【2026年最新】トイレ交換・便器交換の費用相場と選び方|種類別の特徴から業者選びまで完全ガイド
目次
トイレの便器交換を検討すべきタイミングとは
「トイレの調子が悪いけど、修理と交換どちらがいいんだろう?」と迷っている方は多いのではないでしょうか。
まずは、便器交換を検討すべきタイミングや判断基準について解説します。自分の家のトイレが交換時期に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
便器の寿命は何年?交換時期の目安
便器に使われている陶器そのものは、割れたりしない限り約100年もつと言われています。しかし、トイレは陶器だけでできているわけではありません。
タンク内部のボールタップやフロートバルブ、便器と床をつなぐパッキンなどの内部部品の寿命は10〜20年程度です。これらの部品が劣化すると、水漏れや流れの悪さなどのトラブルが起こりやすくなります。
こうした点をふまえると、トイレ全体の交換目安は、設置から15〜20年程度が一般的です。ただし、家族の人数が多く使用頻度が高い場合は、もう少し早く交換時期が来ることもあります。
こんな症状が出たら便器交換のサイン
以下のような症状が出ている場合は、修理ではなく便器交換を検討した方がよいでしょう。
- 水漏れが何度も起きる(タンクの下や、便器と床の接合部からの水漏れ)
- 便器にひび割れや欠けがある(陶器のひび割れは修理がむずかしく、放置すると漏水の原因に)
- 修理しても不具合がくり返し起きる(部品の寿命が全体的に来ている可能性が高い)
- 掃除しても汚れが落ちにくくなった(表面のコーティングが劣化しているサイン)
- いやなにおいが取れない(尿石の蓄積や、排水管の劣化が原因の可能性)
1つでも当てはまる場合は、一度業者に相談してみることをおすすめします。
修理と交換、どちらがお得?判断基準
「まだ修理で使い続けられるのでは?」と考える方も多いでしょう。修理と交換、どちらを選ぶべきか判断するポイントを整理します。
タンク内の部品交換やパッキンの取り替えなど、部品交換で済む修理であれば数千円〜2万円程度で対応できます。まだ設置から10年以内であれば、修理で対応するのが経済的です。
一方、設置から15年以上たっている場合は、交換した方がトータルコストで有利になりやすいと言えます。その理由は、修理をくり返すと費用がかさむだけでなく、最新の便器に交換することで水道代を大きく節約できるためです。
たとえば、20年以上前のトイレは1回の洗浄に約13Lの水を使いますが、最新の便器は3.8〜4.8L程度で洗浄できます。
TOTOの最新トイレ「ネオレスト」は、従来品(13L)と比べて約71%の節水を実現。大洗浄3.8L、小洗浄3.3Lの超節水設計です。
水道代の節約分を考えると、10年、20年の長い目で見れば交換の方がお得になるケースが多いのです。
便器の種類と特徴を比較|自宅に合うトイレはどれ?
