おすすめの窓シャッター。デメリットや選び方、防犯効果も

窓シャッターには室内を隠す、破壊に手間をかけさせるといった防犯効果のほか防風・防火効果なども期待できる一方、取り付けた後に分かる「思わぬデメリット」も。この記事ではそうしたメリット・デメリットを詳しく解説するとともに選び方やおすすめも紹介。

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おすすめの窓シャッター。デメリットや選び方、防犯効果も

目次

窓シャッターの防犯効果とメリット

家の防犯対策のひとつに「窓シャッター」を検討している方も多いのではないでしょうか?窓シャッターに防犯効果はあるのか?そのほかに得られる効果やメリットとあわせて解説します。

防犯効果:あるが、やや心細い部分も

窓シャッターには侵入を狙う者に対し「室内を確認させない」および「破壊する手間をかけさせる」といった防犯効果があります。窓シャッターが降りていると家の中の様子が見えませんので、その時点で侵入者が犯行を諦める可能性があります。それに、シャッターを何らかの方法で破壊してから侵入しなければなりませんから、「手間」を嫌う侵入者は窓シャッターがある時点で狙おうと思わないかもしれません。

ただし「窓シャッターが閉まっている=留守」ということを知らせてしまう可能性もあります。それに、ピッキングで簡単に開いてしまう窓シャッターだった場合、窓などに防犯対策が施されていなければ侵入されてしまうおそれもあります。

窓シャッターに高い防犯効果を期待するのであれば、窓やクレセント錠などにもうひと工夫ほしいところです。

クレセント錠とは、一般的な窓の室内側に取り付けられている「半月」のような形をしたカギのことです。そのクレセント錠を守るための補助錠などが販売されています。

遮光効果:ある

窓シャッターには、日光を遮る効果があります。夏の日中など日差しが強い時期は、特にその効果を実感できるかもしれません。

ただ完全に日光が遮断されてしまうと、昼間でも部屋が暗くなってしまいますよね。そういった方には、閉めていてもある程度光が入り込むように作られた窓シャッターがあるので、そちらがおすすめです。

防風効果:ある

遮光と並ぶ窓シャッターの大きな効果は、防風です。近年、台風や竜巻、突風といった自然災害が増えています。窓シャッターがない場合、飛来物によって窓ガラスが割れてしまえば防風が部屋の中に侵入してしまいます。

それにより、屋根が吹き上がってしまうという被害や、飛来物によるケガといった被害が想定されます。窓シャッターの強度にもよりますが、設置しないよりは遥かに防風効果が高いと言えるでしょう。

防火効果:未設置と比べれば効果大

住宅密集地などで起こりやすい「延焼」は、窓ガラスが炎の熱によって割れてしまい、その炎が室内に侵入してくることで起こるケースも少なくないようです。火の手があっという間に回ってしまえば、逃げ遅れてしまうかもしれません。

その点で、金属製の窓シャッターを設置しておけば、少しでも炎の侵入を遅らせられる可能性があります。より高い防火効果を望むのでしたら、耐熱強化ガラスなどを設置するとよいでしょう。

防音効果:未設置と比べれば効果大

近年ではある程度の防音性は備えた窓ガラスも登場しています。ですが、やはり窓ガラス一枚では工事中の騒音、幹線道路を走るトラックの騒音などは入ってきてしまうことがあります。窓シャッターを設置しておけば、そうした騒音がより入ってきにくくなるでしょう。

ただし自治体の緊急放送、避難勧告といった放送が聞こえにくくなる可能性もあります。防音性能の高い窓シャッターはそうした長所と欠点があることも覚えておきましょう。

防寒効果:結果的に得られる場合がある

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会(※)によれば、冬の暖房時の熱が窓から流出する割合は「窓58%」とのことです。窓シャッター自体に高い防寒機能は期待できませんが、流出する熱を少しでも減らす(緩やかにする)効果は期待できるかもしれません。

