
高い品質とパワコン自社生産が強み!オムロン蓄電池の機能と価格
目次
皆さんはオムロンと言いますと、どういった製品を思い浮かぶでしょうか?
体重計や体温計などの機器を思い浮かぶ方が多いでしょうか。今回は精密機器が得意のオムロンから販売している住宅用蓄電池について解説していきたいと思います。
その他、家庭用蓄電池の主要メーカーの一覧はこちら ラインアップで比較!家庭用蓄電池メーカーの一覧と強みを紹介
オムロンってどんな会社?会社紹介とエネルギー商材
オムロンは会社としての歴史は、約80年の長い歴史を持つ会社です。
元々はレントゲン撮影用タイマーの開発から始まっており、現在は4つの分社のような形でドメインがわかれています。
制御機器事業、健康機器関連事業、車載やインフラ事業にまつわる事業、そしてエネルギー関連事業です。健康医療機器は、みなさんに馴染みのある分野ですが、今回ご紹介する住宅用蓄電池はエネルギー関連事業で取り組まれています。
オムロンは、住宅・太陽光発電業界で有名なことと言えば、太陽光発電システムのパワーコンディショナーが挙げられます。
オムロンはパワーコンディショナーを自社で製造しており他社へもOEM品(表向きは違うメーカーの表記でも、製造自体はほとんどオムロンが行っている)を供給しています。
また住宅用に限らず、産業用(屋根の上でなく、田んぼや山中に大規模に行う太陽光発電事業)まで対応しているパワコンをラインナップしています。
様々なメーカーが採用する信頼性は高いものがあり、汎用性も高い製品を作っていると言えます。
それでは、ひきつづき本題の蓄電池の内容をご紹介していきます。
太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム KP55S
太陽光発電システムと組み合わせて使用する、住宅向けとしての主力製品になります。蓄電池容量は6.5kWhとなります。
まず他社と違うポイントとしては、パワコンの技術を生かした形で、太陽光発電で作った電気を無駄なく、蓄電池に溜める工夫もされています。
最近の太陽光発電は「過積載」と言ってパワコンの容量に対して、太陽光発電の容量が大きい状態での設置も目立ちます。これは特段、メーカーが認める範囲であれば保証等も問題ない接続方法です。
ただ、太陽光発電で作った電気が一時的に、パワコンが処理できる能力を超える場合があります。この場合、基本的には作った電気は無駄になってしまいますが、このオムロンのパワコンとハイブリッド蓄電池を組み合わせた場合は、そのパワコンの能力を超えた電気は蓄電池へ溜めることができます。
また反対に「出力抑制」や「出力制御」と言われる現象が太陽光発電にはあります。
電力は、需要と供給のバランスが保たれている状態で正常な運用が社会全体で可能になりますが、太陽光発電が増えすぎてしまった地域(特に九州地域は顕著)は、例えば気候も良く晴天の場合、電気が需要に対して作られ過ぎてしまいます。
その時に、太陽光発電側から電気を供給する量を、強制的に抑えて調整を行います。
実際には発電はできているが、受付てもらえない状態のことを言います。
この場合、発電した電気は売れもせず勿体ないですが、こちらのオムロンのシステムは、もし出力制御が発生し、例えば5.2kW発電していて、3kWまでという出力制御があったとします。
3kWのうち、仮に0.3kW自己消費していれば、残りの2.7kWは売電できますが、元々発電していて出力制御される前の、2.7kWはどうするのか?
