
賢いAI搭載!伊藤忠の住宅用蓄電池スマートスターL価格と機能
目次
皆さんは、総合商社として有名な伊藤忠商事は、事業の一環としてリチウムイオン電池関連のビジネスを展開しているのはご存知でしょうか?
現在伊藤忠商事では、「スマートスターL」という名称の蓄電池の販売に力を入れており、蓄電池業界では有名になりつつあります。
今回の記事では、このスマートスターLの特長や、おさえておきたいポイントを解説していきたいと思います。
その他、家庭用蓄電池の主要メーカーの一覧はこちら ラインアップで比較!家庭用蓄電池メーカーの一覧と強みを紹介
人工知能AIを活用した蓄電池「スマートスターL」3つの特徴
スマートスターLの特長は大きく
- 人工知能AIを活用した蓄電池
- 大きな容量と出力
- 10年の安心保証
の3点です。
人工知能AIでメリットを最大化
こちらの人工知能は先ほどご紹介したGrid Shareと呼ばれるAI機能を搭載することにより様々なメリットが生まれてきます。
例えば、他社製品で聞かれるデメリットのひとつであることは手動での、売電優先モード(太陽光発電の余剰電力は基本的には売電・安い深夜電力を蓄電池に溜める場合)と、グリーンモード(太陽光発電の余剰電力を蓄電池に溜めることを優先する場合)の切り替えが自動で出来ないことです。
要するに、この売電優先モードとグリーンモードは天候や日中の在宅状況・電力使用量や電力使用時間帯によって本来は切り替えを都度行った方が、メリットが大きくなります。
こちらのスマートスターLは、これをAIが自動的に判断をして適切な切り替えを自動で行ってくれます。
ケース1:深夜電力を蓄電池に溜めておく場合
例えば、その住宅に住まわれているご家族が、土日は在宅していることが多い家庭であるとします。AIはこういったご家族の在宅状況を学習していきます。
このため、金曜日の時点でAIが天気予報の情報を取得した段階において、明日明後日(土日)が雨の予報だったとします。
その場合に、「明日は太陽光発電の発電があまり見込めない(タダで電気を作りにくい)」という判断と、「家族が在宅している時間が長いので、電気をったくさん使うだろう」という判断を下します。
こういった場合に、安い深夜電力を金曜日の夜のうちに蓄電池に溜めておいて、翌日の土日の在宅している時は、その電気を優先的に使って電気代を節約するのに役立ちます。
ケース2:太陽光発電の余剰電気を蓄電池へ溜める場合
こちらの家族で引き続き考えると、例えば平日は在宅していることが少ないことを学習していたとします。
仮に日曜日の段階で、翌日に月曜日の天気予報が晴れだったとします。
この際にAIは「日曜日の夜に必要以上、蓄電池に電気をためる必要は無いな(翌日、平日は在宅していないし太陽光発電の発電からの充電が見込める可能性が高い)」と判断し、それまで蓄電池の電気を消費していたとしても、深夜電力での蓄電は最低限にします。
そして月曜日、晴れて余剰電力が発生すれば、その電気を蓄電池へためてできる限り最適かつ適度な自給自足の生活に近づけることができます。
こういったケースバイケースで、今蓄電すべきなのか?それとも今は蓄電しない方が良いのか?という判断をAIが、天気予報や家庭の在宅状況(電気使用量や時間帯)を把握し、ベストと思われる電気のコントロールを自動で行ってくれます。
これで平均的な4人家族で月額1,500円前後の節約効果が生まれるとの検証結果も出ています。
ただし、AI機能利用には月1,200円が必要
スマートスターLのAI機能を利用する場合は、月間1,200円の利用料が必要となりますので、こちらを踏まえて検討する必要があります。
こちらのデータは、パソコンやスマートフォンからマイページにログインして、蓄電池のリアルタイムの残量や充電・放電の状況、電気使用量、購入電気の履歴をチェックすることできるため、節約意識も働くことに繋がります。
そして最近は自宅にネットを引かない方もおりますが、こちらは無料の通信ルーターを同梱しており、NTTの回線を活用したLTEルーターでインターネット環境がもし無くても、蓄電池システムは常時インターネットへ接続されいるため、インターネット環境がなくても安心です。
さらには、このインターネットに接続されていることで、「見守りサービス」ということで蓄電池の異常や故障を常に監視しており、実際に使い始めてからの不安もなく導入いただけます。
