)・排水分岐管(1,600円)・異径ソケット(1,300円)

食洗機設置で余ったスペースを新しい収納として活用することも

ビルトイン食洗機を後付けする時、食洗機と入れ替えるキッチン下の収納部分(キャビネット)が幅750mmのキャビネットしかない場合、幅450mmの食洗機と幅300mmの収納をセットで入れ替える方法があります。
ただし、注意点としては現行販売されているキッチンであれば、扉面材の色が合わせることができますが、販売終了してしまっているシリーズはぴったり合う色がなかったりします。
ない場合は、近似色の扉面材で合わせることで解決します。

オープントップ食洗機からの交換も可能!

現在使われている食洗機が、オープントップ食洗機(キッチンの天板部分が開くタイプ)の場合、後継機種が販売されておりません。そのため、引き出し式かフロントオープンの「前から取り出す方式」への交換になります。

そのまま同じ型での入れ替えはできなくとも、専用の天板部分を塞ぐ部材で、天板をフラットにして、食洗機を入れ替え対応できますので、ご安心ください。

ビルトイン食洗機の設置工事の流れ

「現地調査」で事前に食洗機が設置できるか確認

まずは工事前の現地調査で、食洗機が設置できるか?必要な工事や部材を確認します。
目安としては寸法が幅2100mm以上ある一般的なシステムキッチンであれば、おおよそ施工は可能です。しかし中には追加工事が必要な場合や、設置できないキッチンもあるので

  • キッチン構成
  • 設置箇所の寸法
  • 電源
  • 給排水

の確認を行います。

そして、現地調査後に見積り金額が確定します。店舗によっては現地調査無しで、工事当日に追加工事費を請求される場合もありますので、できれば事前に見積金額を提示してもらうようにしましょう。

キャビネットを外す

食洗機を入れ替える箇所のキャビネットを、枠ごと外します。隣がガスコンロの場合は添木などで補強をしながら、食洗機を入れるスペースを作っていきます。
食洗機用のコンセントがない場合は、コンセントの工事も行います。

下部キャビネット(脚)の設置

食洗機を載せるための、下部のキャビネットを設置します。このキャビネットで、食洗機と接続するための空間を確保します。

給湯(水)・排水の分岐工事

予め分岐がされていない場合は、シンク下のキャビネットにある給排水管を分岐させます。この給排水を食洗機側へもっていきます。この時、通常の設置業者は、基本「給湯管(お湯)」へ接続します。

給湯(水)管は、途中に分岐水栓を挿入して、そこからフレキ管と呼ばれる自由に曲がる配管を使って食洗機側へもっていきます。排水管も同様に、食洗器側へ配管を持っていきます。

給湯配管(お湯)を食洗機に接続するメリットは?

食洗機では、食洗機本体に給水された水を約60℃~最大80℃に温めて、その高温のお湯を使って食器を洗います。
そのため、給湯に接続した場合は、食洗機で水を温める時間が短縮されて「洗浄時間の短縮」「省エネ」という考え方があります。

水と接続する場合と比較すると、メーカーや洗浄コースにもよりますが、運転時間を20分程度短縮することができます。

これを聞くと「お湯に接続した方がトク!」と思う方が多いですが、実はそうとも限りません。

通常はお湯が出るまで時間がかかる

キッチンや洗面、お風呂などでお湯を使う場合に皆さん経験があると思いますが、お湯の出し始めはしばらく冷たい水が出ます。
直前までお湯を使っていれば別ですが、使い始めのしばらくの間は水です。

最初に食洗機内部に貯める水量自体は10Lもありません。そのため、温かいお湯が届く前に、食洗機に貯めるべき水量に達して、せっかく給湯機を作動させてお湯を作っても、食洗機のヒーターのエネルギー効率を上げるのに役立つ可能性は低くなってしまいます。
以上から、食洗機の給水は水の方が「ガス代」を無駄にせずお得だった…という可能性があります。