この電気を、このシステムであれば蓄電池へ供給して溜めることができます。(最大2.2kWの出力で蓄電池へ充電)
この仕組みは、他社ではあまり見られない仕組みであり、九州地域は特にこの恩恵が受けられるケースが地域によってはあることと、今後太陽光発電が当たり前になってくると、九州だけではく各地でこの出力制御の問題が起こることが予想されますので、そういった場合に非常に有効です。
3つの運転モード
その家庭の電力契約に応じた形で、3つの運転モードがあります。
経済優先モード
このモードは、エコキュートと同じような動きをします。要するに安価な深夜電力を蓄電池に溜めて、太陽光発電の余剰電力は基本は売電をする、というモードです。
蓄電池が活躍する時間帯は、早朝や夕方~夜にかけてです。この時間帯に安価で溜めた電気を住宅側へ放電して、高い電気代の時間帯の電気は極力買わないようにすることで、経済メリットを生じさせます。
このモードは、売電価格が比較的高い家庭(目安は30円台以上)で有効になってきます。
グリーンモード
このモードは、先ほどと反対に太陽光発電の余剰電力を蓄電池へ優先的に溜めるモードです。こちらは、太陽光発電を比較的最近設置されて、売電価格がそこまで高くない方(目安は売電価格が20円台)に有効になってきます。
蓄電池が満充電できたら、太陽光発電の余剰電力は売電する方に自動で切り替わります。
安心モード
このモードは、せっかく蓄電池を購入して、いつ地震などが来るかわからないから、基本的は満充電で災害に備えるモードです。
最低残量は設定で変更可能ですが、朝または夕方に電池から設定値まで放電を行い、それ以上は放電をストップし、その後蓄電池が深夜電力を充電して満充電に戻るようになっています。
停電時の動きについて
オムロンの蓄電池は、停電時は特定負荷タイプの機種になります。
特定負荷とは、あらかじめ接続している特定の回路のみに電気を蓄電池から供給することになります。
そのため、特定負荷用の分電盤が別途必要となっており、停電時作動させる回路を工事の前に決めておく必要がありますので、住宅会社と相談してみてください。
蓄電池ユニットの価格とスペック詳細
オムロンの住宅用蓄電池は屋内設置想定となっています。
サイズ自体も世界最小サイズとしてコンパクトにおさまっているため、邪魔になりにくいです。
KP-BU65-Aのスペック詳細
- サイズ:幅452mm×高さ656mm×奥行120mm
- 種類:リチウムイオン電池
- 蓄電池容量:6.5kWh(実効容量5.9kWh)
- 充電回復時間:約6時間
- 重量:52kg
- 取り付け方法:屋内・床置き
- 定価:公式ホームページ、カタログに記載なし
KP-S-B64のスペック詳細
- サイズ:幅406mm×高さ640mm×奥行165mm
- 種類:リチウムイオン電池
- 蓄電池容量:6.4kWh(実効容量5.8kWh)
- 充電回復時間:約6時間
- 重量:60kg
- 取り付け方法:屋内・床置き
- 定価:公式ホームページ、カタログに記載なし
住宅用・産業用共用フレキシブル蓄電システム(KPAC-Bシリーズ)
蓄電池の一般的な欠点と言えば、充放電の繰り返しによる蓄電池の劣化が挙げられます。
そのため各社保証が10年~15年で何パーセントまでの充電可能量を保証の範囲としていますが、
こちらのオムロンの新製品の住・産共用フレキシブル蓄電システムは、1日に2回の充放電を繰り返しても安心の品質と長寿命を保証しています。
まずは、1日に2回充放電することによるメリットと言えば、朝起きてから朝食の準備などの時間帯に電気を使って、さらに夕方から夜にかけての時間帯にも使うことにより、
蓄電池自体の容量はそこまで大きくなくても、1日の電気を賄える範囲と量が多くなります。
こちらの蓄電池の容量は4.2kWh(実効容量4.0kWh)と決して大容量とは言い難いコンパクトな容量ですが、2回にわけて使えることにより倍の8.4kWh分の容量に相当する働きをすることができ、経済的です。
また、この1日2回の繰り返し充放電に耐えれるだけの品質が担保されており、業界では最も保証内容が良い部類の、15年で70パーセント以上の容量の保証があります。
1日に2回の充放電を15年間行うサイクルは、10年は1.5サイクルの充放電を行うサイクルの約2.2倍となりますが、それでもこの高い水準の保証を出していることがオムロンの蓄電池の品質の高さを物語っています。
3つの運転モード
先程のハイブリッド蓄電システム KP55Sと同じ働き方を行いますが、こちらのシステムは1日に2回運転することを前提に作られている点が異なってきます。
ただ、その家庭の電力契約に応じた形で、3つの運転モードがあるのは大きくは変わりありません。
グリーンモード
このモードが、フレキシブル蓄電システムの本領発揮のモードになります。
まず、安価な深夜電力を購入して、朝に蓄電池からの放電で、住宅の電気を賄います。(最大出力2000W)