やはり、これからに時代は太陽光発電で作った電気を、どううまく活用できるか?またそれに付帯するサービスがどんなものあるか?がポイントになってきます。
容量「9.8kWh」!スマートスターLは大容量
蓄電池での一番のポイントは、どれぐらいの充電できる容量があるか?また停電の時にどんな家電製品がどれくらいの期間使うことができるのか?が、気になるポイントです。
まずスマートスターLは、定格容量が9.8kWhあり停電時にも平常時も安心して使える、比較的容量が大きいタイプ1つのみです。
また停電時・通常時の最大出力は3kVAとこれも業界ではトップレベルの性能を持っている商品となっています。
9.8kWhと言いますと、停電時には、冷蔵庫×1、照明×5、テレビ5時間×1、スマートフォン充電×3台で、約24時間以上は蓄電池からの電気で最低限の生活ができます。
一般的に国内メーカーから販売されている蓄電池の中では、容量も大きく平常時・停電時両方とも安心して使用できる容量を持っており、さらに急な停電に備えて普段から蓄電池の電気を使い切ることのないように、蓄電池の残量を(0~90%)お好みで設定が可能です。
蓄電池にためた電気が少ない時に、停電になることが不安な方は、こちらの設定を多めにしておけば安心です。
200V出力も対応!スマートスターLの出力
そして、こちらの蓄電池の他社差別化ポイントとなる特長である、
全負荷型蓄電池であることと、3kVAの出力/200Vの主力が可能、という点です。
スマートスターLは「全負荷型」蓄電池
簡単に説明しますと、非常時に家中の電気配線に対して家全体の全回路に電気を供給できるシステムです。
国内主要メーカーの多くの蓄電池システムが全負荷の逆の「特定負荷型」で、非常時に予め決めておいた分電盤の特定の回路だけ電気が使えるタイプとなります。
「特定負荷型」では、予めどこの部屋でどんな家電機器を使うか決めておかないといけないですが、スマートスターLの場合は「全負荷型」ですからそのような面倒さがありません。
200V出力対応でエコキュート・エアコンも運転可能
200V出力も対応できるためエコキュートの運転や、エアコンの運転も可能になります。
(大きな電力を食う家電機器は、当然急激に電気を消費しますので、その点は注意が必要です。)
また最大3kVAの出力が可能なことから、例えばエアコンや照明を使用しながら(仮に約1000W使用)、テレビをみて(仮に200W使用)、電気ポットでお湯を沸かす(約800W~1000W使用)という具合に、他社の蓄電池システムでは2kVAお商品ラインナップが多い中、出力が超えないかどうか気を遣いながら電気を使用するストレスが少なくなります。
※UPS(無電源装置)内臓ではない為、停電した瞬間は電気が一旦遮断されます
満充電まで約3時間!充電スピードも早い
スマートスターLは充電時間のスピードも非常に早く、電池残量がほぼ0からの状態でも、約3時間で満充電のすることができるので、台風などが近づいて来たら、停電に備えて満充電にすることも可能です。(使用環境・電力によって変動します。)
太陽光発電との停電時の動き
多くの国内メーカーの太陽光発電と、住宅用蓄電池を組み合わせたシステムでは、
停電時に太陽光発電で発電した電気は、多く作ったとしても無駄になってしまうケースや、太陽光発電でしっかり発電していても、定格以上の出力がでなかったりします。
その点、スマートスターLは独自のシステム制御により、通常時と同じように太陽光発電を稼働させて、発電した電気を家庭内でしっかり使用することができます。
これは、先ほど解説した全負荷型の蓄電池であることと、システム制御が成せる技術であると思われます。せっかく発電した電気を勿体なくないよう、有効的に活用できる仕組みが可能な蓄電池システムはスマートスターLのポイントの1つとなってきます。
スマートスターLは「無償10年保証」
住宅と同じで、長く使っていくものだからこそ保証の内容や年数は、ほとんどの方が気になるポイントと思います。
製品自体の保証年数は無償で10年です。
保証内容は、蓄電池の充電可能容量が60%を下回った場合に無償修理(商品引渡し確認日から10年保証)をするという内容です。