こんなご家庭は水での給水接続を検討

  • キッチンから給湯器が離れている
  • タイマーで食洗機を運転させるなど、直前にお湯を使わない

給湯器からキッチンが近い場合など、お湯を出し始めてからすぐお湯が出るご家庭は、気にされなくていいかと思います。

ただ、給湯器からキッチンが離れている場合や、深夜電力の安い電力で食洗機を回すなど、予めセットした食洗機を「タイマー」で運転させる場合は、「お湯」の給水接続にしても、出し始めは水が出ることになり、ガス代が無駄になる可能性があります。

お家の状況や、使い方を考慮して、気になる方はビルトイン食洗機の設置前に業者に相談してみるのがよろしいかと思います。

食洗機本体をセット

配管が整ったら食洗機本体をセットします。下部キャビネットから潜り込んで、配管と電源を接続していきます。

設置完了

設置はおおよそ、大がかりな工事がなければ2~3時間で完了します。

ビルトイン食洗機の工事費用

新規で食洗機を設置する基本工事費は35,000円~

基本工事費に含まれる項目は、

  • 食洗機設置費(給排水接続)
  • キャビネット処分
  • 出張費

業者によって、基本が異なる場合がありますので、見積をもらった際に確認しましょう。

既存の食洗機から交換する基本工事費は35,000円~

既存の食洗機からの交換でも、新規設置した場合と費用に変わりはありません。
ただし、新規設置時のような電源分岐、給排水管の新設のような追加工事費が発生する可能性は低いです。

追加で工事が必要な場合の工事内容と金額

給水の分岐水栓:8,000円~10,000円

食洗機に給水をもってくるために、シンク下の水栓にいっている給水管を分岐する工事です。

食洗機用の排水管:8,000円~10,000円

食洗機は、洗った水を排水しないといけないので、元々のキッチンの排水へ食洗機の排水を接続する工事です。

電源分岐:約10,000円~

食洗機は、電源が必要になっています。コンセント式がほとんどのため、キッチン内部にコンセントを設置する工事です。

専用電源:約30,000円~

食洗機は、水を温めて高温のお湯をつくるため、電気を一時的に消費する電力が高いです。どこかの回路から分岐できれば良いですが、電力オーバーになる場合は、分電盤に1つ回路を作る工事なります。(電源分岐工事で済むケースが多いです)

破棄処分費

既存のキャビネットの処分は、基本工事費に含まれている業者が多いです。

トップオープン入れ替え:約40,000円~

キッチンの天板を開けて、上から食器を入れるタイプの食洗機の入替時の工事です。現在、トップオープンの食洗機はないため、正面出しの食洗機への入替工事です。天板をふさいだりする工事になります。

「面材」と「パネル(化粧板)」の設置費用

食洗機本体に設置する正面のドアパネル(化粧板)の設置工事がありますが、標準工事費に含まれることが多いです。

※面材の材料費:数万円~
※ドアパネルの材料費:約5,000円~(本体)・約5,000円~(下部キャビネット)

食洗機全面の「面材」と「パネル(化粧板)」の違い

ビルトイン食洗器は、基本的に正面のドアパネル(化粧板)が別売りになっています。
別売りになっている理由は、キッチンの面材をはめこんで同じ色でコーディネートすることが通例だからです。(パナソニックの入替専用品NP-45MC6Tのみ、シルバー面材が最初から付いている)

ビルトイン食洗器には、「面材タイプ」と「ドアパネルタイプ」の2種類があります。
見た目の違いは、面材タイプは四方に枠がなく、すっきりとしたスマートな印象が出せます。ドアパネルタイプは四方に枠があります。

面材タイプは、基本的にキッチンの面材をそのまま食洗器に貼り付けます。この面材は、食洗器に同梱されてきませんので、別途手配するしかありません。
食洗器業者で手配が可能な業者か、キッチンを買った業者を通じてキッチンメーカーに作ってもらうことになります。費用は数万円程度かかり、現行品でないと納期が1ヵ月以上かかったり、同じ色を生産していない等の問題が発生することもあります。

また、面材タイプは、この正面の面材がないと、食洗器の中身が丸見えになってしまい、使用することができないです。

ドアパネルタイプも、食洗器本体にはドアパネルを同梱していないため、同時にメーカー品を購入するか、ネットなどでも販売されています。
ドアパネルは、厚さが約3mmの化粧版になり、両面テープと四方の枠で固定して取付を行います。ドアパネルタイプは、最悪ドアパネルなしでも食洗器の使用自体は可能です。