便器にはいくつかの種類があり、それぞれ価格帯や特徴がことなります。ここでは代表的な4つのタイプを解説しますので、自分の家に合うものを見つける参考にしてください。
組み合わせ便器(セパレートタイプ)の特徴と価格帯
組み合わせ便器とは、便器・タンク・便座をそれぞれ別々に選んで組み合わせるタイプのトイレです。もっともスタンダードな形で、多くの家庭で使われています。
メリット
- 本体価格がもっとも安い
- 便座だけ、タンク内部品だけなど部品ごとの交換が可能
- 便座を好みのグレードに自由に選べる
デメリット
- パーツの継ぎ目が多く、掃除がしにくい
- デザイン性はほかのタイプにくらべてやや劣る
本体価格の目安:3万〜10万円程度(便座別売りの場合あり)
一体型トイレの特徴と価格帯
一体型トイレは、便器・タンク・便座が1つにまとまったタイプです。パーツ間の継ぎ目が少なく、すっきりとした見た目が特徴です。
メリット
- 継ぎ目が少なく掃除がしやすい
- デザインが統一されていて見た目がきれい
デメリット
- 便座部分が故障した場合、メーカー専用品での修理が必要
- 組み合わせタイプより価格が高い
本体価格の目安:10万〜25万円程度
タンクレストイレの特徴と価格帯
タンクレストイレは、その名のとおり水をためるタンクがないタイプのトイレです。水道から直接水を引いて洗浄するしくみで、コンパクトでスタイリッシュなデザインが人気です。
メリット
- タンクがないぶんコンパクトで、トイレ空間が広く使える
- デザイン性が高く、高級感がある
デメリット
- 水道の水圧が低い住宅では設置できない場合がある(マンションの高層階など)
- タンク上の手洗いがないため、手洗い場を別に設ける必要がある
- 停電時に自動で水を流せない(手動レバーで対応できる機種もあり)
本体価格の目安:15万〜35万円程度
収納一体型(システムトイレ)の特徴と価格帯
収納一体型トイレ(システムトイレ)は、手洗い器や収納キャビネットが一体になったタイプです。トイレまわりの小物や掃除用品をすっきり収納でき、限られたスペースを有効活用できます。
メリット
- 手洗い器と収納が一体で、狭いトイレ空間を有効活用できる
- 配管が隠れるため見た目がすっきりする
デメリット
- 本体価格が高めで、選べるデザインが限られる
- 設置にはある程度のスペースが必要
本体価格の目安:15万〜30万円程度
【比較表】便器タイプ別の価格・特徴まとめ
| 項目 | 組み合わせ便器 |
|---|---|
| 本体価格帯 | 3万〜10万円 |
| 掃除のしやすさ | △(継ぎ目が多い) |
| デザイン性 | △ |
| メンテナンス性 | ◎(部品ごとに交換可能) |
| 項目 | 一体型トイレ |
|---|---|
| 本体価格帯 | 10万〜25万円 |
| 掃除のしやすさ | ○(継ぎ目が少ない) |
| デザイン性 | ○ |
| メンテナンス性 | △(メーカー専用品が必要) |
| 項目 | タンクレストイレ |
|---|---|
| 本体価格帯 | 15万〜35万円 |
| 掃除のしやすさ | ◎(凹凸が少ない) |
| デザイン性 | ◎ |
| メンテナンス性 | △(丸ごと交換が基本) |
| 項目 | 収納一体型(システムトイレ) |
|---|---|
| 本体価格帯 | 15万〜30万円 |
| 掃除のしやすさ | ○ |
| デザイン性 | ◎ |
| メンテナンス性 | ○ |
家族構成やライフスタイル別のおすすめは次のとおりです。
- 費用をおさえたい方・賃貸オーナー → 組み合わせ便器
- 掃除のしやすさを重視する子育て世帯 → 一体型トイレ
- デザイン重視・来客が多い家庭 → タンクレストイレ
- 狭いトイレを有効活用したい方・高齢者のいる家庭 → 収納一体型(システムトイレ)
トイレ交換・便器交換の費用相場|工事費込みの総額は?
トイレ交換・便器交換の費用は、選ぶ便器の種類や工事内容によって大きく変わります。ここでは、工事費込みの総額の相場をわかりやすくまとめます。
便器の種類別|交換費用の相場一覧
便器の種類ごとに、本体価格+基本工事費を合わせた総額の目安は以下のとおりです。
| 便器の種類 | 交換費用の目安(税込) |
|---|---|
| 組み合わせ便器 | 約5万〜15万円 |
| 一体型トイレ | 約12万〜30万円 |
| タンクレストイレ | 約20万〜40万円 |
| 収納一体型 | 約20万〜40万円 |
上記はあくまで一般的な相場です。既存トイレの状態や、配管工事・内装工事の有無によって大きく変動します。正確な金額は必ず業者に見積もりを依頼してください。
工事費の内訳|何にいくらかかる?
