単機能型とハイブリッド型蓄電池の違いとメリット・デメリット

定置型蓄電池と言っても、住宅に据え付けるタイプでは、ハイブリッド型と単機能型に大きく分類されます。停電時の使い方や、容量の大きさなど、それぞれの違いを理解した上で、ベストな商品を選択できるよう、蓄電池を検討中で後悔したくない方は必見です!

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単機能型とハイブリッド型蓄電池の違いとメリット・デメリット

目次

住宅用の定置型蓄電池と言っても、実はタイプが大きく分けて2つに分類されます。
「ハイブリッド型」と「単機能型」です。

結論からお伝えすると、
太陽光発電と一緒に設置される場合、もしくは既に太陽光発電があるご家庭でのおすすめは「ハイブリッド型」。
災害時などに、エアコンや給湯器を使いたい、太陽光発電を設置する予定はない、そういった方は「単機能型」がおすすめになります。

「ハイブリッド型」と「単機能型」の違いを理解した上で、ご家庭にあった蓄電池を購入できるように、詳しく解説したいと思います。

定置型蓄電池での、ハイブリッドと単機能の大きな違いは?

一概に定置型蓄電池と言っても、大きく分けて2つのタイプの蓄電池が存在します。

それぞれにメリット・デメリットがあり、ご希望の使い方や生活状況によって、選択の仕方がありますので、どっちがご家族の生活スタイルに合っているか、賢い選択になるよう、おさえておくべきポイントをご紹介していきます。

ハイブリッドと単機能の一番の違いは「停電時の蓄電能力」

詳しい説明は、ハイブリッド型・単機能型それぞれのメリット・デメリットに記載しますが、大まかに違いを説明をすると、
停電時に太陽光発電の電気をしっかり貯めることができるのが「ハイブリッド型蓄電池」
逆に停電時に太陽光発電の電気を貯めることが得意ではないのが「単機能型蓄電池」です。

蓄電池は普段使いで節約をしてくれる機能がありますが、一番頼りがいのある「停電時」に違いが明確になります。

太陽光発電システムとの連携が得意な「ハイブリッド型」は、太陽光発電で創った電気を家庭で使う場合の「変換ロス」を少なくすることができます。

また、蓄電池へ充電しながらでも電気を使うことができるため、太陽光発電の電気を最大限に活用することができます。
「単機能型」も、メーカー等によっては一部しっかり充電できる機種もありますが、この「停電時の太陽光からの充電できる量」が、1番の違いかと思います。

地域や、その住宅会社の意向にもよりますが、太陽光蓄電池関係のことをよく知っている住宅会社で、新築時におすすめしていることが多いのは「ハイブリッド型蓄電池」です。
「単機能型蓄電池」は太陽光発電システムのメーカー等に左右されないため、リフォーム会社や訪問販売業者などでよくおすすめされている、といった業界の動向があります。

新築時にハイブリッド型を勧める理由

新築時に太陽光発電を設置する場合、せっかくであればと言うことで、太陽光発電と相性が良いハイブリッド型蓄電池をお勧めされるケースが多いかと思います。
また基本的には、太陽光発電と蓄電池のメーカーを合わせた方が、保証面や施工的にもスムーズにいくこともあり、住宅会社としては保証面をしっかりさせておきたい思惑も大きいです。

リフォーム会社・訪問販売業者が単機能型を勧める理由

リフォームを検討する時期の家は、太陽光発電システムが設置されていても、保証自体が切れていることが想定されます。
そのため、太陽光メーカーに左右されず、色々な商品を提案しやす事が考えられます。

また単機能型蓄電池は太陽光発電システムのパワーコンディショナーを交換しなくても、蓄電池が後付けできるメリットがありますので、リフォーム会社・訪問販売業者は単機能型蓄電池をよく販売されている傾向が強いです。

それでは、様々な項目でハイブリッドと単機能の違いを詳しくみていきましょう。

停電時の太陽光発電との連携が違う

停電時において、太陽光発電とうまく連携できるのが「ハイブリッド型」です。

例えば5kWhの太陽光発電が屋根に搭載され、晴れた日は3kWの発電出力があると仮定します。

太陽光発電のみの場合

停電になると、例え太陽光発電は3kW発電していたとしても、パワーコンディショナーで、メーカーや品番など問わず、1台あたり自立運転で最大1.5kW(1500W)に出力が抑えられてしまいます。