しっかりとした防寒効果を望むのであれば、断熱効果がある窓ガラスに交換したり、断熱シートを貼ったりしたほうがよいでしょう。

※1参考:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 省エネルギー建材普及センター Q&A「開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?」より

遮熱効果:結果的に得られる場合がある

直射日光が当たる窓の場合、カーテンを閉めていても窓ガラス自体は熱を持ってしまいます。窓シャッターを閉めておけば直射日光が当たるのを防ぐことができます。

ただし、暖められたシャッターの熱が窓とのすき間に溜まり、窓ガラスを通って部屋の中に侵入することは考えられます。高い遮熱効果を望むのでしたら、遮熱カーテンや遮熱シート(フィルム)などと併用するのがおすすめです。

窓シャッターのデメリット

さまざまな効果やメリットが期待できる窓シャッターですが、一方でデメリットも存在します。後悔しないためにも、導入する前にきちんと把握しておくことが大切です。

うるさいと感じることがある

開閉時の音

窓シャッターの製品にもよりますが、開閉する際にどうしても「ガラガラ…」といった音が鳴ってしまうものがあります。時間帯や隣家との距離によっては、近所迷惑になる可能性もゼロではありません。

風で揺れる音

設置の状況にもよりますが、風が強い日に窓シャッターを閉めていると「ガタガタ」と揺れることがあります。強風による飛来物で窓ガラスが割れるのを防ぐ効果はあるのですが、一方でひと晩中ガタガタと音がするなど、困ってしまうケースも想定されます。

雨が叩きつけられる音

同じように、雨が窓シャッターに叩きつけられる音も、気になるかもしれません。寝室に設置した場合、台風時などは風によるガタガタ音と雨音で睡眠不足になる可能性も考えられます。

手動タイプは開閉に手間がかかる

窓シャッターには「手動」「電動」があります。手動を導入した場合、開閉のたびに手間がかかります。高齢者の方、もしくはご自身が将来的に高齢者になったときなど、開閉が大きな負担になってしまうかもしれません。面倒になって結局使わなくなってしまうということも考えられます。

また、強風や雨の翌日などは窓シャッターが汚れており、開閉のたびに手がよごれることもあります。

電動タイプはコストや停電などの問題がある

手動タイプの窓シャッターのデメリットを回避するため、電動を選ぶという選択肢もありますが、電動は手動と比べて設置費用(商品の価格)が高いものが多くあります。

電動ですから手動よりも故障のリスクが高く、万が一不具合などが生じたときは修理費用がかかります。また、停電してしまうと開閉できなくなるといったデメリットも生じます。

朝の光が差し込まず目覚めにくくなることがある

防犯のために夜間は窓シャッターを閉める、というご家庭は多いと思います。そのまま朝まで開けないでいると、目覚めたときに室内が暗いままという状態になります。

朝の日差しで気持ちよく目覚めることができない、朝目を覚ましにくくなるといったデメリットが考えられます。

開けるときに虫が入ることがある

窓シャッターは、窓や網戸などの外側に設置します。したがって、窓シャッターを開けるときは窓も網戸も開いている状態ですよね。夏場など、窓シャッターを開けた瞬間に虫が入り込んでしまう可能性があります。

狙われる窓はどこ?

すべての窓にシャッターを設置するという方法もありますが、コストや開閉の手間などを考えると、あまり現実的ではないですよね。

せっかく防犯対策に窓シャッターを導入するなら、どういった窓が狙われやすいかも知っておきましょう。

狙われやすい窓とは?