トイレ交換の工事費は、おもに以下の項目で構成されています。
- 基本取付工事費:2万〜5万円程度(便器の設置・接続作業)
- 既存便器の撤去・処分費:3,000〜1万円程度
- 給排水管の調整費:1万〜3万円程度(配管の位置変更が必要な場合)
- 床材の張り替え:2万〜5万円程度(クッションフロアの場合)
- 壁紙の張り替え:2万〜4万円程度
床材や壁紙の張り替えは必須ではありませんが、便器を外すと旧便器の跡が残るため、同時に行う方が仕上がりもきれいでコストパフォーマンスも良くなります。
和式から洋式への交換は費用が高くなる?
和式トイレから洋式トイレへの交換は、通常の便器交換よりも大がかりな工事が必要です。
和式トイレは床に段差があることが多く、この段差を解消するための床の解体・再構築が必要になります。さらに、給排水管の位置を変更する工事も発生するケースがほとんどです。
和式から洋式への交換費用の目安は、15万〜50万円程度です。トイレ空間の広さや、段差の状態、配管の状況などによって費用は大きく変わります。
なお、バリアフリー化を目的とした和式から洋式への交換は、介護保険の住宅改修費の対象になる場合があります。
トイレ交換の費用を抑えるコツ
トイレ交換の費用をできるだけおさえるには、以下のポイントを意識しましょう。
- 型落ちモデルやアウトレット品をねらう…新モデル発売後は旧モデルが値下がりすることが多い
- 複数の業者から相見積もりを取る…最低3社から見積もりを取ることで相場感がつかめる
- 部分交換で済むか検討する…便座のみ、タンク内部品のみの交換で対応できる場合はコストを大幅におさえられる
- 補助金・助成金制度を活用する…介護保険の住宅改修費やお住まいの自治体の助成金が使えるケースがある
要介護・要支援の認定を受けている方が住む住宅で、和式から洋式への便器交換などのバリアフリー工事を行う場合、上限20万円の工事費に対して最大9割(18万円)が支給される制度があります。
利用するには事前申請が必要ですので、担当のケアマネジャーや市区町村の窓口に相談してください。
居宅介護住宅改修費の支給限度基準額は、20万円です。
失敗しない便器の選び方|5つのチェックポイント
便器の種類と費用相場がわかったところで、次は具体的な便器の選び方を見ていきましょう。以下の5つのポイントを事前にチェックすれば、「買ったのに設置できなかった」「思っていたのとちがった」という失敗を防げます。
排水方式(床排水・壁排水)を確認する
便器を選ぶうえでもっとも重要なのが「排水方式」の確認です。排水方式を間違えると、そもそも便器を設置することができません。
トイレの汚水をどの方向に流すかの方式のことです。大きく分けて2種類あります。
床排水:排水管が床の下を通っている方式。戸建て住宅に多く見られます。
壁排水:排水管が壁の中を通っている方式。マンションに多く見られます。
また、排水管の中心から壁までの距離を「排水芯」と言い、床排水の場合は200mmが一般的です。この排水芯の位置も事前に測定しておく必要があります。
自分で測るのが不安な場合は、業者の現地調査で確認してもらいましょう。
トイレ空間のサイズを測る
便器のサイズとトイレ空間の広さが合っていないと、設置できなかったり使い勝手が悪くなったりします。事前に以下の点を確認しましょう。
- トイレ室内の奥行き・幅・天井高を測る
- ドアの開閉スペースと新しい便器が干渉しないか確認する
- タンクレストイレを選ぶ場合は、別途手洗い器を置くスペースがあるか確認する
とくにコンパクトなトイレ空間の場合は、便器の奥行きが重要です。カタログやメーカーサイトに記載されている寸法図を参考にしてください。
節水性能で選ぶ|年間の水道代はどれくらい変わる?