そのため停電時に自立運転に切り替えを行い、晴れて太陽光が発電していれば、パワーコンディショナー本体にあるコンセントから1.5kWまで、もしくは非常時のコンセントから1.5kWまで発電した電気を使うことができます。

太陽光発電+単機能型蓄電池の場合

停電になると単機能型蓄電池の多くの機種は、太陽光発電で作っている電気が3kWあったとしても、パワーコンディショナーの自立運転の最大1.5kWに圧縮されてしまったところから、電気をもらうことしかできません。

例えば照明や冷蔵庫などで電気を使っていれば、その残った電気を蓄電池へ貯めることは可能です。
実際、冷蔵庫やテレビを優先的に使っている状況では、0.5kW~1kW近くは消費してしまうので、貯めることができる電気は、0.5kW前後のごくわずかになってしまいます。

太陽光発電+ハイブリッド型蓄電池の場合

ハイブリッド型蓄電池の場合、太陽光発電のパワーコンディショナーと、蓄電池側のパワーコンディショナーがうまく連携します。
太陽光発電から3kWの出力のうち、冷蔵庫やテレビで1kW消費していたとしても、残り2kWを無駄にせず、蓄電池側へ充電することができます。
停電時も太陽光発電を使いながら、蓄電池へ電気をしっかりためることができます。

停電時に太陽光発電から貯めることができる電気の量は、単機能は「0.5kW」。ハイブリッド型の場合は「2kW」の電気を貯めることできることなります。

上記はあくまで例であり、機種やメーカーにより蓄電池側で受けることができる最大電力や、パワコンの動作が変わってきますので、検討中の機種がある場合はしっかりご確認ください。

充電の効率が違う

太陽光発電でつくった電気は「直流」、家の中の家電製品などで使える電気は「交流」です。
そのため、直流から交流へ変換するために「パワーコンディショナー」という機械が必須になってきますが、変換する際に4~8%程度のロス(無駄)が発生します。
この変換の作業が1回、もしくは変換する作業がほぼ無い状態で、太陽光発電から充電できるのが、ハイブリッド型蓄電池となります。

単機能型蓄電池も、先述の通り太陽光発電から充電が可能ですが、充電できる量が異なります。

ハイブリッド型・単機能型、各々どれくらいロスが発生しているか、分かりやすいように、太陽光で発電した電気の量を「100」として、解説していきます。

  • ハイブリッド型:100×太陽光/蓄電池パワコン変換効率95%=95
  • 単機能型:100×太陽光のパワコン変換効率95%×蓄電池のパワコン95%=90.25

という形で、発電している量が同じだけあっても、充電できる量が異なってきます。
(上記はあくまで一例で、メーカーや機種により変換効率や、方法が異なります)

価格が違う

価格に関しては、単機能型の方が割安な傾向になっています。
単機能型は、主に10kWh前後~が主力商品帯となっておりますが、5kWh前後のハイブリッド型蓄電池と市場価格を比較すると、単機能型の方がkWhあたりの金額は安価な場合が多いです。

定価ではなかなか比べにくいですが、最終的に施工費も含めた見積りでは、そのような傾向にあります。

設備が違う

屋内屋外に設置する「蓄電池本体」は同じですが「パワーコンディショナー」の数が異なってくる場合があります。

「ハイブリッド型」の蓄電池の設備

  • 太陽光/蓄電池対応のパワーコンディショナー1台
  • (太陽光と蓄電池のパワーコンディショナーが分離している場合もあります)

  • 停電時の特定回路用の分電盤(特定回路用の商品のみ)
  • リモコン(対応機種のみ)

「単機能型」の蓄電池の設備

  • 蓄電池のパワーコンディショナー1台(蓄電池本体に内蔵している場合が多い)
  • 太陽光発電の単独でのパワーコンディショナー1台
  • リモコン(対応機種のみ)になります

容量と出力が違う

太陽光発電システムからの充電が、ハイブリッド型に比べると単機能型は少し苦手と解説しました。
単機能型は、このデメリットを補うため予め蓄電できる量を多くして、停電した際には大出力ができる機種が多いです。

単機能型蓄電池の容量は主力製品が約10kWh前後~となっており、停電した際にも太陽光発電での充電が十分できなくとも、電気がもつように大容量になっています。

反対にハイブリッド型蓄電池の容量は、太陽光発電の充電頼りにできるため5kWh前後が主流になっています。

この容量の違いは、想定している使い方が異なるためです。

ハイブリッド型蓄電池では、半日なんとか電気がもって翌日晴れていれば、太陽光発電でしっかり充電できるため、最低限の容量にしてお買い求め易くしていることが違いになっています。