  • 死角になっている窓
  • 目立たない場所にある窓
  • 小窓、高窓

空き巣は、下の部分が床まである背の高い「掃き出し窓」や、下の部分が腰辺りの高さになる「腰窓(腰高窓)」といった「誰でも侵入しやすい窓」から侵入することもあります。ですが、より見つかりにくい窓から侵入すると考えるのが普通でしょう。

たとえば庭木や物置、カーポートなどで隠れて死角になっている窓、庭の裏にあって人目につきにくい窓、トイレやお風呂など「まさかこんな窓から…」と思うような小窓が挙げられます。

実は小窓でも、頭ひとつと左右の肩どちらかが入れば、空き巣などは侵入してしまうと言われています。

家の「造り」にもよりますので、こうした窓だけに窓シャッターを設置しておけば絶対に安心、というわけではありません。ですが、狙われやすい窓とはどういう窓なのかを理解しておくことは大切です。

これらを踏まえたうえで、一度家の周りをチェックしてみることをおすすめします。

2階の窓にシャッターは必要?

窓シャッターでしばしば話題になるのが2階の窓です。防犯性を重視する場合、ほかの窓と同様に、ないよりはあった方が防犯効果が期待できるでしょう。

2階でも、たとえばベランダ付きなら雨どいや物置などを使って侵入することができますし、高窓でも何かを台にして手が届けば、破られてしまう可能性があります。

もし2階の窓がそうした「侵入されやすそうな窓」だった場合、窓シャッターを設置する意味はあるかもしれません。

ただ、2階の窓はある程度離れたところからでも、シャッターが閉まっていることが確認できてしまう欠点があります。旅行中、ずっと閉め切っていると「留守」であることが伝わってしまうリスクもあります。

防犯性以外のメリット・デメリット

最初にお伝えしたように、窓シャッターには遮光や防風といった効果が期待できます。2階に寝室や子供部屋があるご家庭も多いのではないでしょうか?就寝中に窓ガラスが割れるのを防ぐ、という意味でも窓シャッターは意味があるように思えます。

一方で、手動の窓シャッターは朝目覚めるときに日差しが入り込まない、開閉の手間がかかる、音がうるさいなどさまざまな欠点もあります。2階の窓シャッターは、防犯性とあわせてこうしたメリット・デメリットを踏まえ、じっくり検討しましょう。

窓シャッターはどんな窓に設置できるの?

窓シャッターはさまざまな種類が販売されていますが、どんな窓に設置できるのでしょうか?

シャッターが設置できる窓

「引き違い窓」「片引き窓」「両袖片引き窓」「引き込み窓」「内開き窓(折りたたみ窓)」など、横または内側に開く一般的なタイプであれば、ほとんどが窓シャッターを設置することができると考えてよいでしょう。

シャッターが設置できない窓

「滑り出し窓」「外開き窓」など外側に開くタイプの場合、窓シャッターが設置できない可能性があります。ただし、メーカーに特注で設置してもらえるケースがあるかもしれません。まずは問い合わせてみるとよいでしょう。

それ以外にも設置できないケースがある

マンションなど集合住宅の窓の外側は「共用部」に該当することが少なくありません(管理規約により異なる場合もあります)。

共用部への窓シャッターの設置は管理組合の許可が必要になります。たとえ「引き違い窓」「片引き窓」など通常であれば窓シャッターが設置できる窓であったとしても、結果的に設置できないという可能性があります。

また戸建て、集合住宅問わず「出窓」「掃き出し窓」などで、シャッターの枠を取り付けできるスペースがない場合、もしくは、窓に対応しているサイズのシャッターがない場合は、やはり設置できない可能性が高いでしょう。

そのほか、高窓や2階の窓にシャッターを設置する際は、足場の組み立てが必要になることがあります。足場の設置スペースがない場合、設置を断られてしまう可能性もあるので、あわせて覚えておきましょう。

まずは問い合わせてみること

窓のタイプは問題なくても「サイズ」や「枠を取り付けするスペースの有無」などによって、窓シャッターを設置できないケースがあります。

まずはメーカーや施工店などに問い合わせて、現地調査を依頼したり見積もりを出してもらったりすることをおすすめします。

窓シャッターの種類と違い

続いて、窓シャッターの種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。一長一短がありますので、失敗しないためにも違いを知り、じっくり検討することが大切です。