最新の便器は1回あたり3.8〜6Lの少ない水量で洗浄できます。20年前の便器が1回あたり約13Lの水を使っていたことを考えると、その差はかなり大きいです。
4人家族が1日に約32回トイレを使用するとして試算すると、年間で約1万〜1.5万円の水道代節約になるケースもあると、TOTOやLIXILの公式サイトで紹介されています。
1987年〜2001年発売の従来便器(大13L)から最新便器に替えると、水道料金は年間約15,000円の節約になります(4人家族・1日32回使用の場合)。
便器交換の初期費用は決して安くありませんが、10年以上使い続けることを考えると、節水性能の高い便器は長期的に見てお得です。
清掃性・お手入れのしやすさで選ぶ
毎日使うトイレだからこそ、掃除のしやすさは見逃せないポイントです。最新の便器には、お手入れをラクにするさまざまな工夫がほどこされています。
- フチなし形状(フチレス)…便器のフチの裏側に汚れがたまりにくく、サッとひと拭きで掃除できる
- 防汚コーティング…TOTOの「セフィオンテクト」やLIXILの「アクアセラミック」など、汚れがつきにくい表面加工
- 便座の取り外し機能…便座をワンタッチで外して、すき間まできれいに掃除できる
- ノズル自動洗浄…温水洗浄便座のノズルを使用前後に自動で洗浄する機能
とくにフチレス形状と防汚コーティングの組み合わせは、掃除の手間を大幅に減らしてくれるため、ぜひチェックしてみてください。
機能性で選ぶ|温水洗浄便座・自動開閉・脱臭など
便器を選ぶ際は、付属する機能も確認しましょう。代表的な機能は以下のとおりです。
- 温水洗浄便座(ウォシュレット・シャワートイレ)…今では多くの家庭で標準的な機能
- 自動開閉…人が近づくとフタが自動で開閉。かがむ必要がなく、高齢者にもやさしい
- 自動洗浄…立ち上がると自動で水が流れる。流し忘れ防止にも
- オート脱臭…使用中に自動でにおいを吸引・脱臭する
高齢者がいるご家庭では、便座の座面が高めのタイプや、アームレスト(ひじ掛け)に対応できるモデルを選ぶと、立ち座りがラクになります。
温水洗浄便座や自動開閉・自動洗浄などの電気機能を使うには、トイレ内にコンセントが必要です。古い住宅ではコンセントがない場合もあるため、事前に確認しましょう。コンセントの増設工事は1万〜2万円程度が目安です。
主要メーカーの特徴と人気シリーズ
日本でトイレ・便器を製造している主要メーカーはTOTO・LIXIL(INAX)・Panasonicの3社です。それぞれの強みと人気シリーズを紹介します。
TOTO|ネオレスト・ピュアレストなどの特徴
TOTOは国内シェアNo.1の老舗トイレメーカーです。「ウォシュレット」の生みの親としても知られています。
独自技術
- セフィオンテクト…便器表面をナノレベルでなめらかにし、汚れがつきにくく落ちやすい
- トルネード洗浄…渦を巻くような水流で、少ない水量でも便器内をまんべんなく洗浄
- きれい除菌水…使用前後に除菌水(次亜塩素酸を含む水)を自動でふきつけ、汚れやにおいの原因菌を除菌
人気シリーズ
- ネオレスト…TOTOの最上位タンクレストイレ。最先端の機能を搭載したフラグシップモデル
- ピュアレスト…組み合わせ便器の定番シリーズ。手ごろな価格で節水性能も高い
- GG / GG-800…タンク式ながらローシルエットですっきりしたデザイン
LIXIL(INAX)|サティス・アメージュなどの特徴
LIXIL(旧INAX)は、住宅設備全般を手がける大手メーカーです。トイレの分野でもTOTOに並ぶ人気があります。
独自技術
- アクアセラミック…「100年クリーン」をうたう防汚技術。水あかや汚物がこびりつきにくい
- パワーストリーム洗浄…強力な水流で便器内をすみずみまで洗い流す
- プラズマクラスター搭載モデル…空気中の浮遊カビ菌やにおいを抑制
人気シリーズ
- サティス…コンパクトなタンクレストイレ。狭いトイレにもフィットするデザインが人気