出力に関しては、各メーカーやシリーズで異なりますが、単機能蓄電池は「全負荷型」が多く、出力が2kVA~7kVAと大出力であり、100V/200V気にせず、家全体の回路を全て使えることが特徴です。

反対に、ハイブリッド型については1.5kVA~2kVAが主流であり、電流をたくさん喰ってしまう家電製品(例えば炊飯器やドライヤー等)を使うと、使用できる範囲がすぐに狭くなってしまうことがあります。
そして停電時に使える回路は1~4回路(分電盤で分かれている回路1~4箇所かつ100V用)に制限される機種が多く、これを「特定負荷型」と言います。

「特定負荷型」は特定の回路にだけ電気を供給

「特定負荷型」蓄電池は、停電が起こるとあらかじめ選んでおいた特定の回路(分電盤の中の回路の2~4回路)にだけ電力を供給します。たとえば、2回路まで選択できる商品であれば一階のリビングの照明やコンセント、台所の冷蔵庫(回路が2つに分かれている場合)などを選んでいた場合、その他の回路の電気は使用することができません。
また「停電時出力」が100Vの機種が多いため、200Vの家電(IHクッキングヒーターや一部の畳数が大きいエアコン)は動かすことができないものが多いです。

「全負荷型」は家全体の回路に電気を供給

「全負荷型」蓄電池は、停電が起こると家全体の回路をバックアップするため、すべての家電を使用することができます。そのため、「特定負荷型」蓄電池のように、どの家電を動かすべきか頭を悩ませる必要はありません。
全負荷型の蓄電池は200V出力できるタイプが多く、対応機種は200Vの家電(IHクッキングヒーターや一部の畳数が大きいエアコン)は動かすことができます。

システムの寿命に違いは?

寿命自体には、メーカーの電池内部の品質の問題になっているため、特に単機能型・ハイブリッド型で寿命に優劣はありません。

ただし電池の劣化に関しては、メーカーによって差が大きいことや、日常の運用方法で寿命に差が出てきます。

初期設定での蓄電池の賢い使い方

住宅用蓄電池で使われるリチウムイオン電池は、充電の繰り返しを行うと徐々に蓄電できる電気量が減ってきます。
また100%まで充電を行う、100%になっていても充電し続けたりすること(過充電)や、反対に10%未満まで残量を減らしたり、放電しきってしまうと(過放電)電池の劣化が進みます。
そのため、住宅用蓄電池は20%~90%に残量での運用になるため、実際の使える容量は、商品上のkWh表示から、だいたい20~40%少ない電気しか事実上は使えない、ということになります。

こちらは、リモコンなどでご自身の好みに合わせて、使用量の上限と下限が設定ができ、過充電・過放電を防ぐ機能が付帯されている機種が多くあります。
この設定のリミット機能が付帯されていないメーカーや機種も中にはあるので、注意しましょう。

蓄電池の寿命に関しては以下の記事でも解説しています。

ハイブリッドとフレキシブルの違い

フレキシブル型蓄電池(オムロン)というものも存在します。

この仕組みは、単機能型蓄電池に内容はほぼ同じです。
太陽光発電が設置済みの方で、蓄電池を設置しようとした場合、ハイブリッド型は、太陽光発電のパワーコンディショナーも、蓄電池に対応しているものではくてはいけませんので、既存のパワーコンディショナーを交換しないといけないケースがほとんどです。

それに対して、このフレキシブル型蓄電池は、太陽光発電のパワーコンディショナーを選ばず(自立運転機能は必要)、接続することができます。
停電した際には、太陽光発電のパワコンを通過するため、使える電気はMAXで1500Wになりますが、電気を蓄電池側へ送り出すことができます。

ハイブリッド蓄電池のメリット

現在、住宅会社で推進している国内メーカーの主流蓄電池は、ハイブリッド型が多いです。
その理由は、太陽光発電システムと相性が良いからです。その理由をみていきましょう。

停電時、太陽光発電でしっかり蓄電できる(自立運転時)

通常の連携運転時(電力会社とやりとりができている普段の状態)では、充電できるスピードはメーカーやシリーズで異なりますが、単機能型とハイブリッド型でさほど違いはありません。