既存食洗機からの取り換えの場合、パネルを再利用できる場合もありますので、既存食洗器からの入替の場合は、食洗器のメーカーや形(浅型かディープ型/幅450mmか600mmか)を変えなければ、基本的には再利用が可能です。

収納一体型キッチンへのビルトイン食洗機の設置

1つのキャビネットが大きいサイズで構成されている「一体型キッチン」と、引き出しごとにキャビネットが分かれている「分割型キッチン」の2種類があります。
分割型は、キャビネットをそのまま抜くだけで良いですが、追加で加工が必要な「一体型キッチン」への取付方法です。

そのままでは設置ができないため、キッチンのキャビネットを改造して取付を行います。

分割型か一体型か、の見極めポイント

後付けのビルトイン食洗機は、コンロとシンクの間の中央部もしくはシンク横への設置が主流です。まずは中央部もしくはシンク横のキャビネットがどこで分割されているか、を確認します。

一番わかりやすいポイントは、「底板と側板」と「キッチン下部の切れ目」です。

底板が隣のキャビネットと縁が切れている、側板(縦板)が隣にキャビネットと重なっている場合、このキッチンは「分割型」です。
反対に、底板が隣のキャビネットとつながっている、側板が隣のキャビネットと共有している(1枚の板で隣との仕切りになっている)場合は、「一体型」です。

また、キッチンを正面から見て一番下の蹴込部に切れ目があることもあるので、そこでも判断できます。ただし、巾木と呼ばれるもので化粧している場合、切れ目を上から隠していることも考えられますので、「下に切れ目がない」という場合は、「底板と側板」も確認してみてください。

一体型のメーカー・シリーズ

下記のメーカー・シリーズの場合、一体型の可能性が高いため要確認です。

  • キッチンハウスの一部商品
  • ファーストプラスの一部商品
  • ハウステックの一部商品
  • LIXILのASシリーズ・シエラシリーズ

収納一体型キッチンへの工事手順

「現地調査」で事前に食洗機が設置できるか確認

まずは工事前の現地調査で、食洗機が設置できるか?必要な工事や部材を確認します。目安としては寸法が幅2100mm以上ある一般的なシステムキッチンであれば、おおよそ施工は可能です。しかし、キャビネット構成や給排水管の位置確認などを行います。

そして、現地調査後に見積り金額が確定します。店舗によっては現地調査無しで、工事当日に追加工事費を請求される場合もありますので、できれば事前に見積金額を提示してもらうようにしましょう。

キャビネットをカットし外す

食洗機を入れ替える箇所のキャビネットを、分割できるようにカットします。特に一体型の場合は、元々大きいキャビネットをカットし、食洗機を入れるスペースを確保します。

食洗機用のコンセントがない場合は、コンセントの工事も行います。

隣接の新規の収納キャビネットを設置する場合

例えば幅750mmのキャビネットを取り除いた場合は、幅300mmの収納キャビネットを入れ込みます。残りの幅450mmの部分に食洗機をセットしていきます。

下部キャビネット(脚)の設置

食洗機を載せるための、下部のキャビネットを設置します。このキャビネットで、食洗機と接続するための空間を確保します。

給湯(水)・排水の分岐工事

予め分岐がされていない場合は、シンク下のキャビネットにある給排水管を分岐させます。この給排水を食洗機側へもっていきます。この時、給湯管を接続する場合もあります。
給水(湯)管は、途中に分岐水栓を挿入して、そこからフレキ管と呼ばれる自由に曲がる配管を使って食洗機側へもっていきます。排水管も同様に、食洗器側へ配管を持っていきます。

食洗機本体をセット

配管が整ったら食洗機本体をセットします。下部キャビネットから潜り込んで、配管と電源を接続していきます。

設置完了

設置はおおよそ、3時間~長くて半日で完了します。

ディープタイプ食洗機の下に収納スペースを設置できる業者も

ディープタイプ(深型)食洗機は通常、食洗機本体の下部は給排水の設置場所となっており、引き出しではない場合が多いです。
しかし条件次第では、食洗機本体の下部を引き出しにすることもできます