- アメージュ…組み合わせタイプのコスパに優れたシリーズ
- プレアス…一体型トイレのスタンダードモデル
Panasonic|アラウーノシリーズの特徴
Panasonicは家電メーカーならではの発想で、ほかの2社とはことなるアプローチのトイレを展開しています。
独自技術
- 有機ガラス系新素材…陶器ではなく独自の樹脂素材を使用。陶器より軽く、水あかがつきにくい
- 激落ちバブル(泡洗浄)…市販の台所用中性洗剤をセットすると、洗浄のたびに泡で便器内を自動洗浄
- トリプル汚れガード…泡のクッションで便器外への飛びはねを防ぐ
人気シリーズ
- アラウーノ L150…Panasonicの最上位モデル。多彩な機能を搭載
- アラウーノ S160…機能と価格のバランスが良い人気モデル
- アラウーノ V…タンク式でリーズナブル。アラウーノの基本性能を手ごろな価格で導入できる
タンクレストイレはTOTO・LIXILの製品が高価格帯に集中するなか、Panasonicのアラウーノは比較的リーズナブルなモデルもラインナップしているのが魅力です。
トイレ交換工事の流れと所要時間
「工事って大変なの?」「どのくらい時間がかかるの?」と気になる方のために、トイレ交換工事の流れと所要時間を解説します。
交換工事の一般的な手順
同じ排水方式・同じサイズの便器に交換する場合の一般的な手順は以下のとおりです。
- 養生…トイレまわりの床や壁を保護シートで覆う
- 止水・水抜き…止水栓を閉めて、タンクや便器内の水を抜く
- 既存便器の取り外し…便座、タンク、便器本体の順に外す
- 排水管の確認・調整…排水管の状態を確認し、必要に応じて調整する
- 新しい便器の設置…排水管に合わせて新しい便器を取り付ける
- 給水接続・動作確認…給水管を接続し、水漏れがないか動作確認をする
- 清掃・引き渡し…まわりを清掃して完了
同じタイプの便器への交換であれば、工事時間は約2〜4時間(半日程度)が目安です。
ただし、床材や壁紙の張り替えを同時に行う場合は1日以上かかることもあります。和式から洋式への交換など大規模な工事の場合は、1〜2日を見ておきましょう。
工事中にトイレが使えない時間はどのくらい?
便器交換工事では、古い便器を取り外してから新しい便器の設置が完了するまでの約2〜3時間はトイレが使えなくなります。
工事の日は、あらかじめ以下の準備をしておくと安心です。
- 近くのコンビニや公共施設のトイレの場所を確認しておく
- 家族全員に工事のスケジュールを共有しておく
- 大規模工事で長時間使えない場合は、仮設トイレの設置を業者に相談する
便器交換はDIYできる?自分で交換する場合のリスク
「便器交換の費用をおさえたいから、自分でやりたい」と考える方もいるかもしれません。ここではDIYで便器交換ができるケースと、そのリスクについて正直にお伝えします。
DIYで便器交換が可能なケースと条件
理論上、DIYで便器交換ができるのは以下のような条件がそろった場合です。
- 同一メーカー・同一排水方式・同一サイズの便器に交換する場合
- 給排水管の位置変更が不要な場合
- 床や壁の工事が不要な場合
なお、便座のみの交換であればDIYのハードルはかなり低いです。多くの温水洗浄便座は、付属の取付工具だけで交換できるようになっています。
便器本体の交換をDIYで行う場合に必要な工具は、モンキーレンチ、プライヤー、コーキング材(シーリング材)、ドライバーなどです。
DIYのリスクと業者に依頼すべきケース
便器本体のDIY交換には、以下のようなリスクがあります。
水漏れ事故…接続部の施工ミスによる水漏れは、床下浸水など深刻な被害を招き、修繕費が数十万円になるケースもあります。
排水管の接続不良…排水管の接続が甘いと、悪臭や汚水の逆流の原因になります。
便器の破損・ケガ…便器の重量は30〜40kgあり、持ち運び中の落下で便器が割れたり、ケガをしたりする危険があります。
メーカー保証が受けられない…自分で設置した場合、メーカーの製品保証が適用されない可能性があります。