ただし日中の停電時(自立運転切替時)においては、ハイブリッド型は、太陽光発電・蓄電池のパワーコンディショナーがうまく連携をしますので、単機能型に比べて発電している電気をたくさん蓄電池へ回すことができます。
ハイブリッド型は、日中の停電時に使える回路は限られつつも、夜間に備えて充電はしっかりできることがメリットになります。

具体例で申し上げると、太陽光発電で3kW発電していたとすると、冷蔵庫やテレビで1kW消費していたとしても、残り2kWをそのまま蓄電池へ充電することができます。
そのため停電時は、太陽光発電の電気を有効的に蓄電池へためることができます。

上記の例では単機能の場合、停電時には太陽光発電でせっかく3kW発電していたとしても、パワーコンディショナーの自立運転で1.5kWに圧縮されてしまうので、冷蔵庫やテレビ等で1kW使ってしまうと、残りの0.5kWしか単機能型の場合は充電出来ないということになります。
(上記はあくまで例であり、機種やメーカーにより蓄電池側で受けることができる最大電力や、パワコンの動作が変わってきますので、検討中の機種がある場合はしっかりご確認ください)

平常時も、太陽光のエネルギーを無駄なく蓄電できる(連携運転時)

太陽光発電で創った電気を、余す電気を最小限にして充電することができます。(単機能型でも停電していない、通常の連携運転時は蓄電池側へしっかり充電することが可能です)
現在、新築での太陽光発電の屋根等への平均搭載量は約4~5kWhとなっており、晴れていれば平均3~4kWの電気を発電します。(蓄電池の種類等問わず)

この電気を、家電製品で使っている電気で優先的に自己消費しながら、余った電気を有効的に、蓄電池へ充電できます。優先順位としては、下記のようになります。

太陽光の発電量:4kW

  1. 自己消費(照明やテレビなど):1kW
  2. ハイブリッド型(単機能型)蓄電池:2kW(受け取れる最大量が機種により異なります)
  3. 売電する:1kW

屋内型も多いので、水害に強い

昨今の大型台風で危険なのが、停電と合わせての水害です。
単機能型の多くの商品は、大容量であるが故に重量が重く、屋外設置前提の商品が多いです。
電池は水に浸かってしまうと使えなくなりますので、水害が心配な地域の方はハイブリッド型の屋内設置の蓄電池を選び、2階建ての家であれば2階へ設置しましょう。

ハイブリッド蓄電池のデメリット

導入費用が、単機能型に比べて割高

太陽光発電との連携を前提としている関係上、費用的にはそこの部分に費用がかかってきます。
主流としては、5kWhで定価100万円前後となっており、工事費用も含めると定価前後の価格が最終的にはかかってきます。

パワコンの交換が必要

太陽光発電を既に設置済みの方で「蓄電池を後付けされる方」が対象になりますが、現在のパワーコンディショナーが蓄電池に対応していないタイプの場合は、太陽光発電システム側のパワーコンディショナーも交換対象になってきます。

大容量の蓄電池が少ない

元々のハイブリッド型蓄電池の考え方が、
「最低限の容量を貯めることができれば、太陽光発電でカバーできる」という考え方です。

そのため、ハイブリッド蓄電池の容量は5~7kWh前後のラインナップが多くなっています。
平均的な家庭の1日の電気使用量が15kWhと言われており、昼間は晴れていれば太陽光発電でカバー、早朝や夜を蓄電池でカバーします。

全負荷タイプが少ない

停電時、蓄電池から家じゅうの回路で電気が使える「全負荷タイプ」は、ハイブリッド型ではほとんどラインナップがありません。
停電時は、予め限られたスペース(回路)で、最低限の生活をする前提になっています。

停電時出力が100V出力の機種が多い

1~4回路程度の、特定の回路でしか使えないことと、関わりが深いことですが、ハイブリッド型蓄電池の多くは100V出力です。
そのため、200Vエアコンやエコキュートなどの容量が大きい家電や住宅設備は使用できません。

組み合わせができるメーカーが限られる場合が多い

太陽光発電のパネルの種類や、接続方法などで、太陽光発電側と蓄電池側で基本はメーカーを合わせますので、例えば設置してある太陽光発電はシャープですが、蓄電池はパナソニックを設置したい、ということは保証の関係から、不可になる場合が多いです。