なお、紹介する防犯性は窓シャッター単体で見たときの基準です。ほかの対策と合わせることで、より高い防犯効果を得ることもできます。

手動タイプ:防犯性はやや低い

文字通り、手で開閉するタイプの窓シャッターです。価格が安く導入しやすいというメリットがありますが、開閉は自力で行わなければなりません。開閉時の音が気になることもあります。

また、防犯性は「高い」とは言えず、外からでも容易に開いてしまう可能性もあります。さまざまな機能を求める方には物足りないタイプと言えるかもしれません。

電動タイプ:防犯性は手動より高いものが多い

室内からリモコンで開閉できるタイプです。開閉のたびに窓を開けずに済むため、夏場に虫が入らない、冬場に冷たい空気が入らないというのも嬉しいポイントです。スマホアプリで操作可能なものや、外出先からでも開閉をコントロールできるものがあります。

電動の場合、手では簡単に開かないようになっているものも多く、手動と比べると防犯性は高めと言えるでしょう。ただし、商品価格や設置費用などが手動と比べて高いため、すべての窓に導入するにはハードルが高いかもしれません。

手動タイプのメリット

  • 価格が安く導入しやすい
  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果は得られる
手動タイプのデメリット
  • 手で開閉する手間がかかる
  • 開閉時の音が気になることがある
  • 外からでも開けやすいため防犯性はやや低め

ブラインドタイプ:防犯性はやや低い

ブラインドタイプの窓シャッターは、防犯性よりも快適性を求めた商品です。

一般的なブラインドカーテンのように、スラット(ブラインドを構成する羽根=シャッターで言う横長の板)の角度を調節することで光を採り入れたり、風を通したりすることができます。季節や時間、その日の天候などに合わせた使い方ができる窓シャッターです。

ブラインドタイプのメリット

  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果は得られる
  • 閉めたままでも、季節や時間帯などに合わせて光量や風通しを調節できる
ブラインドタイプのデメリット
  • 快適性重視の製品が多く防犯性はやや低め
  • スラットを手で開ければ外からでも室内を覗けてしまう
  • 電動タイプは価格が高くなる

スリットタイプ:防犯性はやや低い

小さな通気孔(スリット)が開いているタイプの窓シャッターです。

防犯性は、ほかの窓シャッターと同程度とそれほど高くありませんが、閉めていてもある程度の通気性が確保される点、ほどよくやわらかい光を採り込める点は魅力です。ブラインドタイプと同様、快適性を重視したい方におすすめです。

スリットタイプのメリット

  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果は得られる
  • 閉めた状態で換気とプライバシーの確保が両立できる
スリットタイプのデメリット
  • 快適性重視の製品が多く防犯性はやや低め
  • 内側からロックできるタイプでないと外からでも開いてしまう
  • 電動タイプは価格が高くなる

クローズタイプ:防犯性は中程度

角度調節できる羽根や通気孔などがないタイプの窓シャッターです。お店やガレージのシャッターをイメージすると分かりやすいでしょう。しっかりと窓を覆い隠してくれるため、プライバシーの確保や遮光性を重視したい方に向いています。

また、お店やガレージに設置するようなシャッターは防犯性も備えていますよね。ご家庭の窓用となるとサイズは小さいものになりますが、同じように快適性よりも防犯性および窓ガラスの保護を考えて作られていると言ってよいでしょう。

クローズタイプのメリット

  • プライバシーをしっかり確保できる
  • 採光や通風用の穴がないため防犯性が期待できる
  • 金属製なら侵入者が破ろうとしたときに大きな音が出る
  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果も得られる
クローズタイプのデメリット
  • 採光や換気をする際はその都度開閉しなければならない
  • 金属製のものは開閉時の音が気になることがある
  • 電動タイプは価格が高くなる

室内タイプ:防犯性は中程度(窓次第の部分もある)

外開きの窓などに最適な、室内設置タイプの窓シャッターもあります。手動、電動があり、また羽根の角度調節や、上部だけを開けて下部を閉めるといった操作が可能なものもあります。