条件は、業者によって異なる場合がありますが、おおよそ

  • 新規設置は可
  • 取り換えの場合は、フロントオープンタイプからの取り替えのみ可

となっています。

食洗機で収納が減ってしまうので、できるだけ収納をキッチン本体に確保したい!という方はおすすめです。

「ディープタイプ」と「ミドルタイプ」の違い

食洗機のカタログに記載されている「ディープタイプ」と「ミドルタイプ」ですが、食洗機自体の大きさと、食洗機に入る食器の量が異なります。

パナソニックのカタログでは、

  • ディープタイプ:44点(約6人分)
  • ミドルタイプ:40点(約5人分)

となっています。

ミドルタイプでは、鍋やフライパンを洗おうとすると、入らなかったり他の食器がほとんど入らない場合があります。4人以上の家族の場合は、余裕を持ってディープタイプの方がおすすめです

また見た目としては、ディープタイプとミドルタイプでは正面パネルの大きさが異なります。入る食器量が異なるため、本体深さも伴って異なってきます。
これにより、正面から見た本体の高さが異なります。今までミドルタイプを使っていた方が、ディープタイプに買い替えをされると、キッチン本体扉との横のラインが同じにならない、といったデメリットも発生します。(見た目だけで機能的には全く問題ありません)

オープントップ食洗機からの交換

「オープントップ」とは、キッチンの天板が開いて、上から食器を入れる食洗機です。
現在は、どこのメーカーも販売終了しており、同じタイプへの入れ替えができません
そこで、故障や入れ替えの際には、正面から取り出す食洗機へ入れ替えをします。

工事方法

まず正面の扉材や丁番を外します。そのあとに、天板に設置されているふたや、化粧カバーを取り外します。そして給排水管や電源の取り外しを行ってから、本体を抜き取る作業へ移ります。

天板の取付板を取り外し、続いてコーキングなどを取り除き、最後に操作パネルを取り外します。

追加工事費用

  • トップオープンからの入れ替え工事:約10,000円~(オプション料金)
  • 部材費用:約25,000円~約50,000円(パナソニック専用部材・定価)

ビルトイン食洗機の設置に必要な時間

工事前の現地調査の時間:約30分

食洗機が設置できるかどうかや、電源・給排水等の追加工事が必要かどうかご自宅のキッチンを調査します。
その際、キッチン下に収納している物を外に出す必要がありますので、ご注意ください。

面材にした場合の取り寄せ加工までの時間:数週間~長くて数か月

食洗機の前面パネルをお使いのキッチンと色を合わせられる「面材」タイプの場合、メーカーから取り寄せ・加工するのに数週間から、場合によっては数か月の時間を要する場合があります。

基本は、面材が出来上がってきてからの工事になります。

食洗機の工事当日の所要時間

  • 新規で食洗機を設置:2~3時間
  • 既存食洗機からの入れ替え:2~3時間
  • 電源工事等が追加工事が必要な場合:1時間~2時間
  • トップオープン食洗機からの入れ替え:3時間~長くて半日
  • 一体型のキャビネット加工が必要な場合:3時間~長くて半日

ビルトイン食洗機のDIYはオススメしない

ビルトイン食洗機のDIYはできなくはありませんが、おすすめしません
ビルトイン食洗機の場合は、一体型キッチンで伝えたように、キッチンのキャビネット構成を理解していること、キャビネット強度を確保しつつ、入れ替えを行う必要があります。

そして、給排水のつなぎ工事があります。
DIYで部材を買ってきて、自分で工事ができなくはないですが、水漏れの危険性を考えると、その後のリスクの方が大きいです。特にマンションで漏水してしまった場合、下の階に被害が出てしまうトラブルにもなりますのでご注意ください。
また、電源がない場合に電源を設置する場合は、電気工事士の資格が必要です。
このような理由から、基本的にはビルトイン食洗機の注文と同時に、設置工事もできる業者を探してみてください。