そのため、新築であればセットで、リフォームであれば既に設置してある太陽光発電のメーカーに、蓄電池のメーカーも基本的には合わせる形になります。

オススメのハイブリッド蓄電池

パナソニック・創蓄連携システム

2019年までは5.6kWhと、2台設置で11.2kWhの2タイプでしたが、最新機種では3.5kWhの蓄電池も登場し、5.6kWhと3.5kWhの蓄電池の単独設置、複数設置が可能になることから5パターンの容量が選択できるようになり、選択の幅が広がりました。家族構成や、価格で調整がしやすくなりました。

また、パナソニックの特徴の一つでもある、品質の安定さは抜群です。
蓄電池は、実際使用していくと劣化が不安になりますが、電池での品質は世界でもトップクラスであり、安心感の持てる品質が一番の売りです。

パナソニック・創蓄連携システムの詳細は以下の記事でも解説しています。

シャープ・クラウド型蓄電池

シャープのクラウド型蓄電池システムは、天気予報と連動して、災害などを予想しモードを自動的に選定してくれる安心のクラウド連動型です。

このクラウドと連携しておくと、例えば自産自消モードの場合、翌日を晴れと予測すれば太陽光発電の余剰電力については、売電をせず自身の蓄電池に溜めるようにクラウドから指示を出します。
これにより、安い単価で余剰電力を売ってしまうのではなく、タダで作った電気を自分で賄うようにして、自給自足(自産自消)を促すモードになっています。売電するより自給自足として太陽光発電で作った電気を蓄電池に溜めるモードです。
このようにクラウド型に進化したことにより、太陽光発電で作った電気も、蓄電池と連携して無駄なく利用することができるようになってきました。

シャープ・クラウド型蓄電池の詳細は以下の記事でも解説しています。

京セラ・マルチDCリンクタイプ

こちらの「マルチDCリンクタイプ」の非常に特徴的なポイントは、太陽光発電からのダイレクト充電が可能なことです。
ほとんどのメーカーは、パワーコンディショナーを経由して、メーカーによってはさらに調整機能であるDC/DCコンバーターという2つの機械を通して、蓄電池へ充電が行われます。
これは、太陽光の電力は天気によって、瞬間的に出力が上がったり下がったりするため、調整機能であるパワコンを間に入れる必要性があるためですが、このシステムは太陽光発電からの直流接続でロスを最大限減らした状態でダイレクトな充電が可能です。

京セラ・マルチDCリンクタイプ型蓄電池の詳細は以下の記事でも解説しています。

単機能型蓄電池のメリット

導入費用が、ハイブリッド型に比べて割安

導入価格は、メーカーなど様々な要素によるので一概には比較できませんが、kWhあたりの単価は、ハイブリッド型より単機能型の方が安い傾向です。

太陽光発電との連携を考えていない方や、太陽光発電は設置できない方で、災害対策として蓄電池が欲しい方には、単機能型蓄電池は良いシステムです。
太陽光発電を使わずとも、安価な深夜電力を単純に蓄電池に溜めておき、日中や夜間に使用することができますので、節約にもつながります。

大容量・高出力のシステムが多いので、停電時には活躍

主流が10kWh前後~となっており1日で使う電気の約3分の2~半分をまかなえてしまいます。
また、全負荷型と呼ばれる家全体の電気をバックアップできるので、特定負荷型のように「家の特定の箇所しか電気が使えない」ということがなく、普段とあまり変わらない生活ができます。

ただ、それが故に注意が必要で、使い過ぎてしまうことも多いので、停電の状況をみて電気の使用量を抑えることが、賢く使うポイントです。

太陽光発電のメーカーに左右されることが少ない

単機能型蓄電池は、太陽光発電とは独立したシステムになっている為、連携が苦手な反面、メーカーを合わせる必要性はありません。

エコキュート・エアコンなど200V出力の大出力機器が使える

単機能型蓄電池には200V出力に対応した製品も多く、エコキュートやリビングに設置してあるような大容量のエアコンも動かすことができます。

小さいお子様や、高齢の方が家にずっといて不安、という方は単機能型の蓄電池であれば持ちも長く、出力も大容量の為安心感は大きいです。(ただし、使い過ぎには注意が必要です)

単機能型蓄電池のデメリット

太陽光発電を同時設置するなら、単機能型は注意

停電時の運転の仕方が、ハイブリッド型と大きく異なるという話も冒頭でも触れておりますが、単機能型は太陽光発電で作った電気を、効率よく蓄電池に充電できない機種が多いです。