一般的な窓はもちろん、トイレやお風呂の小さな窓に設置可能なものもあります。防犯性は窓次第ですが、二重ロックが搭載された室内設置タイプの窓シャッターもあります。

室内タイプのメリット

  • シャッターが取り付けにくい「外開き窓」にも設置できる
  • 羽根の角度調節機能や二重ロックを搭載した製品もある
  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果は得られる
室内タイプのデメリット
  • 窓の防犯対策が必要な場合がある
  • 採光や通風用の穴がない場合はその都度開閉する必要がある
  • 室内の景観が損なわれる、または圧迫感を覚える場合がある

横引タイプ:防犯性はやや低い

窓シャッターは上下に開閉するものが多いのですが、中には横引きタイプのものもあります。上下開閉よりも力がいらないのも嬉しいポイントですね。

防犯性は素材などにもよりますが、一般的なご家庭に設置する場合、先にご紹介した手動や電動などと同程度と考えてよいでしょう。直線だけでなく、曲線に対応できるものもあります。

横引きタイプのメリット

  • 雨戸のようにスライドさせるだけなので上下に開閉する力が不要
  • 防風・遮光・防音といった基本的な効果は得られる
横引きタイプのデメリット
  • 大きさなどによっては開閉時の音が気になることがある
  • 素材によって防犯性が変わる場合がある

防犯性を重視するならロック機能付きのものもおすすめ

窓シャッターの「防犯性」を重視したい方は、ロック機能付きのものを検討しましょう。商品によっては、閉じたときの自動ロック機能を備えた窓シャッターが登場しています。

ほかにも、補助ロックが付いている窓シャッター、不審な開放を検知するとロックがかかる窓シャッターなども発売されています。

ロック機能付きのメリット

  • より高い防犯効果が期待できる
  • 自動ロックや補助ロックなど多機能な製品も多い
ロック機能付きのデメリット
  • 緊急避難時などに開けづらいと逃げ遅れるおそれがある
  • ロック機能なしの窓シャッターより価格が高い

窓シャッターの使い方

続いて、窓シャッターの開閉について解説します。せっかく設置するわけですから、効果的に使いたいですよね。開閉しづらい(開かない、閉められない)といったときの対処法とあわせて解説します。

窓シャッターの開閉のタイミングっていつ?

シャッターを閉めるタイミング

  • 風が強いとき
  • 台風がくる前
  • 雨が降る前
  • 寝る前(または暗くなってから)
  • 外出する前

シャッターを開けるタイミング

  • 強風がおさまったあと
  • 台風が去ったあと
  • 雨があがったあと
  • 起きたあと
  • 帰宅したあと

基本的には、このようなタイミングで窓シャッターを開閉するとよいでしょう。なお、強風や台風などですが、どれくらいの風の強さを基準にすればいいか迷うときがあるかもしれません。「強い風」に分類されている「風速15m/s以上」をひとつの目安としておぼえておきましょう。

風速15m/sのときの樹木や屋外の様子

  • 電線が鳴り始める
  • 看板やトタン板が外れる
  • 風に向かって歩けなくなる
  • 倒れる人も出てくる
  • 高所での作業はきわめて危険
  • 屋根瓦、屋根葺(ふき)材がはがれるものがある
  • 雨戸やシャッターが揺れる

これは、気象庁が発表している「風の強さと吹き方」(※2)に基づく「風速15〜20m/sのときの様子」です。

風速「20m/s」を超えると看板が飛来する、細い木が折れるといった状態になりますので、それよりも前の段階で窓シャッターを閉めておくことが重要です。

なお「m/s」は大気が1秒間に何m移動したかを表す単位です。「15m/s」は大気が1秒間に15m移動したという意味になり、時速に換算すると50〜70kmという猛烈な速さになります。天気予報などで、風速をよく聞いておきましょう。