また、給排水管の移設を伴う工事には「給水装置工事主任技術者」の資格が必要です。無資格での工事は法律に抵触するおそれがあるため、絶対に避けてください。
総合的に見ると、便座のみの交換以外は業者に依頼するのが安心です。工事費を節約するつもりが、失敗して余計に費用がかかるケースは少なくありません。
トイレ交換業者の選び方|信頼できる業者を見極めるポイント
トイレ交換を業者に依頼する際、どの業者を選ぶかで仕上がりや費用に大きな差が出ます。信頼できる業者を見極めるポイントを解説します。
相見積もりは最低3社から取るのが鉄則
トイレ交換を依頼するときは、最低でも3社から見積もりを取る「相見積もり」が鉄則です。1社だけでは、その見積もりが適正価格かどうか判断できません。
見積もりを比較する際のチェックポイントは以下のとおりです。
- 商品代・工事費・諸経費の内訳が明記されているか…「一式○○円」としか書かれていない見積もりは、あとから追加請求される可能性がある
- 撤去・処分費が含まれているか…別途請求になっていないか確認
- 追加費用が発生する条件が明記されているか
他社より大幅に安い見積もりには、必要な工事が含まれていなかったり、あとから追加費用を請求されたりするリスクがあります。安さだけで選ぶのは避けましょう。
確認すべき資格・保証・アフターサービス
業者を選ぶ際は、以下の項目も必ず確認しましょう。
- 水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)であるか…自治体に登録された水道工事のできる業者であることの証明
- 施工後の保証期間…工事保証は1〜5年が一般的。保証期間や保証内容を事前に確認する
- アフターサービスの内容…工事後に不具合が起きた場合の連絡先や対応内容が明示されているか
- 損害賠償保険への加入…万が一、工事中に水漏れなどの事故が起きた場合に備えた保険に入っているか
依頼先の選択肢|リフォーム会社・水道業者・ホームセンター
トイレ交換を依頼できる業者は、おもに3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った依頼先を選びましょう。
| 依頼先 | 特徴 |
|---|---|
| リフォーム会社 | 床・壁の内装工事も同時に対応可能。トータルコーディネートに強いが、費用はやや高め |
| 水道業者 | トイレ交換の工事のみ対応が多い。価格はおさえめだが、内装工事は別途手配が必要な場合も |
| ホームセンター | 商品+工事のパッケージ価格でわかりやすい。ただし選べる商品の種類は限定的 |
床や壁の張り替えもまとめて行いたい場合はリフォーム会社、便器交換のみをコストをおさえて行いたい場合は水道業者、わかりやすい価格で安心して依頼したい場合はホームセンターがおすすめです。
トイレ交換で後悔しないための注意点
トイレ交換は何度もやり直せるものではありません。あとから「こうしておけばよかった…」と後悔しないために、見落としがちな注意点をまとめました。
便器交換と同時にやるべきこと・確認すべきこと
- 床材・壁紙の同時交換がおすすめ…便器を外すと旧便器の跡(変色や汚れ)が残ります。あとから別途工事すると費用が割高になるため、同時に張り替えるのがベスト
- 止水栓・給水管の劣化チェック…とくに築20年以上の住宅では、止水栓や給水管もいっしょに交換した方がよい場合があります。業者に状態を確認してもらいましょう
- コンセントの有無を確認…温水洗浄便座やタンクレストイレには電源コンセントが必要です。コンセントがない場合は増設工事もいっしょに行いましょう
マンションでトイレ交換する場合の注意点
マンションでのトイレ交換には、戸建てとはことなる注意点があります。
- 管理規約の確認が必須…多くのマンションでは、水まわりの工事に「工事届」の提出が必要です。事前に管理組合や管理会社に確認しましょう