平常時は、ハイブリッド型とほぼ同じ動きで、充電するにも高入力で充電することができますが、停電時の自立運転時は勝手が異なってきます。災害対策で、太陽光発電と同時設置の場合は、ハイブリッド型がおすすめになります。

例えば、停電時に太陽光パネルで、3kW発電できていたとします。

ただし3kW発電できていたとしても、パワーコンディショナーの自立運転が前提となるため、最大1.5kWに圧縮されてしまうことから、この最大1.5kWの電気を分けることしかできません。

冷蔵庫やテレビで電気を1kW消費している状況であったとすれば、蓄電池に貯めることができる電気は、残りの0.5kW前後とごくわずかになってしまいます。

伊藤忠商事のスマートスターL等、一部の機種は複雑な異なる動きをして、このデメリットを回避している商品もありますが、多くの単機能型蓄電池ではこのような動きになります。

屋外型・重量級が多いため水害に弱い

ハイブリッド型の5kWh前後の蓄電池は、屋内設置も可能なタイプが多いですが、単機能型は大容量が故に、屋外設置が前提となっており、水害には弱いです。(重量が重いので壁掛けはあまりお勧めしません)

購入前にはお住まいの市町村のハザードマップを確認して、水害に弱い地域にお住いの方は、屋外型は避けた方が良いでしょう。

放電下限がついていない機種もある

リチウムイオン電池の特性として、放電しきってしまうと充電できなくなったり、耐久性に悪影響を及ぼします。

ハイブリッド型蓄電池の場合、多くの機種は初期設定で20%までしか放電できないようになっており、こういった「バッテリーあがり」のような現象を防止する機能が付帯されています。
しかし、単機能型蓄電池の場合、この機能が搭載されていない事が多く、停電時に普段と変わらず電気が使えるので、気にせず使っていたら、放電しきってしまった…という事例がよくあります。

オススメの単機能型蓄電池

伊藤忠商事・スマートスターL

単機能型蓄電池で、国内で最も販売数を伸ばしているのが、こちらのスマートスターLではないでしょうか。

その特徴は、単機能型にも関わらず停電時に、太陽光発電を通常と同じような動きをさせて、太陽光発電からの電気を有効的に家じゅうで使ったり、スマートスターLに充電することができる点が、単機能型の中でも異色な存在です。

また、もう1つの特徴としては、AI機能の搭載により、天気予報を取得して翌日の天気を判別し、放電を抑えて蓄電すべきなのか、を判断して自動制御してくれます。

月額1,200円かかりますが、おそらく1,200円分は、このAI機能によってその経済効果は発揮されてくると思われます。

伊藤忠商事・スマートスターLの詳細は以下の記事でも解説しています。

京セラ・12kWhタイプ

業界でも大容量である12kWhの電池容量があり、押し上げ※の有無が選択できます。
これにより、リフォームで太陽光発電に蓄電池を後付け設置される方は、ご自身の売電価格や、日中の在宅状況によって、押し上げの有無が選択できるため、選択の幅が広く便利です。

押し上げとは

簡単に言えば太陽光発電が稼働して、売電を行っている時に蓄電池からの放電ができるかどうか?です。
太陽光発電で例えば3kwの電気を作って、1kw宅内で消費して余剰電力が2kwあったとします。その場合に、蓄電池から宅内の電気をまかなえば3kw分丸々売電できることになります。この時に、例えば16円の深夜電力で溜めた蓄電池の電気だったとします。本来1kw分は自己消費されるはずの分が、蓄電池の電気によって、24円で逆に電力会社が買わされる、という逆転現象が発生します。
蓄電池からの電気で住宅で使っている電気を賄って、太陽光発電の電力は全て売電にまわしてしまうことを「押し上げ効果」と言います。

京セラ・12kWhタイプの詳細は以下の記事でも解説しています。

テスラ・パワーウォール2

2020年3月現在では、予約のみでまだ設置されているご家庭は、おそらく皆無の蓄電池ですが、性能や価格だけを鑑みると圧倒的な蓄電池です。

他のメーカーと異色な存在で、注文はインターネットのみで施工業者は、テスラ指定の工事業者となります。バックオーダーをかなりの数を抱えており、注文を入れてもいつ納品されるか不明、という状況が待てる方であれば非常にお勧めの商品です。

電池容量は13.5kWhで価格は99万円(商品代のみ)!
出力は5kVA~最大7kVAと圧倒的な高出力で、この価格は驚異的です。

テスラ・パワーウォール2の詳細は以下の記事でも解説しています。