※2参考:気象庁「風の強さと吹き方」より

閉めると効果があるそのほかのタイミング

  • エアコンの効率をあげたいとき
  • 真夏に室内の温度上昇をできるだけ抑えたいとき
  • 外からの視線を遮りたいとき
  • 騒音が気になるとき

そのほか、こんなタイミングで閉めても効果があります。また、たとえ在宅時であっても

  • 2階に誰もいなくなるとき
  • 誰もお風呂に入る予定がないとき
  • 子供を先に2階で寝かせるとき

などは、防犯の観点から窓シャッターを閉めておくことをおすすめします。

窓シャッターの開け方

電動の窓シャッターであれば、リモコンの「開閉ボタン」や、スマホアプリの「開閉ボタン」を使って開閉できます。手動の場合は「手で持ち上げる」「引き下ろす」横引きは「スライドさせる」といった操作が基本になります。

なお、窓シャッターの種類によっては室内側に操作レバー(操作つまみ)が付いているものや、高所にある窓シャッターを下ろす際に便利な操作ロープ(細いバーのようなもの)が付いているものもあります。

開閉はいずれも難しくはありませんので、取扱説明書に記載されている方法を確認しておきましょう。

窓シャッターが開かない・上がらない場合の原因と対処法

ロックがかかっている

手動の窓シャッターの場合、完全に閉め切ると自動でロックがかかるものがあります。あるいは、ご自身でロックをかけたのを忘れているかもしれません。まずはロックを確認してみてください。

ゴミ、さび、そのほか異物が混入している

シャッターケース、レールなどにホコリやゴミ、異物などが挟まっていると、開かない、または開きにくいことがあります。確認してもし障害物があれば、取り除きましょう。

また、冬場はシャッターケース内のグリスが固まり、動きが鈍くなることもあります。グリスをクリーナーで落とし、新しく塗り替えてあげると復活することがあります。

凍結している

冬場に起こりやすいのが、窓シャッターの凍結です。この場合は無理に開けようとせず、溶けるのを待ちましょう。無理やり動かしてしまうと破損などの原因になることがあるため、注意が必要です。

電力が供給されていない、電池切れ、通信トラブル

電動の窓シャッターが開かない場合、シャッター自体に電力が供給されていない、もしくはリモコンの電池が切れている、スマホアプリなら通信トラブルが生じている、などの可能性が考えられます。

ブレーカーや電源をチェックする、電池を交換する、インターネット環境を確認するなどして対処しましょう。解決しないときは、取扱説明書を見てください。電動の窓シャッターの多くは、停電時の対処法として、ヒモやハンドル操作で手動開閉できるようになっているはずです。

スラットやレールの変形

スラット(シャッターを構成する横長の板)や両サイドのレールに歪みなどの変形が生じていると、開かなくなってしまうことがあります。スラットは何節にも分かれているため、まれに必要以上に曲がってしまうことがあります。一時的なものであれば軽く動かすなどして解消できます。

ただし、レールの歪みやスラットの大きな変形などは、無理に動かしてしまうと破損の原因になりかねません。悪化させてしまう前に、メーカーに連絡をして点検に来てもらうことをおすすめします。

窓シャッターの取り付け価格

窓シャッターの取り付けは、基本的に業者にお願いすることになります。業者によって料金設定が異なるほか、窓のサイズ、窓シャッターの種類や枚数、設置場所などによっても金額が変わってきます。

そのためあくまで目安ですが、実際の施工事例を交えて取り付け価格を紹介しますので、参考にしてください。

業者に依頼した際の価格

価格の相場は、手動の窓シャッターで5〜16万円ほど、電動シャッターで10〜30万円ほどとされています。電動は電気工事が必要になることもあるため、価格も高くなりがちです。おおよそ手動の2倍程度と思っておくといいでしょう。