さらに自然災害保証も併せて10年付帯しています。自然災害補償で対象とされる内容については、火災・破裂爆発・落雷・風災・水災・外部からの衝突(車等)・雹災雪災・窃盗の8点が対象となっています。
スマートスターLの保証の起算日については、
10年間の機器保証:系統連系日
10年間の自然災害保証:蓄電池の設置日
となっております。
スマートスターLの製品価格
SmartStar L(スマートスターL)LL3098HOSは
定価:税別 2,850,000円(工事費用別)となっております。
上記の価格は「メーカー定価」ですので、販売店などから購入する際、多くの場合は定価よりも安く購入できます。
また、システム全体は環境共創イニシアチブの「補助金対象商品」となっています。
スマートスターL「製品スペック詳細」
- 商品名:SmartStar L(スマートスターL)LL3098HOS
- 蓄電池種類:リチウムイオン蓄電池
- 定格容量:9.8kWh
- 実行容量:8.8kWh
- パワコン定格出力:3kVA(系統連系時・自立運転時ともに)
- システム定格出力:系統連系時10kVA・自立運転時最大9kVA
※太陽光発電システムの容量や電力の仕様環境により異なる - 外形寸法:幅762×高さ1145×奥行440mm(自立脚部含めて)
- 期待寿命:6000サイクル
※1回の充放電を1サイクルとし、6000サイクルは16.4年間の耐用年数となります - 重量:195kg
- 設置場所:屋外設置想定
- 規格:ECHONET Lite対応
伊藤忠商事の蓄電池事業
言わずと知れた、学生の就職活動の際には人気就職先ランキングや、高年収ランキング等で上位に出てくることが多い伊藤忠商事ですが、総合商社らしくエネルギー関連事業も展開を進めており、得には住宅用蓄電池関連のビジネスは2013年ごろより参入しています。
またこの事業の根幹となっている部分は、アメリカの大手住宅用太陽光発電・一般家庭用蓄電池事業を行っているSunnova Energy Corporation(本社はアメリカ合衆国・テキサス州・以下Sunnova社)から、第三者割当増資を受け、特に住宅用蓄電池の共同推進を行っています。
そして今後の分散型エネルギー社会の実現を目指して、2018年頃からイギリスのMoixa Energy Holdings Ltd(以下Moixa社)、Trende社、株式会社エヌエフ回路設計ブロック(以下エヌエフ社)といった、エネルギーに特化した会社と共に連携を行って、スマートスターの最大の特長である「AIを活用した蓄電池システム」の販売、さらには蓄電池専用電力料金プランのは販売も行っており、AIを活用したモデルの「スマートスターL」はMoixa社のAIソフト「Grid Share Client」と連携させたとなっており、蓄電池業界でも特長を発揮するようになってきました。
現在販売状況としては好調のようで、今年の2019年の卒FIT家庭への需要や、新築での新規設置層をターゲットとして販売を伸ばされているようです。
また伊藤忠商事としては、分散型エネルギー社会(具体的にはVPP・バーチャルパワープラント)を視野に入れたビジネスモデルの展開も模索しており、リチウムイオンの資源開発及び製造や販売事業にも力を入れており、家庭用蓄電池「スマートスターL」の販売を軸に、伊藤忠グループのネットワークを活かした多様な事業拡大を模索しているようであります。
VPPとは?
VPPとは、バーチャル・パワー・プラントの略で、「仮想発電所」とも呼ばれます。
各地に点在している太陽光や風力といった小規模な発電所・蓄電池等の設備を家庭や工場といった「電気を使う人たち」をネットワークで制御・管理することで、1つの発電所のように仮想的に機能させることです。
まとめ
上記から、伊藤忠商事のスマートスターLの他社と違うポイントとしては、AIでの自動制御と全負荷型の出力を備えているポイントかと思います。
AIでの自動制御ができるメーカーが出始めてきましたが、パイオニアとして伊藤忠商事のグループ力を生かした新しいサービスが付加価値として増えていくように思います。
また停電時の全負荷型の大きい出力を持っているのも、台風が多い夏から秋の時期や、いつ来るか分からない地震への備えとして有意義なシステムであると思いますので、
こちらの記事を参考にして、この点が気になった方は、住宅会社や工務店に相談してみてください。