- 排水方式・排水芯は基本的に変更できない…マンションの場合、排水管は共用部分として扱われることが多く、位置の変更はむずかしいのが一般的です
- 水圧の問題…高層階では水圧が低く、タンクレストイレが設置できない場合があります。事前に水圧を確認しましょう
- 近隣への配慮…工事の騒音や振動について、事前にお隣や上下階の住人に知らせておくのがマナーです。管理規約で工事可能な時間帯が決まっていることも多いので、あわせて確認してください
まとめ|便器交換を成功させるためのチェックリスト
ここまでトイレ交換・便器交換について、費用相場・便器の種類・選び方・工事の流れ・業者選びまで詳しく解説してきました。最後に、便器交換を成功させるためのチェックリストをまとめます。
便器交換前の確認チェックリスト
以下の項目を上から順に確認していけば、スムーズに便器交換を進められます。
- 排水方式(床排水・壁排水)と排水芯の位置を確認する
- トイレ空間のサイズ(奥行き・幅・高さ)を測定する
- 予算を設定する(本体価格+工事費+内装費の総額で考える)
- 便器のタイプを選ぶ(組み合わせ・一体型・タンクレス・収納一体型)
- 必要な機能を決める(温水洗浄便座・自動開閉・節水性能など)
- 最低3社から相見積もりを取る
- 業者の資格(水道局指定工事店)と保証内容を確認する
- 床材・壁紙の同時交換を検討する
- コンセントの有無を確認する(マンションの場合は管理規約も)
- 工事日程を調整し、トイレが使えない時間に備える
このチェックリストを参考に、ひとつずつ確認を進めてみてください。
迷ったら、まずは無料見積もりで現地調査を依頼するのが第一歩です。実際にプロに見てもらうことで、自分の家に最適な便器や工事内容がはっきりします。排水方式やトイレのサイズもあわせて確認してもらえるので、失敗のリスクを減らせます。
よくある質問
トイレの便器だけ交換することはできますか?
組み合わせタイプ(セパレートタイプ)であれば、便器のみの交換は可能です。ただし、同じ排水方式・排水芯に適合する製品を選ぶ必要があります。
一方、一体型トイレやタンクレストイレは、便器・タンク・便座が一体構造になっているため、基本的に丸ごと交換が前提です。便座部分だけの交換はメーカー対応になります。
便器交換にかかる時間はどれくらいですか?
同じタイプの便器への交換であれば、約2〜4時間程度で完了するのが一般的です。朝に工事を始めれば、お昼すぎには新しいトイレが使えるようになります。
ただし、和式から洋式への交換や、給排水管の工事をともなう場合は1〜2日かかることもあります。正確な工事時間は、事前の現地調査で確認してもらいましょう。
便器のひび割れは修理できますか?
陶器製の便器のひび割れは、基本的に修理はできません。ひび割れた便器は水漏れのリスクが高いため、交換が推奨されます。
応急処置として防水パテやエポキシ系接着剤を使う方法はありますが、あくまで一時しのぎです。ひび割れを放置すると漏水が進行し、床下の木材が腐食する危険もあるため、早めに交換を検討してください。
賃貸でもトイレの便器を交換できますか?
賃貸物件でも、大家さんや管理会社の許可を得れば便器交換は可能です。ただし、退去時の原状回復義務があるため、元に戻す費用がかかる場合があります。
トイレの老朽化による交換であれば、大家さんの負担で交換してもらえるケースもありますので、まずは管理会社に相談してみましょう。
古いトイレを交換すると水道代はどれくらい安くなりますか?
20年前の便器(1回あたり約13L)から最新の便器(1回あたり3.8〜6L)に交換した場合、年間で約1万〜1.5万円の水道代の節約が期待できます。
これは、4人家族が1日あたり約32回トイレを使用する想定での試算です。家族の人数やトイレの使用回数によって節約額は変動しますが、10年間で約10万〜15万円の節約になる計算です。
TOTOの試算によると、従来品(大13L/小8L)から最新便器に交換した場合、4人家族で年間約15,000円の水道代が節約できるとされています。