窓シャッターの設置場所と種類 費用の目安
1F腰窓×2(手動) 125,000〜156,000円
1F腰窓×1(手動) 85,000〜100,000円
1F腰窓×1(電動) 200,000〜300,000円
1F掃き出し窓×4(電動) 700,000〜800,000円
1F掃き出し窓×2、腰窓×1(電動) 450,000〜750,000円
2F腰窓×1(手動) 30,000〜36,000円
2F・3F掃き出し窓×各1(手動) 170,000〜240,000円
2F掃き出し窓×3、腰窓×2(手動) 370,000〜380,000円

※「腰窓」とは下の部分が腰辺りまでの高さの窓で「腰高窓」と呼ぶこともあります。また「掃き出し窓」は、下の部分が床までくる背の高い窓のことです。

このようにケースバイケースですので、まずは現地調査のうえ詳しい見積もりを出してもらうことになります。その際、相見積もりを取ると比較しやすくなるでしょう。

業者に依頼した際の工事時間・期間

窓シャッターの取り付けを業者に依頼した場合、枚数や設置場所などにもよりますが、手動で1箇所あたり1時間、電動で2時間が目安になります。

ただし、古いシャッターの取り外しやサッシごと交換が必要になる場合などは、4時間〜1日など長めに見ておくとよいでしょう。また、高窓などで足場が必要になるケースでは、丸1日かそれ以上かかる可能性もあります(枚数などによって変わります)。

業者に窓シャッターの取り付けを依頼してから工事が完了するまでの期間は、繁忙期や閑散期などの影響もありますが、2週間を見ておきましょう。

窓シャッターのメーカーとおすすめ商品12選

代表的な窓シャッターのメーカーと、各社のおすすめ商品を12選、紹介します。それぞれ特徴なども踏まえてお伝えしていきますので、何を選べばよいか迷ったときの参考にしてください。

三和シャッター

三和シャッターと言えば、国内最大手のシャッターメーカーです。初めてご家庭の窓シャッターを選ぶ、という方は特に基準にしやすいメーカーと言えるでしょう。

マドモア スクリーンS(手動/電動)

窓シャッターに必要な基本機能をしっかり備えたスタンダードな製品です。一定以上の防犯性能が期待できるほか、オプションで防火性能を追加することも可能です。1万回の開閉に耐えられるよう設計されています。

マドモア ブラインド(電動)

スラットの角度調節が可能なブラインドタイプの窓シャッターです。シャッターを下ろしたまま光を取り込むことができますので、防犯性とあわせて快適性を求めたい方におすすめです。電動式のみですが、停電時は手動で操作可能です。

マドモア スリットW(電動)

通風・採光型のマドシャッターです。単窓で4m、連窓で6mまで対応可能な大開口タイプで、大きな窓に取り付けた際の開放感が損なわれにくいのが特徴です。半開でスリット状態にしたり、全閉で上部だけをスリット状態にしたりと幅広い使い方ができます。

YKK AP

性能と使いやすさを追求するメーカーがYKK APです。三和シャッターとならび、初めて窓シャッターを導入するという方におすすめのメーカーです。

リモコンシャッター(電動)

防犯性はもちろん、雨よけや風よけなどもしっかり考えられた、スタンダードな窓シャッターです。停電時は手動に切り替えられるほか、自動ロック機能や、降下中に障害物に接触すると自動で5秒反転上昇する障害物感知機能も搭載されています。またIoT住宅サービスと連携することで、スマートフォンからの遠隔操作も可能になります。

リモコンスリットシャッターGR(電動)

スリットを開閉すれば光や風を取り込むことができる窓シャッターです。全閉にして上部のスリットだけを開いたり、半開にしてスリットを開いたりすることもできます。自動ロックと手動ロック、手動切り替えといった機能も含まれています。同じくIoT住宅サービスとの連携でスマートフォンからの操作が可能です。

手動シャッター(手動)

YKK APのスタンダードな窓シャッターです。手動ですが自動ロック機構が搭載されていたり、高い位置にあるシャッターを引き下げやすいように操作ロープが付いていたりするなど、使い勝手の良さが特徴です。