太陽光発電の余剰電力は、基本的には蓄電池へ優先的に溜めてまずは朝使った分の容量を、太陽光発電で補充して、満充電になればあとは通常通り余剰電力は電力会社へ売電へ切り替わりをします。
日が沈んでからは、また蓄電池からの電気を供給して住宅の電気を賄います。
ここでの不足分は、通常通り電力会社から電気を購入します。
そして深夜電力の時間帯になった際には、電力会社からの電気を蓄電池に溜めて翌日に備えるという形を取ります。
これにより、商品名通りフレキシブルに電気を蓄電池から極力賄うようことができる、経済メリットとグリーンモードの掛け合わせたようなシステムになっています。
この仕組みは他社の仕組みには、あまり見られず基本的には1日の充放電は1回のみの想定になっています。
経済優先モード
このモードは、先程のハイブリッド蓄電システム KP55Sと同じような動きになります。
安価な深夜電力を蓄電池に溜めて、太陽光発電の余剰電力は基本は売電をする、モードです。
蓄電池が活躍する時間帯は、早朝や夕方~夜にかけてです。ただ、基本的には太陽光発電の余剰電力は全て売電をするため夕方は朝使っていれば、その分減った状態からのスタートになります。
このモードは、売電価格が比較的高い家庭(目安は30円台以上)は、FITの権利が失効するまてまは有効かと思われます。
安心モード
このモードは、せっかく蓄電池を購入して、いつ地震などが来るかわからないから、基本的は満充電で災害に備えるモードです。
最低残量は設定で変更可能ですが、朝または夕方に電池から設定値まで放電を行い、それ以上は放電をストップし、その後蓄電池が深夜電力を充電して満充電に戻るようになっています。
KP-BU42-Aの価格とスペック詳細
- 種類:リチウムイオン電池
- 蓄電池容量:4.2kWh (実効容量4.0kWh)
- 外形寸法:幅530mm×高さ455mm×奥行215mm
- 充電回復時間:2.5時間
- 設置場所:屋内想定・床置き
- 重量:62kg
- 保証期間:10年
- 容量保証:15年で70パーセント以上
- 定価:2,870,000円(パワコン等を合わせたシステム価格・カタログ記載参考価格)
住宅用・産業用共用フレキシブル蓄電システム(KPAC-Aシリーズ)
同じくフレキシブル蓄電システムで、容量の大きい従来の蓄電池のモデルです。
こちらのシステムは屋内設置向けの6.5kWhと、屋外設置向けの9.8kWhタイプの2種類があり、既に太陽光発電を設置している家庭のリフォームでの蓄電池設置にも、後付けで設置可能です。
日中の発電余剰電力を充電することで、自家消費を目指します。
こちらの商品のポイントは、最小・最軽量サイズでのコンパクト設計であるということと、9.8kWhの屋外設置タイプであれば、自立設置に加えて壁掛け設置が可能となっています。
壁掛け設置を行うことにより、基礎工事が不要であることと、水害での水没の危険性も低くできます。
また運転モードは上記の3パターンと同様の運転モードが選択できます。
経済優先モードと、安心モードは全く同じの為省略致しますが、グリーンモードに関しては2回の充放電あ行わず、太陽光発電の余剰電力は優先的に蓄電池へ充電を行い、放電に関しては朝や夕方~夜間にかけて残量がなくなるまで放電を行う形になります。
こちらの商材は、既設の太陽光発電との連携を第一優先事項として考えた商品になりまます。もっとも、基本的には太陽光パネルと同一メーカーでの設置が基本、同一メーカーでも太陽光パネルの種類などによっては設置ができない場合もありますが、オムロンの蓄電池はその汎用性が高いことです。
(必ず設置可能なものかどうかは、工事業者様を通じて確認が必要です)
KP-BU65-Aの価格とスペック詳細
- 種類:リチウムイオン電池
- 蓄電池容量:6.5kWh (実効容量 5.9kWh)
- 外形寸法:幅452mm×高さ656mm×奥行120mm
- 充電回復時間:6時間
- 設置場所:屋内想定・床置き(6.5kWhタイプ)
- 重量:52kg
- 容量保証:10年で60パーセント以上
- 定価:2,510,000円(各々パワコン等を合わせたシステム価格・カタログ記載参考価格)
KP-BU98-Bの価格とスペック詳細
- 種類:リチウムイオン電池
- 蓄電池容量:9.8kWh (実効容量 8.8kWh)
- 外形寸法:幅452mm×高さ542mm×奥行228mm
- 充電回復時間:6時間
- 設置場所:屋外想定※海岸から500m以上離隔必要(9.8kWhタイプ)
- 重量:78kg
- 容量保証:10年で60パーセント以上
- 定価:3,020,000円(各々パワコン等を合わせたシステム価格・カタログ記載参考価格)
まとめ
上記の通り、オムロンでの1番の特長は蓄電池の品質、そしてパワコンの自社生産での強みがあることや、経済モードとグリーンモードを組み合わせたフレキシブルな動きが可能な他者にはないシステムになります。
電力会社からの電気が高くなる現代において、家庭によって異なる電力契約に応じて、より効果的な選択のできるオムロンを蓄電池を検討の選択肢に入れてみては如何でしょうか。