LIXIL

住宅機器メーカー大手LIXILも、おすすめメーカーのひとつです。企業向けのものも多いのですが、住宅用はシンプルなものからスタイリッシュなものまでデザインが豊富です。

エアリス(電動)

プライバシーを守りながら心地よい彩風とほどよい採光を実現した、フラップスラットと呼ばれる独自のスラットが特徴の窓シャッターです。リモコンからは決まった時間に自動開閉するタイマーも設定できるため、朝の目覚めも快適になるでしょう。

イタリヤ(電動/手動)

ベーシックな鋼板製窓シャッターです。通常のリモコンのほか、1台で複数のイタリヤを操作できるタイマー付きマルチリモコンも用意されています。防犯性を高めるため、スラットを抜けにくくするフックを標準装備しているのも特徴です。

リフォームシャッター(電動)

既存の窓にそのまま取り付けできる窓シャッターです。リモコンはもちろん、スマホにアプリをインストールすれば、外出先からでも操作が可能になります。無線方式のため電気工事も不要、短時間で設置できます。2階のバルコニーに収まるタイプも販売されています。

文化シヤッター

文化シヤッターは品質の安定感で評判のメーカーです。ラインナップが豊富なので、ほかのメーカーで希望の商品がないという方はぜひ文化シャッターを調べてみましょう。

マドマスター・スマートタイプ(セレコネクト2)(電動)

シンプルでスタンダード、スマホで操作可能な窓シャッターです。もちろん、外出先からでも操作できます。それぞれの窓シャッターごとにタイマーを設定したり、2階だけ、1階だけなどグループ化したりもできます。

マドマスタータップ2<防火設備>(手動/電動)

防犯とあわせて防火機能もほしい、という方におすすめなのがこちらの窓シャッターです。国土交通大臣認定の防火設備仕様で、リフォームに最適な後付けタイプになっています。高い耐衝撃性、耐風圧性を備えています。

ヨコタテ(電動)

ヨコ引きの雨戸を取り外すことなく、タテ開閉型の電動窓シャッターにリフォームするという、オリジナル工法を用いた製品です。無理なこじ開けを防ぐモーターロック機能で高い防犯性を実現しています。リモコン、スマホからの操作も可能です。

賃貸やシャッターが設置できない場合、代わりにできる防犯対策は?

賃貸にお住まいの方は、窓シャッターの設置が難しいかもしれません。それに、たとえ戸建てにお住まいでも事情によって窓シャッターが設置できないケースもありますよね。そんなとき、窓シャッター以外にできる防犯対策としては、次のようなものが挙げられます。

窓シャッター以外にできる防犯対策

  • 防犯カメラを設置する
  • 防犯ライトを設置する
  • 窓に開閉センサーを取り付ける
  • 窓に補助錠を取り付ける
  • 窓に防犯フィルムを貼る
  • 防犯ガラスに入れ替える
  • 窓に面格子を取り付ける

このような防犯対策があります。ただし、賃貸にお住まいの方は勝手に施工できないものがほとんどですから、先に大家さん(または管理会社など)に連絡を入れ、防犯対策を施したいと相談してみるとよいでしょう。

また、これらは単独で取り入れるよりも「補助錠と防犯フィルム」「窓シャッターと補助錠」など組み合わせたほうが、より高い防犯効果を期待できます。「備えておけばよかった…」と後悔しないためにも、複数の防犯対策を取り入れることをおすすめします。

賃貸でも諦めずに一度大家さんに相談を

間取り変更といった要望とは違い「防犯」に関わる相談ごとであれば、大家さんが許可を出してくれる可能性があります。防犯性の高い部屋は次に入居する方にも安心感があるはずですから、大家さんも善処してくれる可能性があるでしょう。ただし許可を得られた場合、費用はどちらが持つのか、退去時に何らかの費用はかからないかといったことは忘れずに確認しておきましょう。